見出し画像

ある日の伊豆スカイライン エピローグ


バイクに乗れなくなって
ひと月以上経つ。

その間、考えていたことは一つ。


次は、どこに行こうかな。


手の調子もあるから
あまり遠くには行けない。

かと言って
ただ走りに行くだけもつまらない。


もう一度行きたいところは、どこだろう。


そう思った時
伊豆スカイラインのことが頭に浮かんだ。



伊豆スカイラインのことを考えていたら
去年の秋のことを書きたくなった。

事故はなかったけれど
景色をほとんど覚えていないあの日のこと。



事故のトラウマに苦しんでいた頃
知らない道を走るのは怖くてたまらなかった。

知らない道を走ると
知らないということに意識のかなりを取られる。

その分、事故への予測がおろそかになる。
すると、事故への不安が増す。

道を知らないことでも不安が湧く。

不安は合わさり、大きくなりすぎて
周りを見る余裕がなくなる。

結果、景色をゆっくり見られなくなる。
だから、走っても怖いだけで楽しくない。


楽しくなくて、走る意味はあるのか。


そう思いながら走った
再手術前の最後のツーリング。

意味を見出せなければ
術後、事故のトラウマにうち勝って
また乗ることはないかもしれないと思っていた。



行きの楽しさは格別だった。
まだ、noteには書けていないけど。

だから、また走ろうと思えた。
帰りの伊豆スカイラインがこんなに
不安でいっぱいだったにも関わらず。


そして今、手術の傷も癒え
わたしはまた走っている。

今は、手の調子が悪いだけだ。



伊豆スカイラインは昔、走ったことがある。
一ヶ所だけ鮮明に覚えている景色があった。

十国峠付近だったと記憶している。
あの景色はどのあたりで見たんだろう。


もう一度見たいな。


そう思い、帰りに伊豆スカイラインを選んだ。


本当は、行きに通る予定だった。

でも、早朝のスカイラインは凍結が心配で
行きは海側を走ることにした。



手の調子が戻ったら
もう一度、走りたいと思った時に
思い出したのは、不安と寂しさ。

その気持ちをnoteに残してみたくなった。


全編、何も起こらず、心情だけを綴ったnote。

不安な気持ちだけを書き綴り
読んでくれる人には申し訳ないと思いながら

あの時の気持ちを残しておきたいと
その思いだけで延々と書いてしまった。

読んでくれた人たちには
感謝の気持ちでいっぱいだ。

心からの「ありがとう!」を伝えたい。



あの時。

事故が4回もあったことを
三度も告げられて走った道の記憶は
モノクロームで景色もほとんど覚えていない。


伊豆スカイラインは事故が多いと言うけれど…


もう一度、走りたい。

展望台に停まりたい。
景色をゆっくり見てみたい。


帰り、停まることで何か
運命が変わるのではないかとまで思い込み
一枚も写真が撮れなかった。

ヘッダーの写真は全て行きに撮ったもの。
写真がないのも、とても残念で
また行きたいと思った理由の一つ。


次こそは
目の覚めるような景色と
鮮やかな色を心に刻んできたい。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?