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52.さぶちゃんお散歩練習その⑩1階アトリエ

元野犬のさぶちゃん
ウチに来て3ヶ月と3週間
5月24日(月)

ダブルリードにも慣れ、2階のリビング・ベランダ・洗面所を制覇したので、思い切って、1階に練習の場を移すことにしました。
まず、1階の玄関ドア、アトリエの掃き出しの(ウッドデッキに面している)窓をしっかり閉めてから、リビングの二重ドアを開けます。

「さぶちゃん、お散歩練習しようか〜。今日は下に行ってみようか〜」

さぶちゃんはスッと立ち上がり、意外にも自分から階段を降りて行きます。

私は急いで追いかけ、リードを付けます。(2本。ダブル首輪のダブルリードです)
アトリエに入ると、さぶちゃんは突然パニックを起こし、後ろ向きに引っ張りながら、隠れる場所を探します。

さぶちゃんが入り込みそうな隙間はあらかじめ塞いであるので、エビのように暴れながらさぶちゃんは部屋のすみっこにくっつきます。
そして逃げる場所も隠れる場所もない、と分かるとさぶちゃんはストライキを起こし、手足を全部投げ出し、頭も床に付けて寝っ転がります。
引っ張っても持ち上げても起きません。寝たまま目と耳だけキョロキョロしています。
こうなってしまったら、さぶちゃんが納得して自分から起き上がるまで、私は隣に座って一緒に待ちます。
「さぶちゃん、怖いなぁ〜。そうやなぁ〜。でもなぁ、さぶちゃん。大丈夫やねんで〜。大丈夫、大丈夫。なぁ〜んにも怖いことは無いねんで〜」
さぶちゃんはキョロキョロおどおどして、鼻には怖い汗を大量にかきながら必死に耐えています。

私は「大丈夫、大丈夫。大丈夫、大丈夫やで〜」と話しながら、背中を撫で、顔を撫で、胴輪を触り、リードを軽く引っ張って首輪に負荷をかけ、金具をカチャカチャ鳴らし、
「ほらな、こんなに引っ張っても大丈夫やろ?なぁ〜んにも怖い事ないなぁ〜。大丈夫、大丈夫やなぁ〜」と言って安心させます。


「怖いことは起こらない」とさぶちゃん自身が納得しなくちゃいけません。
2階で練習していた時の、安全地帯と同じです。
さぶちゃんにとっては、どこもかしこも、どんなシチュエーションも、初めての事ばかりで、怖くて恐ろしくてたまりません。

安全地帯やすみっこで寝っ転がり、鼻汗をぽたぽたかきながら、キョロキョロ周りを観察して、聞き耳を立てて、たっぷり時間をかけて
「大丈夫だ。怖い事はない」とさぶちゃん自身が納得して、安心できた時に
やっと、『元気と勇気がフル充電』の状態です。
そうならないと、再び動くことはできないのです。

さぶちゃんは10分ほど寝っ転がり、ストライキをしていましたが、だんだんと落ち着いてきて、鼻汗もひき、普段のサラサラ鼻に戻ります。
そしてフッと私の目を見て
「はい、整いました」と言います。
(……言ってる気がする…笑)

そこで私は立ち上がり
「じゃあ、さぶちゃん、
 行ってみようか?」と言って軽くリードを引きます。
するとさぶちゃんはスッと立ち上がり、勇気を出して歩き始めます。
でも、部屋一周は持ちません。
半周まわった洗面所のすみっこで、
再び寝っ転がってストライキを起こします。
またもや私は隣に座って、励ましながら一緒に待ちます。

さぶちゃんは、何回も何回も繰り返しながら、初めての場所に慣れてきます。
そして、ストライキの時間が少しずつ短くなってきます。

朝練の2時間が終わる頃には、ほんの短い休憩(という名のストライキ笑)を挟みながら、部屋の中をリードのお散歩スタイルでぐるぐると歩きまわれるようになりました。

すごいです〜!さぶちゃん!!
お外のお散歩までほんまに、
あとちょっとやなぁ〜!!
がんばろなぁ〜!!

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