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お気に入りの靴を履くように、好きな「考え方」を提案したいんだ、という話。

さてこれからどうしようか、と未来について考えるのが苦手だった。

今までを振り返ると、困っていることを困っていない状態にする、マイナスをゼロにするためにやることを決めてきたので、頭だけで考えてきた。それが、自分の気持ちや衝動や好奇心を知らないうちに後回しにして抑えていたと気が付いたのは最近のことで、気がついたら未来についてどうしたいのか、手段ではなくて、どうなっていると自分がうれしいのかが、わからなくなってしまっていたのだ。


だけど、最近はようやく未来について考えられるようになってきた。

今までとなにがちがうかと言うと、未来のことを考えるときに「自分のこと」ではなくて「自分の役割」について考えられるようになった。

今までは、つい誰かのために自分を抑えて行動しがちで、もともとおせっかいな性格なのでそれが「得意なこと」でもあった。誰かが困っているからできることをしてたすけるのは、やりがいもあるし居場所もできる。ただ、ほんとうに自分が楽しんでいないと、「誰かのため」が「自分のため」をいつもすこし上回っていると、続けることが難しい。

そのことに気がついて、改めて自分の役割を見直して次の段階へ行こうと思って、未来について考えるようになった。

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自分の役割について考えるとき、自分をどの舞台に立たせるかを考える。

舞台に立つとは目立つことじゃなくて、「観客」(誰かの人生を観る側)、「裏方」(誰かの人生を支える側)、「舞台に立つ」(自分の人生をいきる)はどれもひとりの中にある要素で、時期によってバランスが変わってくるものだと思っている。わたしはいつも「舞台に立つ」要素が少なくて「裏方」のプロになっていたので、意図的にバランスを変えようとしている。

これは職業の種類の話ではなくて、誰かを支える職業が自分の舞台だということはもちろんありえる。自分/職場/職業/社会とマトリョシカ構造になっている。

社会的に必要な職業で、業界で有名な会社に所属していても、職場の中の立ち位置に悩んでいる人もいれば、さらに潜って、職場で役割を得て必要とされているけど、自分の心を満たせていなくて悩んでいる人もいる。舞台の設定をどこにするかで見えるものは変わってくる。

わたしが今見ているのは、「自分」の舞台に立つことに決めて「社会」の立ち位置や役割を考えるという行程だ。

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今まで、過去に縛られて未来のことを考えられなかったわたしが、どうやってできるようになったかというと、未来のことばかり見ている人の考え方をマネしてみただけだ。

そして、これはわたしの役割のひとつだと思っている。憧れの誰かにはなれなくても、考え方はすきなやり方を採用してマネできるという実験をしてる。

誰かの行動をマネして自分のものにしようとしても、どうしてその行動に行き着いたのか、その過程や動機はその人のものだから、自分のものにはならない。わたしも「サクちゃんみたいになりたい」と言われたら「それはムリだから諦めなよ」と言う。どんな人にもなれないから。

わたし自身が子どもの頃からいつも、なんだかハズレくじを引いたような気でいて「いいなー」と他人を羨んだりその度に「ないものはないからしょうがない」と諦めてきたので、自分以外の何かになりたいという気持ちは痛いほどわかる。

でも、自分以外の人になるのは諦めて、しょうがないからこのままで、でも楽しくないのもつらいのもイヤだから、それだと困るから、どうにかこうにか楽しく生きたいと考えるのだけは諦めなかった。

それで、いいなーと思うその人にはなれないけど、考え方や素直さをマネして取り入れてみた。自分から湧いて出た考えではなくても、多少無理してでもやってみると、それが習慣になった頃には自分の考えのようになってくるのでおもしろい。

ほっとくと「どうせダメだ」と考えてしまうクセを、強制的に意思決定で「こっちのほうがいいことがあるから」と自分に言い聞かせるように他の考え方のクセをつけていった。

ほんとうは自信がなくても言い聞かせて淡々と続けることで、自信がないことより習慣つけることの方がつよいとわかったし、「こうやって考えると楽だな」という考え方の「型」は、他人にも応用できるんだとわかった。

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今までわたしがnoteに書いてきたことは、「こうやって考えてこうしてみたよ」というわたしの考え方で、自分のためのメモみたいなものだったけど、そのすべては、この考え方を気に入ったら試しにやってみてねと言いたかったんだなと思う。今作っている本も、「考え方集」のように読んだ人が「その考え方にはめるとわたしの場合どうなるかな?」と自分のことを考えるきっかけになるといいなと思っている。

これからも、すきな考え方を「こんなのがあるよ」とオススメして提案していきたい。「今までのそのメガネは思い込みがつよいから、こっちのメガネで見てみたら?」とそっと置いておくような仕事をしていきたい。

みんながそれぞれ好きな服を着るように、お気に入りの靴を履くように、好きな考え方を選ぶお手伝いができるとうれしい。好きなやり方でいいんだと思えるようになるきっかけになるとうれしい。

お気に入りの考え方を採用するのは、誰でも、タダで、今すぐにできる。失敗しても何度も取り替えていいし、そのやり方があったかとどんどん新しく足していけるし、いいよね。

先日、そんな話を友達のみずほちゃんにしたら、「サクちゃんはクッキー屋さんから考え方屋さんになるんだね」と言ってくれて、とてもうれしかった。わたしは考え屋さんになりたい。

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