漂流する人生
大学進学を機に実家を離れて以来、流れに流れて漂流してきた人生だった。
県境に佇む田舎町、広大な土地を所有する学園都市
さびれてるけど意外と穴場のある街
都会から電車ですぐの下町情緒溢れる街
お気に入りの散歩道に行きつけのスーパー
ちょっとでも多く寝るために見つけた最短の通勤・通学ルート
どの場所も越してきては
自分のお気に入りの場所・道を見つけるのが得意だった。
引っ越す前は不安でも住めば都というもの。
なんだかんだうまく適応してきたんじゃないのかな。
けど、どの場所も
「ここにはいつまでいるのかな」
そんな感覚があった。
全部、自分で決めて行った場所なのに。
今いる場所だってそうだ。
成り行きでフラーっと来てしまった。
だけど周りは優しくしてくれて、
すごく恵まれていると思う。
いろんな人に会える仕事は楽しいし、
毎日自分で作るご飯は美味しい。
さみしく感じることもほとんどない。
でも
いつか、
ここを離れる日が来るのだろうか。
そのとき、わたしはどんな心境なのかな。
流れ流れる私の生活はいつまで続くのだろうか。
ちょっと豪華な、美味しいキッシュを作りたいと思います。