見出し画像

テレビ屋気取り #64 テレビにしかできないこととは


2週間更新をサボりました。
土8前の「新しいカギ」じゃないんだから。

冗談はさておき、卒論を提出し終えたので久しぶりにしっかりと書きたいと思います。


先日の某ドラマスタジオに続いて、東京メディアシティ(通称:TMC)に行ってきました。
私事ですが、春からの新生活に向けてお部屋探しに行きまして、いろいろあった結果、世田谷区に住むことにしました。
新居の近くにTMCがあったため、少し雨が降る中最寄駅から12分の道のりを歩いてみました。
閑静な住宅街に突如現れる感じが、都心の各局に比べて不思議な感じがしました。

今回はそのTMCまでの道のりで考えたことを書こうと思います。



YouTubeという見えてるのに見えない敵


もしかしたら以前にも同じようなことを書いたことがあるかもしれませんが、就活を通してずっと考えていたことは、「テレビにしかできないことは何か?」ということです。

結論から言うと、その答えはいまだにわかりません。

テレビがYouTubeを意識していたのはひと昔前の話で、ここまでに積み上げてきたものをブラッシュアップして、テレビの強みを見せていけばいいというのを自覚しているのではないかというのは、ひとりの視聴者として勝手に感じています。もちろん自分は編成の局員でもプロデューサーでもないので、本当のところはどう考えているのかわかりません。
就活中に自分なりの考えを見出せなかったから、そっちのルートに乗っからなかったのかもしれません。

少し話が逸れました。
先日、ある現場に立ち会うことができました。
あるYouTubeの企画をテレビのスタジオで、テレビの技術(カメラ・音声)、照明、美術を総動員して実現するという、自分にとってはリアルタイムで混乱している現象が目の前で起こっていて、いよいよ訳がわからなくなりました。情報解禁前であり詳しいことはよくわからないのでこれくらいに留めておきますが、もしこれがテレビ側の営業案件だとしたら、「それはないよな」と思いながら、お給料分の仕事をさせていただきました。(たぶんそうですが…)

こういう一連の流れがあって、今回「テレビに“しか”…」というのを考えたくなりました。



企画を考える中での葛藤


「テレビ屋気取り」で何回も書いているように、自分なりに企画を考えてアウトプットしようとしている最中ですが、今の流行りをもとに考えていこうとすると、どうしてもYouTubeの存在が頭をよぎります。

これもまた個人的な話ですが、私の妹は人気ユーチューバーの「コムドット 」にハマっています。我が家のリビングにある“テレビ”で、コムドットの動画ばかり見ています。

テレビがこのように占領されていては、私も含め我が家では“テレビ”をまともに見れません。
私は自室でPCでTVerの見逃し再生にお世話になる毎日です。

このように、テレビをリアルタイムで見るのが当たり前ではなくなっている今、「テレビの強みはリアルタイムでの盛り上がり」と言っていた1年前の自分がなんて浅はかだったのかと思うばかりです。

ただ、これを書いているまさに1時間後から始まろうとしている「M-1グランプリ」のような風物詩とも言えるお祭りは、生放送中のネットでの盛り上がりも含めて見入ってしまうコンテンツなので、「テレビのリアルタイム性」を頭ごなしに否定することはできません。

リアルタイムでの爆発的な盛り上がりを呼び込むには、もちろん中身にこだわることも必要ですが、いろいろな時間の過ごし方がある現代社会において、テレビの1番組に時間を割いてもらうための呼び込みにはかなりの労力を費やさなければなりません。

実際、いろいろな番組で各SNSやYouTubeを使って、番宣動画やオリジナルコンテンツを展開して、より多くの人の目にとまる努力をしているのはすごく伝わってきます。

その線で考えたときに、ある番組のYouTubeチャンネルの存在が気になりました。




人生を変える番組


チャンネル名から想像できるように、日本だけでなく世界に向けて「SASUKE」をアピールしようとしているのがうかがえるチャンネルです。


ここでお時間が来てしまったので、一旦公開して後ほど編集で追記しようと思います。
ーー
8時間のバイトを終え、ビールとつまみをお供にM-1の録画を見返しながら追記を始めます。気分は「佐久間スタイル」です。

幼い頃から年末年始の風物詩として見ていた「SASUKE」ですが、ここ最近は遠ざかっていた気がします。
家族で同じ画面を見ながら、プレイヤーが落下する瞬間に「あぁー」や「惜しかったな〜」みたいに声を上げながら夢中になって見ていた光景が懐かしく思い出されます。

「SASUKE」が遠い記憶になってしまっている自分が、なぜ今回ここで取り上げるまでに至ったか。きっかけは推しのアイドルグループのメンバーが出場することが決まったからです。

日向坂46というグループの中で抜群の運動神経を誇る東村芽依さんが、目標である「SASUKE」への出場が叶ったということで、ファンとして嬉しく思います。

この動画内でも触れられていますが、「日向坂で会いましょう」という番組の中で「KASUKE」という企画をやり、「本家SASUKEに呼ばれたらいいよね〜」くらいに言っていたのがすぐに叶ってしまうという、恐るべし日向坂という感じです。
余談ですが、「日向坂で会いましょう」の業界視聴率はすごいと思います。この番組のプロデューサーも、メンバーが外番組で活躍するきっかけになるような番組づくりを心がけているというお話をインタビューでされていたので、この2年、特に2021年は各メンバーが得意分野での活躍を見せていて、それはきっと「ひなあい」の影響が大きいのではないかと思います。

「ひなあい」でのお笑い実力者集団のイメージが強すぎて、外番組で無理を強いられて困っているみたいですが…(笑)


話を戻します。
YouTubeの特性上、関連動画が出てきて気になったのはついついクリックしてしまいますよね。
そこで私が次に再生したのがこの動画です。

「サスケくん」というのは聞いたことがあった気がしますが、SASUKEに魅了されて青春をSASUKEに捧げた結果、2回も完全制覇を成し遂げてしまったという事実と、その挑戦がいかに大変なものであるかはこの動画で初めてしりました。その衝撃がすごすぎて、森本さんに関する動画は一通り見ました。そこから派生して、他のSASUKE戦士たちに密着した動画も見るようになりました。

いろいろな動画を見て思ったことがあります。

「みんなSASUKEに人生動かされすぎでしょ」

もちろんいい意味でです。
これほどまでにSASUKEに人生を捧げられることがすごいし、多くの人の人生を動かしてきたコンテンツであることは間違いないと思います。




テレビの強み



「テレビの強みは圧倒的な影響力の強さ」

そんなことを就活初期は言っていたような気がします。
当時も思っていましたが、この字面だけを見ると、安っぽくて中身がないように思いますが、今改めて考えると、これは間違いではないです。

先に挙げたSASUKEのように、誰かの人生を動かすほどのコンテンツとしての力がまだまだテレビにはあると思います。

比較することが適切だとは思いませんが、 YouTubeにはまだまだその力が足りないと考えます。もちろん完全な個人的な主観に過ぎませんが。



一般人を巻き込んでいく


以前から個人的に好きなのが、素人(一般人)にスポットライトが当たる番組です。

少し違う角度から取り上げてはいますが、ここに書かれている「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」という番組はその典型です。

タレントさんだと何回か見ればその人のキャラクターがわかりきってしまうし、例えそれが”演出”だったとしても、その人のキャラクターや視聴者からの見え方は、どの番組でもそう簡単に変わるものではありません。
さらにテレビには”セオリー”がたくさんあって、「この流れになったらこれを言う」、「こういう番組にはこういう立ち回りの人が必要」みたいに、見えない何かが働いています。テレビなのに。

素人さんにはそれがなく、爆発的な面白さを秘めていると、私はこの「オドぜひ」から学びました。いい意味で予測できない発言の数々に、腹を抱えて笑わされるとともに、それを何事もなくさばいてうまみを引き出しているオードリーさんに感心させられるばかりです。
一方で、たまにその素人さんの中にテレビ的なくだりに持っていこうとする方もいて、そういう方は見ていて「あぁ…」と思ってしまいます。自分がこの番組に出演した場合もきっとそうなるでしょうが。というか、そうなったのですが。

こういう番組ばかり見ていると、「素人さんを巻き込む番組を作りたい」という思いが強くなりました。
しかし、今は誰もが自分で発信していける時代です。映像を撮ること、そしてそれを編集することへのハードルがかなり低くなったことで、別にテレビなんかに頼らなくても自分をアピールしていけると考える人も少なくありません。
そういう時代だからこそテレビに求められることは何なのか。バラエティ制作の観点から考えてみると特に難しくて、今の自分には答えが見出せません。
これは中の人になってからの課題です。

今はとにかく、実現の可能性については考えずに、自分が見たいと思う番組の企画をより多くイメージしておきたいと思います。

それが結果的に誰かの心を、そして誰かの人生を変えられたらいいな…




================
2021.12.19 作成
2021.12.25   修正

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?