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杜のテラス 教わったもの

キャンプをはじめて、そろそろ3年目になる。

姉より誘われた当時、「何で野宿が楽しいんやろ?」と、全く興味がなかったけど、家で退屈している愛犬の喜ぶ姿が想像できて、なんとなく行ってみることになった。勧められて見た「ゆるキャン」の影響もちょっとある。

いつも田舎に住んで、自然なんか毎日見てるし、川も森も身近にある。それなのに、キャンプは想像をはるかに超えた自然の楽しさがあった。

今では、2ヶ月に1回程度キャンプに行くほど。
犬と一緒に行ける高規格キャンプ場を探しまくった中でも、大好きな「杜のテラス」の思い出を書いてみようと思う。

生憎の雨

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その日、天気予報では雨のち晴れ。
午前中に買い物を済まし、車で到着したのが2時頃。受付を済まる頃は、びっくりするほどの土砂降り!
「うっわ…」これはマジでやばいヤツ。
雨の日キャンプなんてやった事ないし、テントの雨対策も知らんし。

心配そうにしてると、受付の方が「ちょうどいいタイミングですねー。もう雨やみますからねー」気楽な感じに声をかけてくれた。

自分のサイトに車を停めて10分ほど車内で待っていると、本当に小雨になって、サイト内の水溜りはみるみるうちに引いていった。
なんて水捌けの良い土地。このキャンプ場の自分の格付けが、ここで既に高くなった。

杜の散歩

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ここに来るキャンパーは、静かで落ち着いた人たちばかりな気がする。騒いでる人はいないし、木々で区切られたプライベート感のあるサイトで、それぞれが自然に馴染んで寛いでいる。まさに大人の空間。こんなキャンプ場を探している人けっこう多いんじゃないかな?

平日の仕事では、あらゆる方向から人の喜怒哀楽の声を耳にし、喧騒の中にいることが当たり前の感覚になってしまっている。
緊張した毎日が永遠と続く。

この場所は、耳に聞こえる木々の揺れる音や鳥の声、人が和やかに会話する声がほんとうに心地よい。不思議と、犬まで落ち着いてしまう。
人生でいくつか見つけておきたい、心が落ち着ける場所。

夜のくつろぎ

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それぞれのテントにランタンが点けられ、異世界の空間になる。

焚火のパチパチとなる音と、ランタンの灯、杜の木々の影。
上品な笑い声が、そこかしこで聞こえてくるのも心地よい。
まるで、フィンランドなどの北欧に旅しに来たような気分。行ったことないけど。とにかく自然に囲まれた夜を過ごすのがこんなに気持ちの良いものだと初めて知った。

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火を眺めながら、他愛もない話をずっと続けてると少しずつランタンの明かりが消えいく。そろその消灯の時間がやってきた。徐々に静かになり暗くなっていく。
空の星は、残念ながらそんなに見えない。

清々しい朝

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朝は5時に犬に起こされ、杜の中を散歩する。
見知らぬ人たちと挨拶を交わして、早すぎる朝食の準備にとりかかる。

普段、通りすがりの人に声をかけることはないけど、動物病院とこのキャンプ場だけは何故か知らない人にも警戒心を持たずに接することができる。
どうやら勝手に自分の中で、ここを訪れる人たちが自然に安心を求めてくるんだろうと思い込んでいるらしい。ここでゆっくり出来てよかったですね、なんて言いたくなってしまう。

いつも自然が身近にあるけれど、それを楽しむことはなかった。
杜のテラスをきっかけに、今は毎日の自然からの贈り物をありがたく楽しんでいる。


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