プレゼントによろこぶか、よろこびがプレゼントか

あーちんへのクリスマスプレゼントを何にしようかと考えていたのだけど、例のごとく彼女は「ほしいものはない」と言うので頭を悩ませていた。
この、あげたい気持ちと物をイベントに合わせるのがなかなか難しい。
普段、たとえば似合うだろうなという服を見つけたときは何でもない日でも買ってあげるのだけど、それでもあーちんはまあまあよろこびながらも(気をつかってよろこんでくれているのかも)「そんなに服いらないからね」などと言う。

もらうことをあまりよろこばない というか悪いなあと思うらしいので、それじゃああーちんのよろこびってどこにあるんだろうと考えてみた。

あーちんがよろこぶのは、誰かがよろこんでくれるとき。
あーちんが絵を描くのも、誰かがよろこんでくれるから。

あんなに絵が上手だったら(すいません親バカで)、わたしならきっと上手だと褒められることがうれしくてたくさんの人に見せてしまうだろうし、認めてほしくて上達を望むだろうと思う。ましてや小中学生ならなおさら。
でもあーちんは、数や評価をほんとうに気にしない。あの人がよろこぶから、という理由だけで描く。それだけ。
誰かのお誕生日にはその人のペットやすきな食べものを描いてあげる。手元には何も残らない(わたしが写真を撮るけれど興味なし)。お仕事でイラストを依頼されたら需要によって絵を描き分け、自分の描きたい絵や得意な絵の主張は一切しない。何を描いたらよろこんでくれるのか だけだから。

かなわないよねえ。そりゃあほしがらないよねえ。

それならば、と一緒にあーちんのすきなものを食べにいって「おいしいねえ」と言いあった。食べものとよろこびって最短距離なのかもしれない。
あーちんのほぼ日の連載「たべびと」がなぜ彼女らしいのかわかった気がする。



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