23時間57分のひとり旅(小倉〜鳥栖編)
さだまさしの定番トークとしてもおなじみ、急行雲仙号に乗り東京から故郷長崎まで23時間57分の時間をかけて帰省をしたお話。
望郷の念を募らせたさだ少年が、ついチケットを持たずに急行雲仙号に乗り込んでしまい、様々な困難と葛藤に遭遇しながらも親切な大学生の助けも借りて故郷に帰るというエピソードは、セルフカバーアルバムを掲げた昨年2019年のコンサートツアー「新自分風土記」でも、盛り盛りの抱腹絶倒なトークで披露されました。
このトークは、大学生のお兄さんをはじめとした周りの人の親切、優しさとともに、今の時代はなくしてしまったかもしれない緩やかな時間の流れ、旅情、が感じられるのも印象的で、魅力の一つです。
特に、電車の中で大学生のお兄さんにおごってもらう、各地の名産のお弁当の数々が、とても美味しそう。そう感じさせるのもさだまさしの話術の優れたところなのかもしれません。
さすがに東京から長崎まで23時間57分かけて移動するわけにも行きませんし、電車でまとめて移動するほどの時間はないのですが、区間を分けて、「食」に関して追体験してました。
「折尾の駅についたらかしわめしを買おうね」
折尾は東京の人間には馴染みが薄いですが、筑豊本線と鹿児島本線の乗換駅で、炭鉱全盛期にはたいへんい賑わった街のようです。
そんな折尾を代表する駅弁が、東筑軒のかしわめし。
海苔と金糸卵、そして鶏肉で三色の線がひかれた、見た目麗しい、そして何か懐かしさを感じさせるお弁当です。
スタンダードなかしわめし(写真)が770円。見た目以上にボリュームがあり、お腹がいっぱいになります。「ちょっと量が多いのは…」という方にもちょうどよいサイズ(かしわめし小:670円)があるので、量を気にされる方にも安心です。
なお、折尾駅ではまだ立ち売りの売り子さんがいるらしいです。
私は今回はスケジュールの都合もあり小倉駅の売店で購入しましたが、時間の都合が付く人は折尾駅で昔懐かしい旅情を味わうのも良いと思います。
小倉駅で東筑軒のかしわめしを購入する際は、おそらく在来線の改札内では購入できないため、一度改札を出て新幹線改札の前のおみやげ屋さん(小倉エキナカ ひまわりプラザ)などで購入する必要があります。
その他、購入可能な店舗などについては公式サイトを。
「鳥栖に着いたらうどんを食べよう」
鹿児島本線と長崎本線の分岐点として昔から交通の要衝だった鳥栖駅。今は駅前にスタジアムがあるサガン鳥栖の本拠地としても有名ですね。
鳥栖駅の5・6番ホームにある立ち食いそば・うどん屋「中央軒」。
中央軒については、さだまさしが以前出演した番組「人生最高レストラン」でも紹介されており、さださんは本当に好きなんだなと感じられるお店です。
お店のメニューはとてもシンプル。それでもやはり「かしわうどん」が人気のようで、僕以外に訪れた方々も皆かしわうどんを注文していました。
うどんは、甘く炊いたお汁に、刻んだネギと、鶏肉、そしてうどん、それだけ。でも本当に美味しい。シンプルで、飽きのこない味です。私もついついスープまで全部飲み干してしまいました。
旅の疲れを癒やしてくれる、そしてスタジアムでの熱狂の余韻を包んでくれるような、そんな優しいうどんを提供してくれるお店でした。
なお、お店には大相撲の元小結高見盛(振分親方)の色紙が飾ってありました。
「大宰府は春 いずれにしても春」
この道すがらの寄り道として、途中で太宰府天満宮、そして令和の里として注目を浴びた坂本八幡宮にも訪れました。
訪れたのは1月末ですが、折からの暖冬ということもあり、すでに梅は見頃、太宰府の「飛梅」もいくつか蕾をほころばせていました。
お石の茶屋ではありませんが、太宰府名物の梅が枝餅もいただきました。半分ではなく一つまるごといただきました。
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