上信越国境の山「巻機山」「平ケ岳」, 日本百名山95-96座目の山旅です。
2015年8月12日~8月16日の記録です。2009年9月魚沼駒ヶ岳、会津駒ケ岳以来の6年振り上信越の山旅です。山友3人で夜走りでこの地を訪ねました。
山行ナンバー1085上信越国境の山(巻機山1967m・平ガ岳2141m)
まとめ
8/12出発「佐世保中央IC14:10⇒(名神・北陸道・関越道)⇒ 」
正月、5月春山に続き今回も天気予報は味方しなかった。最悪二つの頂きとも登れないとの不安を抱きながら出発したが、結果はオーライであった。不眠不休の運転で疲れている身体を休めようと休養日を確保していたのが幸いし、予定の山は登り未踏の日本百名山は4座になった。
日本百名山を登った時は、必ず深田久弥著書を読み直す。同じ世界には入れないが、共感する文面に接すると充実感を味わうことができる。
改めて大きな地図を読み直すと二つの山は中央分水嶺を成して日本の大河(流域面積)第1位利根川の最上流水源であり太平洋に注ぎ、平ガ岳は第3位阿賀野川、巻機山は第4位信濃川の支流を抱いて日本海に注いでいる。
特に平ガ岳は奥深い山であった。6年前の越後駒ヶ岳登山では樹海ライン経由で奥只見湖に下ったが、今回は奥只見シルバーラインで銀山平に出て登山口に向かった。この道路は、奥只見ダム建設の資材運搬用道路として建設されたもので全長22kmのうち18kmは19カ所のトンネルから成っており、17カ所目でトンネル内三叉路から外部に飛び出し銀山平に出た。トンネル内は岩肌が随所に見られ、未だ工事中の感じである。
総走行距離2,800km 一人当たり参加費35,000円
ここから鷹の巣まで20?数キロもあり、長かった。途中の荒沢岳1969mには万年雪が見られたし、ダム対岸の山谷にも残雪が残っていた。奥只見湖も総貯水容量で日本第2位の大きな人造湖である。山登り以前にここまでで十分に山深さを感じてしまう。
8/13小雨後曇り。八海山を「巻機山(登り3:30下り2:15)」に変更
六日町IC5:30⇒清水⇒桜坂駐車場6:50→五合目7:45→七合目9:00→ニセ巻機山9:40→10:20巻機山10:30→12:45駐車場13:00⇒六日町駅前(買出し)14:00⇒奥只見シルバーライン⇒銀山平(温泉入浴)16:00⇒17:20鷹ノ巣
13日天気は今一であるが明日は確実に雨天停滞だし、少し無理をして巻機山に登ることにした。
元々は米子沢遡行の予定であったが、雨予報で井戸尾根コースの往復に変更していた。しかし、大して雨に降られることもなく高度を上げた。
次の写真は六合目展望台からのヌクビ沢と天狗岩の眺めである。
寝不足なのにペースは快調である。それを親子が抜いていった。そしてトレランの男女二人も走って抜き去る。こんな日に天候が悪化したらどうなるのかと心配もしたが、楽しんでいる感じであった。
七合目物見平から急に視界が開け正面にはニセ巻機山が立ちはだかっていた。急登で八合目になると階段木道を登り長くせずに九合目のニセ巻機山に着いた。
ここから巻機山頂が大きく横たわっているのが見えるのだが雲の中だった。木道を辿って鞍部に下る。高山植物が咲き誇っていたが、天気が心配で先を急ぎ小屋に入った。
トレランの二人が戻って来た。雨にズッート追いかけられていると言う。上下雨具を着込んで小屋を出た。池塘の脇を通り、木道をひと登りすると山頂であった。本来の最高点は少し先だが、植生保護もありここが山頂と定着している。降られることはなかったが、素晴らしいだろう展望は得られず雨具を脱ぎ下山する。池塘、木道付近をこまめに写真に納め二人を追いかける。
下りは2時間15分で駐車場に戻ったのだが、途中、長く長く感じた。眠らずの登山が影響したのだろう。
平ガ岳登山口まで地図では近いが、ナビでは2時間以上もかかる。奥只見シルバーラインに入ると道幅は狭く登りの連続である。銀山平の温泉で汗を流すと睡魔が襲う。トンネル内運転や奥只見湖の曲がりくねり上下する県道にM君は不機嫌な様子である。二人は飲んでいたこともあり、最後まで彼が運転した。
8/14雷雨のち曇り時々雨。檜枝岐散策
平ガ岳登山を変更して休養散策にした。 鷹ノ巣⇒御池(燧ケ岳登山口)⇒檜枝岐(散策・入浴・買出し)⇒鷹ノ巣
14日、明け方から強い雨となり夜が明けると雷雨となった。そんな中、男女二人が下って来た。恋の岐川を遡行し、谷と山頂付近で二泊したと言う。数日前から悪天予報だったのによく決行したなあと、信じられなかった。
雨は上がり髙曇りとなった。時折小雨の予報だが回復傾向でホットする。昼は檜枝岐でソバを食べることにした。歴史資料館、歌舞伎演舞場など散策し温泉に入り買出して登山口に戻った。登山口には車が多くなっている。
8/15曇り後晴れ。平ガ岳登山(登り5:50下り4:15)
出発850m2:50→痩せ尾根取付き3:10→下台倉山1604m5:10→台倉山1695m6:05→白沢清水7:00→池の岳姫の池8:10→8:40平ガ岳9:00→13:15鷹ノ巣14:00⇒魚沼市内温泉入浴⇒小出IC18:00⇒
8/16大塔9:15
15日、十分な休養を取ったので起床を2時に早めて、テントを撤収し3時前に出発する。廻りの車内も明かりが点いている。林道を辿り沢を渡ると暫くして「やせ尾根」の標柱があり急な登りに変わった。ヘッドライトの明かりで地面だけを見ながら登る。暫くすると後ろから明かりが付いてくる。後続パーティだろう。やせ尾根や岩場の登りもロープを目印に黙々と登る。登り切ったと思ったらもう一度ダウンして更に急傾斜となり岩場も多くなって最初の頂き下台倉山に着いた。明るくなった。ここまで標高差約800mを約2時間20分である。
ここから山頂までは標高差約500mを3時間半かかったが距離は長くなる。
次の台倉山までは小さなアップダウンを繰り返し燧ケ岳の展望を楽しみながら進んだ。ここから樹林帯の中を下ると台倉清水があるが立ち寄らず、再び緩やかな登りとなり長々と歩くと白沢清水の水場である。昨日あれだけ降ったのに、ここの水は飲む気がしなかった。
次第に急斜面となり草原状の伸びやかな尾根が池の岳まで続いた。登り切ると目前に姫の池が広がり頂上が近いとホットする。
木道を鞍部まで下り、オオシラビソの樹林を抜ける。池塘の点在する中、緩やかな草原を登ると平ガ岳山頂であった。山上の楽園の言葉がぴったりとする。先程までのガスも切れ始めている。
山頂にはかなりの登山者が先着していた。我々より先に登った登山者は少ないはずと不思議であった。皆さん汗もかかず疲れた様子もなく景色を堪能している。考えられるのは清四郎小屋に泊まり、許可車で中の岐林道終点まで送ってもらい、玉子石コースを辿って来たかである。これなら約3時間で山頂に達することができる。皇太子が来られた際に整備された道である。
周辺の展望が開けるまでのんびりしていたいが、今日は帰路に着く日である。別れを惜しんで山頂を後にした。
天気は回復して熱射病になりそうである。日陰と日向の温度差が大きい。台倉山付近でも登りの登山者とすれ違ったが、こんなに遅い時間で大丈夫ですかと言いたくなった。
夜明け前登った痩せ尾根は、かなり長かったが早い時間に車に戻ることができた。順番は私の運転になるのだが、M君の思いやりで遠慮なくビールをいただいた。旨い。魚沼市内で風呂に入りお土産を買って、帰路に着きました。