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なんでもくり返す

誰かの悩みやグチを聞いたとき、わたしはよく「そういう時期なんじゃない?」と言う。

だいたい問題を抱えているときは、その1点にグッと意識を持っていかれてしまい、視野が狭く深く偏ってしまうので、その沼から足を抜いてすこし引いて見る視点が必要だと思うからだ。

今のことしか考えられなくなっている時間軸を過去と未来にのばしてみると、過去にあった問題が同じ問題のままあり続けることはほぼなくて、どうにかこうにか動いて変化しているし、すごく苦しかったことも後から見れば「あのときはそういう時期だったんだな」と思える。同様に今はトンネルの中でも、いつか抜けるものだと思えると、深く掘る方法ではなく抜ける方法について考えられるようになる。


いろいろな悩みに対してすべてに共感することはできなくて、わたしが誰かと共有できる景色は、「なんでも波のようにくり返すよ」ということくらいだ。

雑な言い方をすると、「時期」で見るとアドバイスは「動け」か「休め」のどちらかになる。波が止まってしまったときは、次の波が起こるように足掻いたり歩き出したり動くしかないし、無理して動きすぎたら、行き先や周囲の人を見失ったり、行き止まりでも停まり方がわからなくてぶつかってしまうので、むりやりでも休んだほうがいい。

波は行ったり来たりくり返しながら大きくなっていくので、停まってるように感じても、長い目で見て「今はそういう時期なんだな」と焦らないことも大事だと思う。動くための勇気と同じように、休んだり止まったりするにも勇気が必要なのだ。


そうして1点から引いて時間軸を伸ばして見てみると、1年、2年、5年、10年と長くなればなるほど、大きい波の中に小さい波がいくつもあることに気がつく。「動く」と「休む」のようにくり返す波は大小様々ある。

・自分のやりたいことをやるときと、人のためにやるとき
・やる気があるときと、やる気がないとき
・過去を振り返るときと、未来を見るとき
・人に会いたいときと、ひとりでいたいとき
・コンテンツを浴びたいとき(インプット)と、創作したいとき(アウトプット)
・力を入れるときと、力を抜くとき
・都会がちょうどいいときと、自然を求めるとき
・スピードを出したいときと、ゆっくりしたいとき
・全部が楽しいときと、全部がこわいとき
・自分の内側にもぐりこむときと、外側から俯瞰で見るとき
・自信があるときと、自信がもてないとき

そして
・いいことと、悪いこと

つい悪いことばかり覚えている傾向があるけど、いいことだけでも悪いことだけでもなく、小さくも大きくも両方が混ざり合ってくり返しているし、時間が経ってから見ると出来事の意味が変わったりもする。

今起こっていることが悪いことだと思っても、もっと細かい目で見てみると悪いことの中にも小さないいことがある。もっと広い目で見てみると悪いことも大きないいことの中にある。わたしはうまくいかないときにいつも、波がすぎるまでその両方を見てやりすごす。


全部、なんでもくり返すんだと思うと、今までどうにかこうにか生き延びてきたことはすべて自信になるし、無茶をするでも諦めるでもなく身を委ねるという選択ができる。

これからも今までの波の続きだから、大丈夫、大丈夫、と言い聞かせながら、今日もわたしたちはみんな波の途中にいる。

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