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日本百名山㏌よっちゃん69座目白馬岳

春山と夏山に二度登っています。
新潮文庫 日本百名山 深田久弥著 45白馬岳(2933米)の冒頭に「日本アルプスへの初見参が白馬岳であった人は少なくないだろう。高峰へ初めての人を案内するのに、好適な山である。大雪渓が有り、豊富なお花畑があり、眺望がすこぶるよい。私の知人で、この頂上から初めて日本海を見たという人もある。
登りに変化があってしかも易しく、道も小屋も整っている。コースもいろいろあって、正面の大雪渓から登り、帰りは北行して白馬大池を訪うもよろしく、南行してわが国最高の露天風呂白馬鑓温泉に一欲するのもおもしろかろう。健脚の人は、更に後立山連峰へ足を伸ばすのもよし、途中から黒部谷に下るのも興味がある。いずれにせよ、白馬岳は、槍ヶ岳と共に北アルプスで最も賑わう山である。・・・」と記しています。

初めての白馬岳(春山)

No788白馬岳・四阿山・瑞牆山 平成16年4月29日~5月5日 2名

4/29 佐世保12:10⇒新門司港17:30⇒(車15,800円2等6,000円)
4/30 大阪南港5:40⇒近畿道⇒豊科IC⇒15:00白馬岳登山口猿倉
5/01 大雪渓→避難小屋10:00→11:00白馬山荘15:00→15:20白馬山頂往復

白馬岳山頂。この日は山荘泊まり

5/02 下山6:50→猿倉9:30⇒長野善光寺⇒16:30四阿山麓
5/03 四阿山登山
5/04 瑞牆山登山
5/05 佐世保 

二度目の白馬岳(夏山:唐松岳縦走)

No1148白馬岳唐松岳縦走 平成29年8月1日~5日 6名
8/1 佐世保⇒山陽道北陸道⇒
8/2糸魚川IC⇒1,180㎞白馬村(食料買出)⇒栂池高原11:10⇒ゴンドラリフト・ロープェイ⇒栂池自然園駅11:45→栂池山荘12:00→天狗原→乗鞍岳→15:35白馬大池山荘前幕営 
8/3出発4:00→小蓮華山→三国境→白馬岳8:30→杓子岳→白馬鑓ケ岳→13:20天狗山荘幕営地
8/4出発4:30→天狗大下り最低部→不帰キレットⅠ峰頭→Ⅱ峰南峰→唐松岳9:40→唐松山荘→八方尾根八方池→八方池山荘(ゴンドラ)12:55⇒八方駅⇒タクシー⇒栂池高原(入浴昼食)→キャンプ場幕営(白馬駅前居酒屋で夕食) 
8/5佐世保

私もキレットは初で夏の白馬岳も初めてです。
天気予報は厳しくエスケープが余儀ない状況で、白馬岳から大雪渓からか、白馬鑓ケ岳先から鑓温泉小屋に逃げるかを想定して臨みました。天狗小屋も大雪で一部倒壊して営業していません。テン場も土の上には二張分と確認していました。予定通りの実施は厳しい状況でしたが、結果はオーライで参加者全員が満足できた夏山合宿になりました。

 2日、栂池山荘からの登山道は例年だと残雪はないらしいのですが、今年は天狗原手前と乗鞍岳手前に残っていました。

事前情報で女性群にはアイゼン持参をお願いしましたが使うこともありませんでした。毎回ですが夜走りの寝不足が影響する初日の登りです。平日ですが登山者も多く、高校山岳部の合宿パーティーと前後して登りました。天狗原の湿原までは、樹林帯のジグザグの登りの後、残雪を過ぎると到着しました。

チングルマが出迎えてくれます。木道を経て急な登りになると安山岩のゴロゴロした道になり高山植物も目立ってきます。再び雪田となり急登が終わって台地に出ると乗鞍岳2437mでした。

天気が悪いと迷いそうな地形です。山頂から大池には岩の上を歩き下りますが遍路歩きでの後遺症で右足首が痛くなり明日からの縦走に不安が過ります。

白馬大池は北アルプスで二番目に大きな山上湖です。

山荘裏のキャンプ指定地は広々して、山上の別天地のムードが漂っています。白馬村スーパーで仕入れた肉で入山を祝いました。

3日2時35分。高校生の朝は早く、こちらも起きてしまいました。星空です。予報は好転し予定通り動けそうです。テン場は一人1,000円と割高でした。6人用テントに6人と窮屈でしたが余分な荷物はツエルトに置き、熱帯夜の下界と違い快適な夜でした。
朝食も外のベンチで準備し済ませてヘッデンを点けて出発です。雷鳥坂と呼ばれる広い尾根となりザクザクとしたなだらかな道をゆっくり登ります。船越の頭を過ぎる頃より明るくなり日の出を迎えました。

白馬岳、杓子岳から鹿島槍ヶ岳がはっきりと確認できます。入会し初めての北アルプスが春の鹿島槍ヶ岳でした。21歳、あれから47年時が経つのは早いものです。足元は雲海です。高校生は班行動で数パーティーに別れ、間を先生が歩いているようです。

初見の二人には最高の舞台演出です。天気も良く白馬岳へと続く縦走路が手に取るように見えます。やがて小蓮華山、そして三国境です。ここは新潟・富山・長野県の県境なのです。

前日の睡眠不足と重荷から少し開放され、山の醍醐味を味わいながら白馬岳山頂に到着しました。出発から4時間まだ朝8時です。

立山剣や薬師岳方面の山頂部には薄雲がかかっています。ゆっくりと展望を楽しみます。村の名前は「はくば」ですが山は「しろうま」と呼びます。

白馬山荘で今日のビールを仕入れます。運転しないMさんの提供です。昨年の聖岳でもそうでしたが、互いの弱点をフォローしながらの山行です。平均年齢61歳のパーティーは工夫が必要です。

さあ後半です。村営頂上宿舎はルートから少し離れています。テントも数張、ヘリポートも見えます。大雪渓に逃げる必要もありません。飽きることなく白馬岳を振り返り縦走を続けます。

杓子岳と白馬鑓ケ岳がどっしりと構えて、さあやって来いと言っているようです。

花を楽しみコマクサを見つけ、雷鳥としばし会話しながら進みました。なんとものんびりした山行ですが、疲れは出てきます。

杓子岳はパスして中腹を巻き、最後の大登り白馬鑓ケ岳に向かいました。少しパーティーも離れますが元気に到着です。

白馬岳周辺と違い登山者は極端に減り静かな山が楽しめます。暫く下って鑓温泉分岐です。標高2100mの高所温泉に入りたく当初計画しました。

今年は温泉まで雪渓が残っており危険個所として長野県警は注意喚起していました。ここにエスケープすることもなく天狗山荘に向かいました。

山荘手前にも残雪がありましたがアイゼンを使うことなく到着です。山荘は改修工事中でした。テン場一番乗りで山荘に一番近い場所にテントを張りました。山荘のトイレは利用でき、心配した水も十分でした。

13時20分到着と余裕を持った行動でした。テン場は傾斜があります。調理も気を使います。補食のラーメンで一旦腹を満たし、夕方には夕食としました。まだ残っていた焼酎1800mlは最後F君が全て空にし、担当の負荷を軽減しました。寝るのも皆同じ方向です。

4日3時起床。夜中少し雨が降ったようですが今日も天気は問題なしです。今合宿のクライマックスです。皆さんの力量に一番気を遣いましたが、快適な岩稜縦走を楽しむことができました。4時半出発。小屋前から少し登ると稜線に出ます。陽も昇り雲が多めですが天狗の頭から大下りスタートまでは稜線漫歩です。

剣も白馬岳からすると随分と近くなりました。大下りからは不帰一峰二峰三峰が望まれました。大下りには鎖場もありますが問題なく下降します。最低鞍部で単独行の男性に追い抜かれます。

不帰沢に筋状の陽が注ぎます。素晴らしい写真が撮れました。さあ気合を入れてと皆さんを鼓舞し一峰に向かいました。

一峰を稜線伝いに登ると核心部である二峰の岩壁が、垂直にそそり立っています。女子大生か数名のパーティーが大きなザックを背負って二峰を下って来ました。問題なしと感じました。二峰は登り始めると足場手掛かりはしっかりしており悪い場所には鎖もあり、順調に高度を上げます。下を見るとかなりの高度感があります。鉄橋を渡り信州側に廻り込みます。岩壁を廻り込むように細いバンドを進みます。油断すると大変です。再び鉄橋が現れ大きな岩の上に出て渡った所が二峰南峰の山頂でした。

三峰は越中側を巻き込んで難しい岩稜歩きもなく唐松岳です。三峰山頂か唐松岳山頂かと騙されながら天狗山荘から約5時間で山頂に立ちました。ホットした瞬間で皆さんに満足感が漂っていました。おめでとう皆さん。最後のアルバイト八方尾根を約3時間で下って夏山登山は終わりました。

出会ったお花

 タクシーで栂池まで戻り、途中のキャンプ場に幕営し最後の夜を迎えました。

 本題(白馬岳)からそれ不帰のキレット、唐松岳までの報告で長くなりました。ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

次回は最初の白馬岳山行と同じ山旅で登った70座目四阿山、71座目瑞牆山を投稿予定です。また読んでいただければ励みになります。     

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