見出し画像

改憲か守るか、二択じゃない。日本国憲法の構造とわたしたちの課題

憧れの人がおすすめしているものは触れてみる

と決めているので、考え方やライフスタイルに憧れているやなぎさわまどかさんが企画運営に携わる「YOKOHAMAデモクラシー道場」の6/24開催回に参加しました〜!

▼参加したのはこちら

小口幸人(おぐちゆきひと)弁護士
倉持麟太郎(くらもちりんたろう)弁護士

のお二人をゲストスピーカーとするトークセッション。

「そうだったのかーー!」と学び多き回だったので、自分的学びポイント3つをまとめておきます!押忍!!(道場なので)

①規律密度が低い

最初の「そうだったのかーー!」ポイント。
日本国憲法ってとっても余白が多いのだそうだ。

世界の憲法の平均wordは 21,960語(民主主義国家:24,430語)のなか、日本は4,998語(規律密度が低い)

法律に”丸投げ”傾向
「法律でこれを定める」「法律で定めるところにより」「国会の議決」の多用。

当日の資料より

これってどういうことなの?
の説明に、権力者と憲法を例えたこんな図を見せてもらった。

(即席でcanvaで作ったから粗い。笑)

権力者がライオン、檻が憲法
檻の中はライオンが権力を使っていい範囲
檻の外はライオンが権力を使ってはいけない範囲

と考えると、
日本国憲法は以下の特徴があるそうだ。

そもそもの設計上オリの棒が少ない(スカスカ)。オリの隙間の広い狭いを決めるのは政治権力(ライオン)。オリを破ろうとしたときにオリに閉じ込める制度が存在しない。

当日の資料より


わたしにとって政治(特に安倍政権時代)は「国民の意見を無視しているように感じる、議論してほしいな」と感じることが多々あった。今まではなんとなくのモヤモヤだったけれど、トークセッションで事例を聞きながら、わたしのモヤモヤの背景にはライオンが檻を曲げて外に出て権力を振るっている状況があったらしい とわかった。

日本国憲法は法律に"丸投げ"の傾向があるので、政治家の解釈によって「檻を曲げる」ことが可能なんだそうだ。しかも違憲には罰則はない。

「野党からは憲法を『守る』だけではなく権力者を縛るという形での改憲を提案する声があってもいいのではないか」という話を聞いて、その通りだな〜と感じた。

②改憲を提議できるのは権力者側のみ

内容次第では改憲を検討してもいいのかも、と思ったところで次の課題。

諸外国は憲法改正について

・議会で●分の●の賛成を得たら
・国民からの発議ができる

など複数の手段を設けているそうなのだけど、
日本はたった一つだけで、且つ手続きが多いのだそう。
(国民投票が必要になる国ってあまりないらしい)

日本国憲法第96条
1.この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

国会が発議しない限り改憲出来ないということは、改憲を提議できるのは権力者側のみ ということだそうだ。

そうなると、時の政権の意向が強く反映されるので、権力を縛る形での改憲なんて提案しないだろう。これは構造的な課題のようだ。

参議院選で改憲勢力が3分の2を占めたことで、きっと改憲の動きは強まるのだろうけど、改憲を検討するなら「国民からの発議ができる」とか憲法改正の手段についても再見直しがあっても良さそうと思った。

だけど、改憲の議論ってどういう風に進むんだろうか…。検討することたくさんあるので、ぜーんぶまとめて「これ承認する?」って国民投票求められても困るな…。ここはいいけど、ここは納得できない、みたいな部分的に検討できたらいいのにな。

知らないことが多いぞ。

③規律より「人」が圧力になる日本文化

コロナ禍では自粛警察が話題となったけど、国民性として「世間の目を気にする」「和を乱してはいけない」など、空気を読むことを大事にするのがあると思う。

これは、
法の支配ではなく、人の支配が強い傾向があるとも言えるようだ。

基本的人権など、どんな状況でも守られるべき権利を保証しているのも憲法。

だけど日本は規律よりも「人」が圧力になる傾向があるから、本来「憲法」が権力のブレーキになるはずのところで、ブレーキがかからない…ということが多発しているそう。(確か、コロナ禍の営業制限とかを例に説明されていたと思う)

この話の後のトークで聞いた言葉がとても印象的だった。

「法に基づく民主主義は日本の国民性にあっていないのかもしれない、と思うことはある。だけど、わたし達はいま民主主義を手放したら、恐らく自分たちでは取り戻せない。

国民性に合っているかどうかとは別問題で、未来の子供たちや諸外国に迷惑をかけないために、守るべき一線があってそれを守る努力が必要だと思う。文化にあっていなくても諦めてはいけないんじゃないか。」

選挙だけじゃ足りないぞ〜〜?

選挙が大事なのは大前提だけど、「あ、選挙だけじゃダメだ」というのがイベント参加後の素直な感想でした!市民の一人としてまずはもっと知ることが必要で、その結果望むことを政治を担ってくれる人たちに伝えることが必要。そして社会をわたしのぞむ方へ引っ張ってくれるであろうリーダーに推し活をしなきゃ。
と思った。

まさに不断の努力ですな、押忍!!!

(「ライオン 檻」で調べて見たらこんな本を見つけたので借りてみた〜!もう少し知ってみよう)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?