さだまさしさんのコンサート履歴を分析してみました

最近さださんの公式ページに、ソロデビューしてからのコンサート履歴一覧が掲載されるようになっていました。

こちらのページは1976年10月19日の長崎NBCビデオホール(第1回)から、2019年末の国技館でのカウントダウンコンサート(第4422回)までが掲載されています。

さだまさしさんはコンサート回数がソロミュージシャンとしては国内No.1(圧倒的No.1)だと言われていますが、実際にコンサートの履歴をを眺めるとその道のりは果てしなく、偉大さを感じずにはいられません。

この記事では、上記サイトに掲載されている履歴を参考に、いくつかの側面で分析をしてみました。

日本地図で見るさだまさしさんのコンサート

足跡を見るには地図に可視化するのが一番良いだろうと、上記サイトに記載されている情報を引用して、Google Spreadsheet → Google Map に import して地図上にプロットしてみました。

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日本全国くまなく訪れ過ぎていて、日本の都市という都市はすべて埋め尽くされており、さだまさしさんのたどった道のりがほぼ日本列島の形そのものになっています。47都道府県踏破とかそういった次元で語ってはいけないことが伝わってきます。

なお、こちらの地図は Google Map の機能を使って公開可能ではありますが、もともとの情報源が公式サイトの情報ですし、特に許可もとってないので、ここでは控えておきます。

ひとまず、よくありそうな日本最XX端的なものを見てみます。

最北端:稚内総合文化センター

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最北端は想像通り稚内でした。北海道には札幌、函館だけでなく、主要な都市(釧路、帯広、石見、室蘭、苫小牧、etc...)はすべて回られているようです。もちろん富良野でもコンサートを行われています。

最東端:根室市総合文化会館

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ということで最東端も北海道、根室でした。
コンサートが行われたのは「オホーツクはるかなり」が作られた後ですね。

最南端 / 最西端:石垣島(石垣ホテルサンコースト / 石垣市民会館)

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北が北海道なら南は沖縄。石垣島には2回訪れているようで、それぞれの微妙の位置の差で「石垣ホテルサンコースト」が最南端、「石垣市民会館」が最西端、のようです。

離島でのコンサートの多さ

さだまさしさんのコンサート履歴を見ていると、驚かされることが2つあります。一つは離島でのコンサートが多いこと、もう一つは意外と海外でのコンサートが多いことです。

コンサート機材の運搬の手間やコスト、会場のキャパシティの問題などから収益性に課題があり、さだまさしさんクラスのミュージシャンが離島でのコンサートを行うことはあまり見聞きした事がないです。その中でさだまさしさんは、多くの離島に訪れてコンサートを行っています。

五島列島や壱岐・対馬など長崎ゆかりの島々や、沖縄の各島嶼(伊江島、久米島など)、奄美大島、隠岐、小豆島、そして佐渡ヶ島など。
「追っかけ娘」のトークでも有名な八丈島にも訪れています。

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「全国しまつぶしコンサート」「神出鬼没こんさあと」などのツアータイトルを冠して、僻地的な場所や普段ミュージシャンが訪れない場所に行脚していたことが、過去の記録からは伺えますが、私の知らない情報(生まれる前の情報…)が多いので、ここでは深堀りして述べるのは控えます。

ステージトークなどでも語られていましたが、「神出鬼没こんさあと」などのように、普段コンサートが行われないような小さな街でコンサートを行うようになったのは、丹波篠山の「大手食堂」のおやじさんとの縁が大きかったようです。
「なんであんた大きな街でしかコンサートせんの?行きたくても行けない街に住んでいる人も多いんじゃないの?」

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外国でのコンサート

さだまさしさんが人気絶頂だった70~80年代は、今ほど日本の音楽が諸外国に開かれていたわけではなく、YouTubeやSpotifyなどももちろん無いので、今をときめくミュージシャンに比べたら海外でのコンサート回数は多くはないです。

それでも、映画を撮影した中国を中心に、台湾、香港、アメリカ(ハワイ、ロスアンゼルス)、イギリス、オーストラリアなどでコンサートを実施しています。

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ロスアンゼルスでは、「極光」で有名な阿岸明子さんとのご縁で「オーロラコンサート」が複数回行われています。

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イギリスでは、ロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートですね。私も一度は訪れてみたいコンサートホールです。

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そして最近では、エクアドルやガラパゴス諸島に訪れてコンサートを行っています。その模様の一部始終は「生さだ」などでも語られていましたし、放送もエクアドルから行われました。

年ごとのコンサート回数の推移

ここからはもう少しデータ分析的な内容にしていきます。

公式サイトのデータをもとに、1年あたりどのくらいコンサートを実施しているのか、グラフにしてみました。

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1976年はデビューした年で、10月からの記録。
79年と80年は映画「長江」の撮影に時間を割いていた時期で、それ以外の時期は借金の完済が行われたであろう頃まで年100回前後のコンサートを実施しているのが分かります。

個人的に感じるのは、さだまさしさんはトークなどで「借金をしたので返済のためにコンサートを行った」と述べていますが、借金を抱える前から年100回をゆうに超えるくらいコンサート回数はとても多かったこと。
そして、借金完済後から減少傾向が続いていたコンサート回数が、最近ふたたび増加傾向にあること。これはレコード会社が変わった事が影響をしているのかもしれません。

都道府県ごとのコンサート回数

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都道府県ごとのコンサート回数も見てみます。やはり東京が一番で、次いで大阪、愛知、埼玉、千葉、神奈川と続きます。

街の規模を考えると、長崎県と長野県の実施回数が多いです。この辺はさだまさしさんと縁のある街である、ということが大きいのかなと思います。

実施回数が多いコンサート会場

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会場ごとにも集計してみました。

100回以上コンサートが実施されている会場は以下です。

・フェスティバルホール:232回
・東京厚生年金会館:174回

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やはり大都市圏が多くなりますね。大阪のフェスティバルホールは、さだまさしさんのお気に入りのホールということもあって開催回数が圧倒的になっています。
東京厚生年金会館は残念ながらすでに取り壊されてしまったため、これ以上数字が伸びることはなさそうです。

50回以上だと以下。

・名古屋市民会館 / 日本特殊陶業市民会館: 90回
・さっぽろ芸術文化の館 / ニトリ文化ホール / 北海道厚生年金会館 : 52回
・神奈川県立県民ホール: 52回
・大宮ソニックシティ: 51回

総じて、人口規模が大きめな都市で、かつコンサート会場も他に代替可能なキャパシティをもつものが存在しない地域は、一つの会場での実施回数が多くなる傾向が見えます。
逆に東京や名古屋、福岡などは複数箇所に分散されていて実施されている傾向があります。

ツアーごとの公演回数

最後に、各ツアーごとにどのくらい公演を実施しているのかを見てみます。

ただこちらは、公式サイトの情報がフォーマットがまちまちで、明らかにコンサートツアーが実施されているはずなのに注釈が何もないものがあり、ちょっと私の知識では補足しきれないものがあるため、比較的情報が揃っている最近のものだけピックアップします。

・コンサートツアー 2019 新自分風土記: 46回
・45周年記念コンサートツアー Reborn 〜生まれたてのさだまさし〜: 50回
・コンサートツアー2017惠百福(たくさんのしあわせ): 40回
・コンサートツアー 2016 月の歌: 36回
・コンサートツアー 2015 風の軌跡: 42回

コンサートの回数が何により決まるのかは私はよく把握してないですが、評判の良いコンサートツアーは、やはり回数も多めになる傾向があるようにも思えます。

特殊なコンサートだと、「神出鬼没こんさあと」は全59回。
ディナーショーは175回。ディナーショーはそのうちホテルニューオータニ系列(東京、大阪、福岡、幕張)で82回実施されており、約半数がニューオータニ系列ですね。

周年記念コンサートはそれぞれ、以下のような感じらしいです。

・10周年記念コンサート〝時の流れに〟第1夜~第8夜:  各3回
・十五周年漂流記: 41回
・20周年記念コンサート第1夜 Electric Night, 第3夜 Solo Night: 各5回
・20周年記念コンサート第2夜 Acoustic Night, 第4夜 Classic Night: 各18回
・30周年記念コンサート 第一夜〜Red ~ 第八夜〜Rainbow: 各3回
・35周年記念 ソロプレミアム: 3回
・さだまつり〜40周年記念コンサートツアー 前夜祭/しゃべるDAY/: 25回
・後夜祭/うたうDAY: 27回
・45周年記念コンサートツアー Reborn 〜生まれたてのさだまさし〜: 50回

回数が多いものは、比較的通常のツアーと同じような形で実施されていて、回数が少なく見える10周年や30周年のものは日替わりで演目が大きく変わる企画色の大きいものになっています(書簡集や月虹など、残された映像作品群を見る限り)

いずれにせよ、本当に多種多様なコンサートを開かれているのだな、と関心をします。

謎なコンサート

これだけコンサート回数が多いと意味が読み取りづらいコンサートも存在しています。以下は、私がちょっとネット等で調べてみてもまったく情報がなく謎が多いコンサートです。
何か情報をお持ちの方、お待ちしております……

・タローバカヤローコンサート
・国労ローカル線コンサート
・東鳩「たんぱく宣言」発売記念
・塩の道1・2・3さだまさしコンサート
・etc...


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