思い煩うことなく生きよ

シンプルに物事を考えることが好きだ。

幼い頃からどんなことにおいてもなるべく物事をシンプルに
捉えて考えるようにして来た。
だからこそ、あえて難しく物事を考えるのが凄く嫌いだ。

それはちょっと複雑な家庭や環境で生きていく上で
自然に身に着いた自分なりの自衛手段だったのかもしれない。

周りが思春期を迎えて
恋や勉強で悩んでいたりしても
なんでそんなに悩むことが
あるんだろうって思ってた。

答えなんて最初から決まってるのに。

皆答えを知ることよりも悩む過程で
勝手に迷子になって悦に入っていたような気がする。

こんな考え方をするあたり割と冷めていたのかもしれない。

だから私は女の子同士の
あのベタベタしたコミュニティも
凄く苦手だった。
はっきり言って可愛げのない子だったかも。

大学生になってからも、
シンプルに考える癖は変わらなかった。
みんなが進路に迷っているときも
私の中では留学っていう目標があったから
単純に勉強に励んでた。

こういった考え方をする私は
率直に意見を言うことしかできなかった。

友人に相談を受けても
「じゃあこうすればよくない?」
と、率直に思ったことしか言えなかった。

それは人によっては厳しくかんじるようで
「あなたの言葉は真っすぐすぎて人を傷つける」だとか
「誰もあなたみたいに強くは無いんだよ」
と、よく言われていた。

自分自身なんでそんなことを言われるのか分からなかったし、
私はちっとも強くなんかないって思ってた。

あれから数年が経って
私自身社会に出て、いろんな経験をして
人の痛みや悲しみがわかるようになった。

言葉を選べるようになった。
人に共感して意見を言えるようになった。

けれど、それは自分の言葉ではないような気もする。
なんだか自分自身の言葉が薄っぺらく感じるのだ。
しかも、自分の意志とは違う言葉を使ううちに、
すごく迷うようになってしまった。

あのころ、あんなに冷めた目で見ていた
みんなのように悩むようになってしまったのか。

自分自身の言葉じゃないものに
惑わされて、余計な知識を蓄えてしまって
本来の自分じゃなくなってしまったような気がする。

世の中に適応して生きやすくなるために
頑張ってきたのに
やっぱりそのうちボロが出て
適応できなくなってきてしまってる。

だからこそ、今こそ
シンプルに考えて生きるべきなんだろうか。

素直で、ただただ正直だったころの
自分を思い出しながら
今の自分とうまく重なるように。

できれば、思い煩うことなく
シンプルに生きていきたいと思う。

ちょっと豪華な、美味しいキッシュを作りたいと思います。