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私たちは本当の意味では、家族を知らなかったのかも知れない、私はそう思って裕子さんを見つめ…
裕子さんの寂しさが私は解る、そう思っていた、良平さんも同じだと思うけど、近い筈の家族の距…
「いいね、そんなに好きなんだ、私とは違うね。」裕子の声が少しくぐもる。 結婚すると此処に…
3人でハンバーガーをパクついて、大口を開けるのは恥ずかしいって言う女の子が、居るってのを…
式は無いから、次の日は家で住む用意をするだけ、裕子さんと私は話し終わると眠ることにした。…
難しい、言葉が出てこない、結婚する人は誰もその疑問に向き合っているのだろうか。 子供の頃…
「ハハハ、忍ちゃんならそう言うと思った、嬉しいな一人じゃ無いって。」裕子さんが笑っている。 泣いている顔よりも笑った方が良い、人間の笑顔はホッとさせてくれる、怒りの表情を、見るのが多かった子供時代が有るからなおさらだ。 「良平さんがなんて言うか解らないけど、裕子さんが来て問題あるとは思えないな。」腕を組んで言って見る。 良いと言ってくれるかは賭けだけど、私は悪いとは思わない、きっと良平も裕子さんを気にしてると思う。 元婚約者だからではなく、気に掛けているんだろう、私よ
初めて会った時に抱きしめてくれた裕子さんを、今度は私が抱きしめている。 私は自分のこれか…
裕子さんは苦しそうに顔を歪めている、針で突いたら萎む風船みたいな緊張感だ。 「悪くは無い…
裕子さんの言葉に思わず声が大きくなっている、いつもとは違う自分の声に自分でも驚いてしまう…
「俺の家なのに占拠されるの、何か納得いかないな。」ぶつぶつ言いながら良平が外に出てゆく。…
良平と入籍するとなったので、それに向けて大急ぎで準備に入った、写真だけは撮って置こうと、…
結婚とは何だろう? 裕子と結婚する気持ちに成っていた時からの疑問だ、その疑問は解けること…
裕子さんが話したいと言えば、私は何としても時間を取りたかった、私にとっては命の恩人に近い。 良平も優しいし、声を掛けてくれたけど、ここで最初に抱きしめてくれたのは裕子さんだった。 人間は人の温かさが必要で、あの頃の私はそれを失って、自分が無い状態だった。 兄の事も放って置いても良い筈なのに、対応してくれて自分が怪我するとかは考えていない。 友達よりも近くて親よりは遠い存在だって誰かが言っていたのを思って、私の場合は親よりももっと近いかも知れないと考え直した。 「裕子