なぜクッキーなのか ③【続・シングルマザーのクッキー屋の話】
①現状の把握(ゆずれないものはなにか?)
②目標の明確化(で、どうしたいのか?)
③資源の発見(なにができてなにができないのか?)
これでようやく仕事とつなげて考えはじめる。
④ Options :選択肢の創造
③でみつけた自分の持ちものを並べてみる。
【プラスの持ちもの】
・お菓子業界での12年間の経験、人脈、傾向の知識があること。
・年商5億円のお菓子屋さんの経営や運営の方法や、スタートからの流れをみてきたこと。
・過去数百人のスタッフの技術、働きかた、考え方の傾向を知っていること。
・せっかちとおせっかい/事務作業能力と把握能力
・プライドのない公平で肥えた舌
【マイナスの持ちもの】
・働く時間がみじかい
・お菓子をつくれない
・他業種とのつながりがない
・その会社以外での経験がなく、社会性に欠ける
・知名度がない
・お金がない
これしか持っていないのなら、手ぶらで別の業界に行くよりもお菓子にまつわる仕事かな、他の会社ではつかいものにならないから独立かな(しかたない)、とまずは考えた。そのなかであり得る選択肢をあげてみた。
・お店(実店舗)をもつ/インターネットのみ
わたしがお店屋さんをするのは向いていないと思っていたのは、その場所に毎日閉店時間までいなければいけない というのが苦痛だからで、実店舗はなくてもいいかな、とも考えた。
しかし、インターネットで販売をするとしても、お菓子を製造して出荷する場所は必要だから、借りる立地によっては店舗があってもいいかな、くらいにまずは軽く考えた。これはどっちでもよかった。
・ひとりでやる/数人でやる
ほんとうは自分ひとりではじめて、ダメだったら勝手にやめられるのがいいと思ったのだけど、わたしはお菓子をつくれないので、ひとりではできない。また、わたしの働ける時間が短いので(好きに使いたいのもある)、自分以外の人にやってもらうしかない。
また、今までたくさんの女の子たちが「お菓子をつくる仕事をしたいけど、きつすぎてパティスリーではもう働けない」といって業界を去っていったのを知っていたので、その子たちがしんどくない方法で働ければいいなと思った。
そして、そのお菓子をつくりたいというひとたちは、だいたいが事務作業やPCや数字が苦手で「お菓子をつくりたいけど経営とか無理だからお店はできない」という人が多かったので、わたしがお店(ステージ)をつくって、お菓子をつくる以外の仕事をわたしがやれば、お互いにたすかるとも考えた。
・お菓子を自社でつくる/仕入れる
お菓子をつくりたい人はたくさんいるのと、仕入れでやるにはある程度の規模でないと利益が出ないので、自社で製造することにした。
こうやって書き出してみるとわかるとおり、自分の持っているものから考えると、選択肢はそんなになかった。できないものをやりたいからといって選択肢に入れないことで、やることはかなり絞られた。
消去法で絞られた結果、「数人でお菓子をつくって売る仕事(店舗はあってもなくてもよい)」が残った。
さて、お店屋さんをするときに決める大事なことはふたつある。
◎ どこの、だれに、なにを、いくらぶん売るか
◎ それを、だれがよろこぶか
これらを「数人でお菓子をつくって売る」と組み合わせて、ここではじめて、ようやく、規模や方法を具体的に考える。
つづく
※記事は全文無料ですが、投げ銭方式にしてみました。
ここから先は
¥ 100
\読んでくれてありがとうございます!/ みなさんのサポートはとても励みになっています。