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山登り人生vol16初めての祖母傾縦走

21歳、登山一周年

山日記にはこれだけの記述です。
『No27神原~祖母山~九折小屋~傾山~三ツ尾~鉱山跡~上畑 
昭和45年10月8~12日  
職場山岳部:久野、大坪、岡、伊藤、私
初めての本格的な縦走。』・・・と思ったら手書きメモが出て来ました。

手書きメモより

交通費 汽車賃2280円、バス代160円

8日 佐世保20:49⇒23:25鳥栖23:57⇒1:20熊本
9日 熊本5:44⇒8:20竹田8:40⇒
  阿蘇高岳を笠雲が覆い、その横にはレンズ雲のようなものが美しい。
  神原9:20→一合目滝10:00

五合目小屋11:00→展望台13:30→14:50祖母山頂小屋(夕食)18:00→祖母山往復

10日 起床4:00 出発5:45→祖母山6:00→障子岳7:35→古祖母山8:40 
 →9:40水場10:40(昼食)→尾平越11:00→本谷山12:50→天狗岩14:10
 →14:55九折小屋 就寝20:00

11日 起床4:00 出発5:25→6:50傾山7:50→つえ落し8:50→一ツ坊主9:10
 →三ツ尾10:40→12:00観音の滝上13:10(昼食)→九折銅山13:30→14:30上畑
 16:10⇒17:20竹田18:12⇒20:41熊本21:49⇒23:47鳥栖12日1:41⇒4:45佐世保

行動記録

今度の山行は、山歴1周年(10月10日)に当たる記念山行で、それに相応しい祖母傾縦走となり、非常に嬉しい。
豊肥本線に乗るのは初めてで、阿蘇外輪山の登りは汽車にとってもつらいようだ。スイッチバックで登って行く。車窓は素晴らしい。
阿蘇の山がその重みに耐えかねて、陥没した様子が外輪山の切り立った岩壁に現れているようである。
九州最高地点754mの駅を過ギ車窓は打って変わり、汽車もいままでのアルバイトから快適に竹田駅に入ってくる。「荒城の月」に迎えられた。
8時20分、通勤通学者と一緒にホームに足を運ぶ。・・・

・・・手書きメモが一枚抜けています。9日行動の後半から・・・

急な登りを終え国見別れに着くと地元パーティーが休んで景色を楽しんでいた。時折見せる山々を楽しんで山頂小屋に向かう。
夕食を終え、明日見られるか分からない景色を眺めようと祖母山頂に向かう。今を盛りの紅葉が迎えてくれた。
大障子、前障子から天狗岩、障子岳が望まれた。
時折雲が取れて傾山まで確認できた。

10日、今日も曇り空。山頂からの展望は期待していなかったが、大崩山、日隠山、傾、本谷、遠くに大船と予想外の展望を楽しんだ。山頂から急な斜面を下りて行く。山腹が朝日に照らされ素晴らしい。紅葉が胸を打つ。
山頂小屋を3番目に出発した。
最初の組が天狗岩で休憩している横を素通りして先へ。
福岡組は烏帽子で一緒になるが、先を急いでいた。
今回の山行はベストコンディションである。
古祖母山頂で3組が一緒になり暫く休憩して、福岡・佐世保・地元の順で出発する。
途中、福岡組を追い越し水場へと先を急ぐ。
伊藤さんの膝が笑い出した頃、水場に着く。
岡さんの話では音を出して流れていた水場も、秋には少なくなり50mほど下らなければ水は得られなかった。
1時間ほどで昼食を摂り満腹感を得たところで、これからな嫌な本谷山の登りにかかります。尾平越を過ぎたところで福岡組が食事を摂っています。何度となく騙され本谷山頂です。
ここで小雨が降り出し、水場に着いたところで本降りとなります。
ここの水場も水はあまりなく、祖母山系の水の少なさを痛感します。
福岡組とは抜きつ抜かれつの登行となり、15時前に九折小屋に着きました。
まだ15時というのに小屋は満員で、リーダーの交渉でどうにか場所を確保できました。福岡組の場所も確保してあげました。
この小屋の水場の遠さにも閉口しました。
福岡組の女性達と歌ったりして過ごし20時近くでお開きとしました。
が、他組の騒ぎで寝付けません。

「山キチの 駄作をひねる 縦走路」(大坪)
「傾きに こころは残れど わが里へ」(伊藤)
「長重量 骨身に堪えた わが肩へ」(岡)
「秋空を 今日も眺める 天狗岩」(私)
「紅葉の 祖母と別れて 九折小屋」(私)

ネットより借用。九折越小屋

11日 2時、祖母縦走組が騒ぎ出し目が覚める。寝付けなく3時には朝食の準備にかかる。朝食はできたが皆は寝ている。4時半に皆を起こして食事をすませる。
5時25分出発。ご来光組が先行していたがダメだったようだ。
傾山頂はガスっていて展望は得られなかった。
1時間待機したがダメであった。
三ツ尾に向かって出発したが尾根を間違ったらしく、目前は絶壁で進めなくなった。このコースは変化があって面白かった。久野さんは「ひめこ松」の種子を集めて歩く。つえ落とし岩場からの眺めは素晴らしかった。
目前の傾山、昨夜お世話になった九折小屋、いやな登りだった本谷山が確認できた。祖母山までは雲が取れず望めなかった。一ツ坊主、二ツ坊主と岩稜が続く。歩きやすくなると三ツ尾に着いた。
ここからは急な下りで、膝が笑い出す。皆さんバテ気味である。
林道を横切り待望の水場に着いた。観音滝上の沢である。
ここで昼食。靴を脱ぎ、足を沢につけると気持ちが良い。
食事を終え落差200mの観音滝を右手に見ながら最後の山道を楽しみ、大きな川に出て、九折林道に出て、選鉱所近くの売店でビールを一杯。
最後のアルバイト。横を走るタクシーを横目にほこりをかぶりながら上畑めで歩いた。・・・
ここまでが手書きメモ(手帳)です。

タイトル写真は2015年9月の上畑・傾・祖母完全周回縦走時のもの。

2019年8月祖母山頂より
2019年の私



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