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片耳の聴神経が機能していないと生活上どうなのか?

見た目は五体満足に見えるけれど、実は表面に現れていない身体障害を持っている、という人は大勢いらっしゃると思います。

両耳難聴に比べたら片耳だけでも聞こえているから良いじゃないか!という意見も聞こえてきそうです。確かにそうなのですが、片耳しか聞こえないと、生活上、やや困ることが色々と実際ありました。
その中で、今回は、聴力について私自身の体験を元に、「片耳だけしか聞こえない場合はどうなのか」という実体験を少し紹介します。


1. いつから片耳が聞こえなくなったのか?

物心ついた時には、右耳の聴力が無かったと思われます。というのも、両耳に指を入れると、右耳は「カサカサ」と音はしないのに、左耳は「カサカサ」と音がするけれど、ちょっと不思議だな、とは思っても『そういうものだ』と思ってしまい、親にも言うこともありませんでした。

気が付かなかったのです。

小学校2年生の時に、学校の聴力検査で異常が判明し、その後、大学病院で精密検査を受診、初めて自分の右耳は聞こえていないことがはっきり分かりました。

2. 原因は?

当時、兵庫にある大学病院へ両親に連れられて精密検査を受けに行ったその結果、

①右耳の聴神経だけが機能していないため、脳に信号を送ることができない」
②「原因・後天性か先天性か」ということも不明
③現代(当時)の医学では治せないから、未来の医療技術に期待するしかない

あと医師から説明されて覚えていることと言えば、
「先天性だと、両耳聞こえないというケースが多く、片耳だけ聞こえないというのは考えにくい…」

どちらにしても不明という事実には変わりなかったのです。


3.可能性を考えてみると

両親の話では、生まれたのち、様子がおかしかったのか医師から、
「脳性麻痺の可能性がある」と言われたり、
両親が小さい私に話しかけても反応が鈍かったそうです。その上、首の座りも遅く、赤ちゃんハイハイもしないで経過したと聞きました。

または、1歳~2歳の間に、高熱が出た時に町医者の薬の処方で「坐薬を大人と同じ分量で入れるように」という指示があり、両親は、お医者さまの言うことだから正しいと思い、都度、小さい身体に一個まるまる使ったそうです。

薬の副作用か熱のせいか、脳性麻痺かと疑われるくらい反応がよくなかったというのが関係しているのか、はたまた全く別の要因か?

でも結局のところ、自分の身体のことなのに、今でもわからないままです。


4. 生活上の問題(デメリット)

◎できる限り聞こえる左耳側に人がいるように移動していた
 音を拾う時、聞こえる左耳から聞くと、聞きやすいのはもちろんですが、 瞬時に脳に伝達されて理解しやすいのに対して、聞こえない右耳から聞くと、霧がかかったように脳にスッと入って来ないので、理解がわずかに遅れる感じがあります。感触は、何とも言えない気持ち悪さです。

◎聞こえない右耳から聞く状態になったときは
相手に気付かれないように、わずかに首を傾けて少しでも聞こえる左耳が右側に近づくようにしていました。その際、耳の淵に手を当ててそばだてて聞くという恰好です。

◎聞く時に一番困る配置は
特にやや周りが騒がしい状態で、自分の立ち位置がどうしても聞こえない右耳側からしか声を拾えない時です。

これには一番苦労しています。

わずかに首を右側に傾けても拾える単語が少ない上に、わずかなタイムラグが起きるから、何倍も集中力が必要になります。

何と言っても、象徴的な単語と繋げ直す作業をしながら聞くので、耳と頭は大忙しです。経験からたいてい7割ほど声を拾えたら、なんとかセーフですね。

7割に到底届かず、4割を切る場合は、黙っているか、場合によっては、聞こえているフリをしていたこともありました。

例えば、電車の座席で上記の場合になった時は、仕方がないのでわざと寝たフリもしたこともありましたね。

いちいち自分の右耳難聴のことを言うのもどうかな?と思うシーンはとても多かったので、
親しい間柄の人や、仕事上どうしても…という時だけ、事情を説明して理解を得て会話しています。

◎脳に負担が掛かっているせいかやや疲れやすい傾向にある
無意識に音を拾って理解したいという意識が働いているために、人と対面している間は、常に頭が緊張しているし、血流も悪いから、というのも重なっていると思います。疲れてくると右耳の奥が痛くなったり眼精疲労と重なるとかなりしんどいことが度々あります。

5.小学校の時に、ツンボと言われたこともある

子どもはストレートに言うので仕方ない部分はあると思いつつ、言われても仕方なかったです。

実際、周りがうるさかったり、何か集中していたり、ぼーっとしていた時、聞こえない右側から言われたら、気づけないことがよくありました。

クラスメイトは、はっきり聞こえる声で何度も言っていても、私はなかなか気づけないから、相手は怒るのも無理はないのです。まさか右耳が難聴なんて思っていないで言っているから、何度か相手を怒らせたり、分からず屋と言われたことが度々ありました。

大人になって、さすがにそこまで言われることはないですが、悪条件が重なると、ひとテンポ反応が遅いというのは、昔から同じですね。

そんなことがあるので、ウェイトレスのような業種は、会社やお客様に迷惑をかけそうで自信があまり無く、無意識的に引け目を感じているところがあります。


6. メリット

片耳が聞こえないことでメリットがあるとすれば、人権侵害的な罵声をあびせられたりして、聞くに耐えない時は、聞こえる左耳だけを塞げば済むから、その点だけ良かったと言えます。

とは言っても、耳を塞ぐのは子どもの頃、頻繁にしていたような・・・、大人になってからはそういう行動はほとんどしていないですね。


7. 気を付けていること

片耳しか聞こえないので、耳の聞こえが少しでも遅れさせられるツボを押したり、耳揉みをしたり、心の中で『ありがとう』と思って過ごしています。


まとめ

片耳だけでも耳が機能していて本当に良かったと思っています。
普通に話して音が聞こえることや、片耳が聞こえないという体験も同時にしていることで、より聞こえることの有難さを噛みしめている部分があります。

そして私の場合は、両耳が聞こえていたら、もっと性格も悪く、痛みとか察するとか、優しさなどがずっと少ないダメ人間だったのでないかと感じています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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