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ウチの妻は
6年前
ごく親しい友人をガンで亡くした。

その友人は元気だった頃
骨髄バンクに登録していた。
ある時通知が来て
ドナーとなるための検査を受けに行ったが、何らかの理由で条件を満たせず提供には至らなかったことを非常に悔やんでいた。

その友人は
骨髄バンクのようなカタチの
「人助け」に積極的で熱心だった。
人の命が助かるなら
自分の一部を削るくらい当然だ
と考えていた。

その意思を受け継ぐように
友人の死後
妻は
骨髄バンクに登録した

登録から6年。
その友人の命日に
封書が送られてきた

妻は運命的なものを感じたらしい

ワタシは正直なところ
不安である。

調べたら
骨髄提供者で
今までのところ死亡事故はない
との記事をみつけた。

ただしごく稀な例として

急性C型肝炎
後腹膜、左中殿筋の血腫
などの健康被害が発生したことがあったが
治療により回復して現在は
通常の生活を送っているとのこと。

これは
済生会のホームページに書いてある記事だ。

最後の
「通常の生活」と言うくだりに
少々疑念を抱いてしまう。

腰が痛くても
膝が痛くても
通風でも
偏頭痛でも
片手の指が動かなくても

体になんらかの障害をお持ちの方でも
通常の生活を送ることは出来る

QOLが下がる可能性は否定できない。

友人の命日に連絡が来ると言うのは、
友人から
「もうコッチに来て欲しい」と
呼ばれているような感じもして 
バカな不安が余計に募ってくる。

連れて行かれては困る

妻に不安を伝えると

「まあとりあえずは検査検査で
それに合格せないかんやろうし
家族の同意も必要やし」
でもつづけて
「やりたい」と

亡くなった友人とは高校の同級生で
その友人ともどもウチのも高卒で就職したクチ。

社会人になった当初は
若さと言う部分でなんとかなったが
最初にいた職場が公的機関だったため、就業出来る年数に限りがあり4年ほどで放りだされる。
その後の就活は、ハードモードで
学歴差別に遭い、社会全体から無視されているような気になったと。

この世界は不平等で残酷です。

その後も幾度も幾度も
挫折を味わい
頼みの友人も
一年前には頼りにしていたお袋さんも亡くし、 
楽しみも生き甲斐も基本的にないのだと 

ダラダラ日々過ごしている自覚もあるし、イカンイカンと思いつつ
ついどうしようもなく虚無になると。

でも
今回、骨髄提供者になれたら
人助けが出来る
人の命を救える
こんなアタシでも人様の役に立てる

人生を変えられる気がする

6年前友人を助けられなかったこと
1年前母親を助けられなかったこと
どんなカタチでも生きていてほしかったと。

患者の家族にとっては
コレがあったら助かると言うものがあって、それを待ち望んでいる。
その家族に気持ちになったら

そこまで聞いて
止めるのは無理だと思った

後は何が起こっても
妻を助けていくしかない

何が起こっても
妻に寄り添って生きて行こうと

現在に至るまで
骨髄提供者が延べどれくらいいるのか知らない

結構 
有名な芸能人が
テレビのCMでドナー卒業(年齢制限)したと言っていた。

おそらくは
大丈夫なはず

先日、
妻を血液検査に送りだして
いまその結果待ちである。

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