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SKCで「ロウリュウ姉妹と鮭山未菜美さんの緊急イベントに参加した」話

こんにちは。サウナのサチコです。

ちょっとお久しぶりになってしまいました。なんかここのところ、私の一番の長所である集中力が、どうも途切れ気味になっていました。無気力状態でただ寝ていると、暗いことばかりぐるぐる考えてしまいますよね(私だけか)。「反芻思考を止めるには動くこと!」と前にどこかで読んだことを思い出して、枕元にある粘土をつかんでコネてみるのですが・・・。私ごときが何を思ったか、納得いかなくて途中で粘土を握り潰したりしておりました。さながら焼きあがった皿をその場で叩き割る、伝統工芸士気取りで。

おかしいな。粘土に対してまったくこだわりはなかった筈なのに。なぜ。

で、気がついたんですね。

粘土から始めようとするからダメなんだって。そもそも私はサウナのことを「書きたい」んです。粘土は記事を読んでもらうための、オマケなのです。

つまり、「サウナに行く→ 一番印象に残った人を粘土にする→ noteを書く」この順番がいけなかったのだと気づきました。「サウナに行く→ 一番印象に残った人のことをnoteに書く→ 粘土を作る」こうじゃないと気分がどうも乗らない。1年も経ってからようやくそのことに気がつきました。遅いよ。

インスタのフォロワーさんが増えて行くにつれ、粘土が面白いと言われるにつれ、粘土ばかりを頑張ろうと思ってしまっていました。文章よりも粘土の方が注目されている、もっと面白い粘土を作らなきゃ!と、つい必死になるわけです。が、しかし。そうやって作った粘土たちを見ると、全然面白くないんですね。気取ったいい言い方をすれば、「粘土サウナーたちの後ろに、物語が見えない」んです。ただの土です。

自分がサウナで感じたことを先にnoteに書き出しておくことで、そのとき出会った人の魅力や、出会ったことの意味がより鮮明になっていくのがわかります。そこから粘土を作れば、下手ながらも多少は魅力的な粘土サウナーが出来上がってくる。自己満足ではありますが。

そんな小難しいこと言ってないで、もっとシンプルにサウナを楽しみたいな〜と思うこともありますよ、私だって。むしろサウナに入ったら何も考えたくない。なぜその時そう思ったのかなんて、わざわざ理由や意味を考えなくてもいいはずです。サウナ楽しい、サウナー面白い、それで十分。

でも私はある時から、自分のことが全くわからなくなりました。何が好きで誰が好きで何をして生きていきたいのか。大げさだけど、それが私です。その原因も最近やっと見つけました。

ずっと、他人の評価でしか自分を評価してこなかったから。自分の好きなことをやっているつもりでも、実は他人に認めて欲しくて頑張っていました。でもそうして得た喜びはすぐにしぼんでしまう。そしてさらに強く褒められたいと思って頑張ってしまう。目的や手段を間違えた努力は無駄に時間を費やすだけで満足には至らず、気がついたら疲れ果てていました。

そんな私にとってサ活を文章にすることは、自分と向き合うこと。自分の思っていることを一度外に出してみることで、私は自分の本音を探しています。初めに聞こえたはずの素直な心の声は、いつも何かに邪魔されて聞こえなくなってしまう。サウナでさえ、本当に好きなのかと疑問に思ってしまうことが何度もありました。でも何度も文章にしているうちに、やっぱり好きだと分かってくるんです。そしてそれをさらに粘土で表現すると、いつのまにか情けない顔の粘土サウナーが出来上がります。見た目は格好悪いけど、自分に正直。出来上がった粘土たちは、私が好きな人間たちです。

つまり私にとって粘土の出来の善し悪しは技術や大衆にウケる面白さではなく、その人の魅力がどれだけ出ているかで決まります。その魅力を決めるのも私です。それなのにいつの間にかまた、人に評価されることを目的として、他人基準の間違った手段を選ぼうとしていました。危ない危ない。

はっ

またいらない前置きが長くなってしまった。ごめんなさい。

あらためまして、


1月7日 木曜日

ご存じ、木曜日の草加健康センターはレディースデイ。いつもなら五塔熱子さんのロウリュウを楽しめる日ですが、この日は熱子さんの代わりにロウリュウ姉妹と鮭山未菜美さんがやってくるという情報を、インスタのフォロワーさんからいただきました。ありがたや。

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ロウリュウ姉妹。

このnoteでロウリュウ姉妹のことを書くのはこれで3回目です。いやきっとこれからもこのリングネーム(だと私は思っている)を、私は連呼することでしょう。私はこのお二人が大好きなのです。

いつもは厚木健康センターにいらっしゃるお二人が、埼玉の草加にやってくる!と聞いたら、いてもたってもいられません。ちょうど仕事もない日だったので、整理券が配られる朝10時に合わせてラッコバスに乗りました。

受付には既に長蛇の列。果たして先着15名に入れるのだろうかと不安でいっぱいです。はやる気持ちを抑えつつ、自分の前に並ぶ女性の数をかぞえてみたりして。おばあちゃんを省いたり入れたりしてると、数がよくわからなくなってくる。おまけに男性だと思ってた人が、実は女性だったりして慌てて数に入れたりして。いやいや待てよ。もしかしてもっと早くに来て、既に整理券をもらっている女子もいるんじゃないの? 一体私の前に何人いるのか、誰か教えて!

じりじりしながら順番を待ちました。そしてようやく私の番が来て・・・

間に合いました!

ああ、ロウリュウ姉妹ありがとう。まだ始まってもいないのに感謝しました。また会える・・・。ロウリュウの時に手首に巻くようにと渡されたピンクのテープが切れないように、そっとカバンのポケットにしまいました。するとスタッフの方が「あ、これも忘れないで!」と私を呼び止めます。ドリンク券です。レディースデイでは女性のみソフトドリンクが1杯無料なのです。そんなにいいこと尽くしだと怖くなる性格なので断ろうかと思いましたが、どうしてもとおっしゃるので(言ってない)いただきました。

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手荒れがひどい・・・。

いや、お見せしたいのはこのピンクのテープなのです。押さえていないと飛んで行くほど頼りないもの。それなのに手首につけてお風呂に入っても大丈夫という優れものです。食堂前の椅子に座って、こそこそ撮影しました。

その食堂は何時から開くのかな〜と立ち上がってウロウロしていたら、ロウリュウ姉妹に遭遇しました! なんという奇跡。なんとういうご縁。お二人は私を覚えていてくださいました。1か月の間に3回会いに行って、毎回何だかんだと興奮して喋りまくる私ですから、そりゃ覚えていらっしゃるとは思いますが。

いやいや待てよ。むしろまだ3回しかお会いしていないのに、まるで常連さんのように私に接してくださることがすごいよ。それがもう、初心者サウナーの私には嬉しくてたまりません。すっかり私、心つかまれてます。聞けばこの日のロウリュイベントは突然のことで、ロウリュウ姉妹も前日まで聞いていなかったとか。鮭山さんとコラボするのも初めてで、ノープランだと仰っていました。これから打ち合わせなのかもしれないのに、「noteはどうやったら読めるのか」と私に聞いてくださったりして(泣)。さらに心つかまれる私です。

「今日はうちわでロウリュウですか?」と尋ねると、妹さんがブロワーを抱えるポーズをして「乳首狙いますよ」と答えてくれました。


とうとう爆風ロウリュウを体験できるぞ!

もう興奮しすぎておかしくなりそう。急所という急所を狙ってもらって結構です。

今回は先に昼食をとってから13時のロウリュウに臨むことにしました。もちろん食堂ではさっきのドリンク券を使いましたよ。えっと何を飲んだっけ。何を食べたっけ。興奮していて忘れた・・・。

12時過ぎに食堂を出て、体や髪を洗ったり、お風呂で体を温めたりと準備態勢に入りました。ピンクのテープをつけたサウナーたちが、あちこちにいます。平日の昼なのにすごい。サウナハット率も高い。中にはすでに全身あまみが出ている人も。ロウリュウ前なのにどんだけサウナに入っていらしたのでしょうか。ここ草加健康センターは本気のサウナーが多くて、私のような初心者はちょっと腰が引けるほどです。

そんなこんなで13時まで私は緊張しっぱなしで、何度も水を飲み、何度もトイレに行き、トイレから出たところでロウリュウ姉妹のお姉さんに会って「今からですか?」とかよくわからない質問をしたりしました。

まったく落ち着きません。

13時。

ロウリュウ姉妹がうちわとブロワー3機も持ってサウナ室の前に現れました。鮭山未菜美さんもサウナーたちにお辞儀をしながら登場。インスタのアイドル写真より、本物の方がかなりカワイイです。

サ室はディスタンスをとりつつも満席。1セット目と2セット目を鮭山さんが担当し、ロウリュウ姉妹は3セット目だという説明を受けました。ロウリュウ姉妹の爆風を恐れすぎていて、鮭山さんを甘く見ていた私は、1セット目からやられました。どんどん体感温度が上がっていき、鮭山さんの小さな体から大きなタオルが振り下ろされるたびに、悲鳴をあげそうになるくらいの強い熱波が流れてきます。それなのに後ろのテレビは呑気に「徹子の部屋」。武井咲が笑ってるよ。集中できない。・・・と思ったら、ロウリュウ姉妹のお姉さんがリモコンを手に登場し、テレビを消しました。心の中で拍手。

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しかし熱い。かなり熱い。これはもう退出しないとまずいかなと思ったところで1セット目が終了。時計を見るとサ室に入ってから10分ちょっと経過していました。

水風呂に入り、外気浴をしようとしたところで立ちくらみ。まずい、このあと2セットあるのに。しかもロウリュウ姉妹は3セット目なのに。落ち着け私。とにかく水分をとることにしました。ゆっくりゆっくり水を口に含みます。ぼんやりしていた景色が徐々にはっきりして来て、気分が良くなって来ました。ほっ。

2セット目。

「みなさんお強いので、もっと熱くしていきます」という鮭山さんの声に、ここに一人だけ弱い女もいますと言いたかったけど、言えなかった。でもこれが不思議なんですが、2セット目はすごく体が楽になっていたのです。

鮭山さんの熱波は1セット目以上に強くなっているのに、なぜなんだろう。熱さに体が慣れたのでしょうか。

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私に向かってタオルを下ろす鮭山さんのマスクの中の息が、激しくなっているのがわかります。踏ん張っている足の先も見えます。送られてくる熱波は、タオルからだけじゃありません。気持ちの熱波もすごい。ふと、アイドルなんていう肩書きは鮭山さんにはいらないんじゃないかな、と思いました。残念な顔の人がアイドルを語るのは面白いけど、本当にかわいい人がアイドルを語ると、一番大事にしているものが見えなくなりそうでもったいない。

いや、アイドルをうたっているからこそ彼女を見る人が増えて、そこを入り口に本気の熱波を体感してもらえるということなのかな。それって粘土を入り口にしてnoteを読んで欲しいという私と同じ? いやそれはいくら何でも強引だな。失礼しました。

3セット目。

来ました、ロウリュウ姉妹。

「鮭ちゃんのような若さも技術もないけれど、私たちにはこれがあります」


ロウリュウ姉妹がブロワーを構えます。抜群の口上で始まる爆風ロウリュ、最高。草加健康センターの「熱波」というアロマを使い、上空に集まった熱い空気をブロワーでおろしていく姉妹。ブロワーの轟音に、サウナーたちが小さな歓声をあげます。

「これから皆さんにブロワーの風を送っていきます。1、2、3、4、5、と5つ数えますよ」

妹さんが両手に一台ずつ、お姉さんが片手に一台持って、お客さん一人ひとりにブロワーを向けていきます。「1、2、3、4、5」と言いながらブロワーをお客さんの胸の前でくるくると回しています。私は一番下に座っていたのですが、上段の人たちが熱波を受けるのをつい振り返って見てしまいました。みんなそれぞれの格好や表情をしていて熱波を受けている。面白い。そう、爆風ロウリュウって面白いんです。つい笑ってしまう。

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自分の番が来ても、私はずっと半笑いでした。


帰るときにもまた偶然、ロウリュウ姉妹にお会いしました。というか、見かけたので追いかけて無理やり呼び止めたんです。「ロウリュウ姉妹!」とまとめて呼ぶのは失礼なので、「サッちゃん、キョウちゃん!」と言いました。いや、そっちの方がなれなれしくて失礼だったかな。

noteのURLを書いた紙を渡そうとしたら、「もう読んでしまいました」とサッちゃん。え、もう読んだ? いつ読んでくださったの? あの長い文章を読む時間なんて、きっとなかったはずなのに。

ああ、こういうところだと思いました。私がロウリュウ姉妹のことを、こんなに好きでやまないのは。

若さも技術もないけれど、私たちにはこれがあります。


それはブローワーという小道具のことじゃない。ロウリュウ姉妹の人間性です。相模で以前お会いしたとき、お二人は受付にいました。そのあとは食堂に。サウナ室だけが彼女たちの働く場所ではないんです。サ室には来ないお客さんのことも知っている。話している。特に相模はお客さんの年齢層が高めでした。人の痛みや弱みに寄り添い、励ます二人の視野はとても広いに違いありません。だから人を見て熱波を送っている。一人ひとりのことも、全体も見えている。その優しさは絶対お客さんにも伝わっています。私がその証拠(笑)。

そしてそれこそが、高い技術なのではないでしょうか。


冒頭で、「私は人の評価だけを基準に自分を評価している」と書きました。もし私が熱波師であるならば、若さも技術も話術もない自分に落ち込み、お客さんの評価が怖くて日々、自分の限界を超えた努力をしていたと思います。お客さんのためと言いながら、自分のために。

あ、そもそも私は熱波師を目指さないか(笑)

目的が褒められること、評価されることにあると必ず途中で挫折します。私のシナリオがそう。でももし目的がお客さんを楽しませたいということであったなら、その手段はかなり違っていたと思います。

何度も言いますが私、サウナは自分のために行き始めました。そしてこのnoteも自分の心の中を整理する(ととのえる)ために始めました。見えない誰かに向けて書くのは、自分を客観的に見ることができるから。粘土は私の記事を見つけてもらいやすいように、そして暗い文章を少しでも笑い飛ばしてもらえるようにと作りました。でもずっとこれらを「評価されたい」と思ったことはありません。この私が、そこだけはブレなかった(笑)。どんなにインスタのフォロワーさんやnoteの閲覧数が増えても同じです。なぜならサウナが好きだから。自分の好きなことをしているのであって、誰かにそれを褒められたいわけではないからです。最初につけたタイトル「私とあなたがととのうまで」が、今も私の記事を書くときの基本姿勢になっています。

若さはないし、書く技術も中途半端ですし、何より生きることが下手すぎて自分でも嫌になります。「ととのう」ことだって、実感できるまで半年もかかりました。不器用なのに変に真面目で、物事はいつも白か黒。生き辛いったらありません。それでも私と同じような人間、サウナーがいたとしたら、私は見えないその人と一緒に「ととのいたい」のです。救いたいんじゃなくて、一緒にサウナを楽しみたいのです。そこに賞賛や評価なんていりません。

で、

このように文章で評価されることを手放した私に、一月の初め、いきなりインスタのDMが届きました。送信者は神奈川県鶴見にある「おふろの国」の林店長。

『日刊サウナ』に月1回、サウナの記事を書いてみませんか。

そう書いてありました。

泣きました。

その日もちょうど草加健康センターにいた私は、スマホを握りしめて一人、下足入れの奥で泣きました。放課後の中学生じゃあるまいし、いい大人がこんなところで泣いていると目立つので、私にサウナを教えてくれた師匠に電話しました。笑って報告できると思ったから。でももっと涙が出てきてしまって、もっと目立ってしまって困りました。

10年シナリオ書いてきて、こんなこと一度もなかったのに。サウナ行き始めてたった1年でサウナの記事を書いてくださいって、そんなことある? ありました、ここに。

2021年2月22日

私の初連載日です。もうすでに記事は、林店長に会った2日後には書き終わっていました。このnoteの半分くらいの字数で書くように言われたのですが、下書きでは既にオーバーしています。削るか編集長に頼み込むか。うーん、あ、粘土がまだだった。

また近くなったらインスタ、noteでお知らせします。もちろんこのnoteにはない、新しい記事だけ発信して行きますよ。webだけですが、無料で読めますのでどうぞよろしくお願いします。

え? サチコ、ブレブレだって? 売れてやろう感が伝わってくるって? やだな、そんなことないですよ(汗)。

高い評価はいらないから読んでほしい。本当にそれだけです。noteを書き始めた頃の私は、今もちゃんとここにいますよ。

私とあなたがととのうまで、ずっとここに。


サウナのサチコより。






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