今から吹くのは誰かの大切な一曲#サックス芸人日記2

2月の路上演奏の話。

保育士の女性が「花は咲く」をリクエストしてくださった理由を忘れられない。 

「花は咲く」はその女性の働く保育園で卒業式の歌として毎年採用している歌だそう。 

東日本大震災の復興ソングである「花は咲く」に込められた願いを、卒園するこども達に贈ること。毎年この時期に流れるであろう「花は咲く」は、保育園で過ごした時間を思い出させてくれるだろうから。 

そんな想いから何年か前から採用しているのそうだ。

想いがこめられた歌に、また別の思いが重なって繋がれていく。
音楽ってそういうものなんだなぁと目頭が熱くなると同時に
なんとなく吹いていい曲なんて世の中に存在しないんだ、と心に刻まれた。

よく理解していなくても聞き覚えのある曲をなんとなく吹くことが多かったけれど、
それはその曲を大切に思っている人にとってとても失礼なこと。

作曲はしないから、既存の曲を吹く。
わたしが吹かせてもらっている曲は
誰かにとって大切な一曲であることを、忘れてはいけないなと思った。

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