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『#私は真実が知りたい』感想、7/17メディア酔談感想他:あるべき道へ戻っていきたい #赤木さんに真実を #赤木さんはあなたです

■『私は真実が知りたい』届いた!

7月15日発売の『私は真実が知りたい』、予約しておいたら九州の山奥にも16日に届いた。

『私は真実が知りたい』の帯、雅子さんによるイラストも文字も素敵。
俊夫さんのイラスト、しっかり特徴とらえててしかもかわいい。

「国会議員・公務員の皆さん どこ向いて仕事してますか? 改ざんしてしまいましたが、夫・赤木俊夫はまっすぐ前を向いていました。 赤木雅子」

毅然。


翌17日(金)がメディア酔談の日で、境治さんがそれまでに読まなくちゃとツイートされていたので、そっか、読まなくちゃ、と。
歯痛のため急遽近所の歯科医院に行くことになった息子を送って、帰ってきてもよかったのに待合室に居座って読み始め、帰ってからも家事もそっちのけで一気読み。

■個人的な状況

個人的には、元都民として注目していた都知事選の経緯や結果、その後の命の選別発言にがっくりきたり、その後のすったもんだにもやきもきしてぐったりしていたところ。
3.11直後からの山本太郎氏の発信と行動には勇気をもらっているんだけど、彼を叩こうとする動きには辟易するし、見てるだけでくたびれる。もちろん私も崇拝してるのではないから、直したり変える必要があることもあるだろうと思って見ている。彼は必要に応じてそれができる人だと思ってもいる。
単に叩きたいだけではなく、応援したいからこそ意見するという人もいるし、勉強になるんだけど、「公党としてあるべき姿」とかを語られる(「理がある」ように見えるから、それを振りかざすのは簡単)なら、彼の追求したいものはそこにあるとは限らないし、むしろそれを壊さないと進めないという考えがあったりもするのだろうしとか考えると、「支持します」という方も自分の頭で考えなくちゃいけないことが多いので難易度高い。
それから、宇都宮氏陣営とのわだかまりみたいなものも気になるし、維新候補の元熊本県副知事の人が、さほどの知名度もなかったはずなのにかなりの得票だったことなども心配で、胃の調子がおかしくなるほどだった。
実際には関わっていないのに、見ているだけで具合が悪くなるってどういうことかと思うが、3.11の後すぐにあった国政の選挙以降、毎回そんな感じ。
それでも、当時から比べたら、市民派が選挙に通ることが格段に増えていると感じるし、選挙戦でネット利用が解禁されてから情報へのアクセスがよくなったのでわかりやすくなったし、よくなってきてると思う。

私としては、野党共闘候補を決めるのに、アメリカみたいに予備選やってほしいな~と思った。そしたら盛り上がりそう。
政治について語り合うことは本当はわくわくすることなはず。
そういう雰囲気になるといいな。

絶望の中にも、小さくても希望の光を見出すことが、生きるためのコツ。
あきらめきることはしない。しぶとく生き抜いてやるのだ。

■『私は真実が知りたい』感想

そういうところで雅子さんの裁判が始まり、テレビなどでインタビューが放送され、雅子さんの生の声が聞けてうれしい。力をもらう。
楽しみにしていた書籍が届き、気を取り直す。

雅子さんが乗り移って書いているんだ、と力説する相澤さんの動画など見ていたせいか、雅子さんの語りに少々の相澤テイストを感じつつ(プロポーズにすぐに応じたら女がすたると、雅子さんが本当に思ったのかは気になるところ)。

週間文春ですでに読んだ内容がたくさん含まれていたこともあり、読みやすかった。
前半の雅子さんの目線の話は初めての裏話も多く、流れがわかって興味深かった。
文春でも読んだが、隠したいという財務省、財務局側の動きが、とことん、すっかり、雅子さんを対等な人間として見ておらず、敬意が欠けていて失礼極まりない。

雅子さん、一日一日、色々なことに本気で向き合ってきたからこその今ですね。
公表までの道のりで、強くなり、決心を固めていく雅子さんに、そして広がる支援の気持ちに、財務省、財務局、その他真実を隠し続けたい関係者はヒヤヒヤしてきたと思います。

最後のね。
俊夫さんの写真。
感情移入して流れを追体験するように読んでいったところで、あの写真を見るのはつらい。
そして、冒頭に繋がる。
私も真実を知りたい。

■共感の理由想像

なぜ多くの人が共感するのかといえば、ひとつには、日本の「組織」というものに、一個人として苦しい思いをさせられた人が少なくないからじゃないかな。
状況はまったく違っても、例えば私なら保護者として学校と向き合うとき、子どもを守る視点が前提にされず、組織の論理が表に出てくる場合は苦しい。
会社で納得いかない経験した人も山ほどいるはず。

日本では誤解があると思う。
国のために人があるのじゃない。人のために国があるはずなのに。
組織も、個人を守らず、むしろ切り捨てたり見捨てたり。

おかしいな。
おかしい。
楽や幸せが罪であるかのような。
苦行こそ正しいみたいな思い込み。
変えたい。

■雅子さんの生の声に感じる強烈なコントラスト

裁判開始に合わせて、雅子さんがテレビやラジオのインタビューを受けていて、いちいち涙が出る。
雅子さん自身は全体的にまったく淡々としていて、悲しみを前面に出すことはない。
そのまっすぐさが胸を打つ。

日々利権のことしか考えない人たちに世の中が振り回されている様子を見せられてうんざりしているところ。必要とあらば、ことばすら打ち壊すような人たち。
雅子さんが雅子さんとしてそこに立つだけで、あまりにも強烈なコントラストを成してしまう。
だからわざわざ、「安倍政権を倒したいとかいうことじゃないです」と言わなければならない。

そうだよねえ、人って、そのようにあればいいんだよねえ。
そんな風に当たり前のことを言える世の中であってほしい、と、そりゃみんな思うに決まってる、と思うんだけど。

実際には、遠慮して忖度して怖がって、まっとうな要求を掲げることをみんなが躊躇する世の中で。
極めて当たり前の要求をするとなぜか国を敵に回すことになる、と。
これって本当に、いったいどういうことなのかしらね。

夫の死に至る経緯を知りたいって、ただそれだけですよ。

【前編)“森友改ざん”自殺職員の妻が語る思い】
https://twitter.com/news23_tbs/status/1283062688654831616
【後編)“森友改ざん”自殺職員の妻が語る思い】
https://twitter.com/news23_tbs/status/1283063665550176256


大竹まことゴールデンラジオは、たまたま相澤さんのツイートで知って、radikoで聴いた。
雅子さんご自身が相澤さんとの初対面の様子を語っていたの、率直でおもしろかった。
もちろん、雅子さん、相澤さんの真摯な想いも伝わってきたし、大竹さん室井さんの応援したい気持ちも。出演後寄せられたリスナーからのコメントにも共感した。

■7月17日メディア酔談感想

そしてメディア酔談、満を持しての雅子さん登場。
笛美さんのお話よかった。
境さんの思惑通り、今回は相澤さん抑え気味。雅子さんへの配慮?いい感じ。
今回はポイントをおさえる解説記者風な存在感。いつもの、いっぱいしゃべってくださるのもそれはそれで楽しいのだが、今回は境さんの心労も少なくて済んだっぽい(笑)。
近畿財務局から来た一団の半分がもし女性だったら違っていただろうというイメージを一瞬みんなで共有できたのもおもしろかった。
この件は社会が変わるきっかけとなりそうとラジオで室井さんも話していて、まさに、と思った。

そうじゃなきゃおかしいだろう、これが通らなきゃおかしいだろう、ということこそが、つぶされるのがこの社会なのだと、実は多くの人が、意識しているかどうかは別として、経験上しこたま思い知らされて生きてきているので。
雅子さんの当たり前すぎる主張が通るとき、それはそれは感動すると思う。
本当はそんなものはするっと通るのが当たり前にならなきゃいけないのだけれど、実際には踏み外したままもうずいぶん遠いところまで来てしまっている。
その道を、反対方向へ、「そうだよねえ、そうでなきゃねえ、やっぱりねえ」と言い合って、戻っていきたい。みんなと、あるべき道へ。

俊夫さんのいいところの紹介、そのエピソードひとつで、ほっこりすると同時に失った無念さ淋しさが、赤の他人の私にもどすんと。

メディア酔談のおふたりのイラストも雅子さんが描かれていて、そっくり。
よだれがツボでした。

そして、「メディア密談」の予告に、勢いで申し込んでしまった。おもしろそう。

■本を読み、酔談を視聴した後でじわじわと湧いてくる「悔しさ」

赤木俊夫さんは、「死へ追いやられた」のだ、としか思われない。
酔談で、「仕事を辞めることも何度も考えた」と雅子さん。でも辞めたらすべて彼のせいにされてしまう。
苦しくてたまらなくても雅子さんにすら改ざんの詳細を明かしていない俊夫さん。
そして、辞められてすべて公にされては困る財務局と本省。

「近財は赤木に救われた」との俊夫さんの同期のことば。
赤木さんは近財を救いたかったわけじゃないよね。
まっとうな仕事をしたいのにねじ曲げられ、しかもすべて1人で背負うように仕向けられて耐えられなかったということだと思う。
特攻に行かせといて「お国のためにありがとう」というみたいで怖い。

近財万歳って書き遺してたんなら別だけど、亡くなる前に、立ち上がったらすぐに手記が見えるようにパソコンをセットして、わかりやすいところにパスワード置いて。
必ず読んでもらえるように整えてあった。
強く強く、納得できない思いを、表にも出せず、でも、黙って墓場に持っていってやるものか、と。

切ない。ギリギリの状態で、「これだけは」との想い。
公になるまでの経緯を知れば知るほど、つくづく、とうとう公になったことそのものが、まずは本当によかったと思われる。

赤の他人だけど、悔しくてたまらない。
まっすぐな人が追いやられているのを、たくさんの人が見ていたはずなのに誰も止められないなんて、大人の社会がそんなんで、子どものいじめがなくなるわけがない。

■遅ればせながら『安倍官邸 vs. NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』感想

『私は真実が知りたい』に続いて、遅ればせながら『安倍官邸 vs. NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』も読んだ。
相澤さん熱い。
そしてやはりクセが強い。
取材の裏話は、知らない世界を覗かせてもらったようで興味深かった。
2冊読むと、タイミング、視点、立場を変えて同じ事件を眺めることに。

ケンカして仲良くなる少年漫画の世界とかなんとか、おとこおとこしい話や、「辞表書け」とか、時折ドン引きしかけるんだけど読ませるうまさがあり、何より人への敬意と愛と愛嬌があるのが人間としての魅力ということかなあ。

久しぶりに読書しちゃって、読み終わるとさみしい。

■少しずつ違う切り口で

7/21、大阪のABCラジオ「おはようパーソナリティ道上洋三です」出演との相澤さんのツイートを見かけ、これもradikoで聴く。
色んな番組で少しずつ違う切り口で話が引き出されていく。
雅子さんのお話、ふと自分が死んでしまうのでは、そしたら手記が日の目を見ないことになる、と思って誰かに託したかった、山に行こうとする俊夫さんを何度も止めたことなど。生々しい感覚に勝手に涙が出る。

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