あの言葉がなかったら私は一生悔いていた
#やさしさを感じた言葉
多分、私の感じた『やさしさ』の言葉は、他の人からすると優しくないと思います。
その言葉とは。
「あなたのお父さんは頭おかしいよね」です。
中学の頃に私は父に性的暴力を揮われました。それまでにも小さい頃から体を弄られたりしていたのですが、決定的だったのは中学二年の時です。
背後から襲われて服を剥かれました。辛うじて逃げられましたが、あのまま私が何もしなければどうなっていたのか。
ですが、私はそのことをしばらくは黙っていました。
何故なら本代をくれるという代わりに、という流れだったから。
私が悪かったのではないか。
結局、本代を投げて寄越した父。そのお金で本を買ってしまった自分。
父がしたことはおかしいと思うけど、私はそれを責めることは出来ないのではないか。
20年近く、ずっとそう思っていました。
私は東京で出来た友達にそのことを打ち明けました。
すると友達からさっきの言葉をもらいました。
「あなたのお父さんは頭おかしいよね」
彼女にとってはなんてことのない、当たり前の言葉だったようです。
ですが、それを聞いた瞬間、私の心に溜まっていた澱が溶けて消えた気がしました。
そうか。私は悪くないのか。
私は友達に本の経緯まで説明して、それがあったから言えなかったのだということも言いました。
すると彼女はだからどうした、という感じでした。
私の態度と父がしたことは全く関係ない、と。
やさしさは時に人を打つものだと私は思っています。
言葉が人の心を揺さぶることは実際にあります。
私は彼女の言葉を聞いてほっとしたのですが、泣いてしまいました。
本当に辛かったのです。だから解放されたという気持ちと、それまで私自身が囚われていたという気持ちの両方がこみ上げました。
辛かったのもありますが、私はとても怖かったのだと思います。
人を信頼して打ち明けることが。そしてそれを拒否されることが。
絶対に受け入れてもらえないと、心のどこかで人を拒絶していたのは自分だと判りました。
それから理解してくれる人が1人、2人と増えてきて、私は自分が患っていることに初めて気付きました。
幼い頃から繰り返されてきた性的虐待によるフラッシュバック等が治まらなくなり、私は病院に通うようになりました。
今でも療養中ですが、あの時の友人の言葉には感謝しています。
一生忘れることはない、私にとってとてもやさしい言葉でした。
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