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国産紅茶のヤベーやつ、三選

中の人は15年来の紅茶オタクなのだけど、その興味関心の対象はもっぱら農園指定の紅茶です。
この件について前置きは長くなるから分割したん↓

……だけど、本題は「やべーやつ」を紹介したいだけです。やべー紅茶を探しているひとはこの記事だけ読めばいいです。

国産紅茶のやべーやつとは何か

そもそも国産の紅茶ってなんだ、お土産とかの大したことないやつやろ? と思われがちかもしれないけど、いま紅茶好きを名乗っていて国産紅茶のひとつやふたつ好きな茶園を言えないやつは時代遅れといって過言ではありません。早急なアプデが必要です。

紅茶といえばダージリンやアッサム(インド)、セイロン(スリランカ)各標高、それらをおいしくブレンドするイギリスやフランスのメーカーといった、そんな時代は――今でも続いてはいますが――近々、過去になるかもしれない。逆に、ならないで一代限りで終わるかもしれない。

そんな流行るか流行らんかの最先端、未来はわからないけど昔からのすごい奴が発掘されたり若い人が参入したりして、目まぐるしく変化するジャンルな国産紅茶で今、2019年末時点で、ものすごく美味しいものをつくる茶園がいくつかあります。

おれなんぞはただのファンでプロじゃあないけど、それでも美味しいことだけはわかる、そんなヤベーやつを集めてみました。

静岡県島田市 井村園

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「ももか」の名前が比喩じゃない。

それがこいつのヤベーやつたるゆえんです。正直おれはこれだけ紹介できたらいい。全宇宙で売ってくれ。ないと生きていけない。そんなレベル。

湯を注ぐとたちのぼるのが、ほんとうに桃をむいてるときの香りに似た甘い香りなんです。
でも、それは確かにお茶で、飲めば何も入れなくても甘い、渋いや苦いのマイナス要素が何一つ感じない、奇跡みたいな液体が現れます。

単体でもやべーやつですが、濃いめにいれて、すこし砂糖も加えて、ミルクを盛大にいれる、そんなミルクティーにだって耐える「強さ」があります。どんなふうに飲んでも美味しいのは稀有です。うまいものには何を入れてもうまい。

「いま美味しいものが口の中を通り過ぎたな」という幸福な余韻がたしかにある。いれているポット、置いてあるカップ、そうしたこの茶葉がふれたすべての場所に「おいしい」を漂わせるのがこの「ももか」シリーズです。

やりかたわかる人なら浅めに出してからの二煎め以降もおすすめ。国産紅茶には何度か抽出でき、そのたびに味が変わるものが多いので、気軽にやってみると良いと思う。

茨城県猿島市 吉田茶園

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「ダージリンは茨城にあったんだ」こと茨城猿島の吉田茶園。

(2020/01 茶園さんの製品のうち一部のお茶の説明だったのをどの製品にも対応できるよう記述をアップデート)
こちらの製茶はダージリンを強く意識してつくられています。
お茶のうちインドはダージリン地方でつくられるものには独特の香りや爽やかさがあり、国産紅茶にもその技法をつかったお茶がいくつかあって、よく「ダージリンのような」と形容されます。その要素はいろいろあって、作り方の工夫でダージリンに「寄せる」ことが可能なんですな。

吉田茶園のお茶はそのなかでもとびぬけて美味しいのでたくさんの賞をとっている。タイトルコレクターですね。

「「「上品」」」が茶液に溶けている、そんなお茶。どんなに散らかった家でのんでも「いま俺はいいお茶をのんでる」と瞬間セレブリティになれる。

ここまでのものは実のところ、ダージリン専門店でもまじめに探さないと出会えません。
というのも、この産地は全世界の紅茶の民が丹念に開拓した沼であり、むせ返るような香りからシャープな渋みをたたきつけるタイプまでさまざまにあります。
好みを自覚してそこに合致したものを選ぶのも一苦労ですから、へたに農園指定を買うよりウェッジウッドのティーバッグのが美味しいまであります。ていうか素人はそうしたほうがいい。財布に響く。

でね、そんな状況下、とりあえず一般人の考えるダージリンって「上品でおいしい」だと思うんですよ。

そこから先は好みの問題ではあるけど、ともかく安定的に美味しく誰にでも好かれる「ダージリン」めいた紅茶がなぜか茨城に存在するというのには驚愕をきんじえません。これは茶園さんの努力があり、さまざまな媒体で紹介されているのでぜひそれも参照するとよいでしょう。

紅茶にちょっとうるさい人ほど試してほしい、そんな国産紅茶が吉田茶園さんです。

福岡県八女市 千代乃園

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いま俺は、自然のいとなみを飲んでいる。

こちらもタイトルコレクターな千代乃園さんです。といっても吉田茶園さんとはキャラクターがまるで異なり、紅茶らしい紅茶の味わい、でありながら国産紅茶らしい、植物の香りを持っています。

ただそれがうめえんだ。

野趣といいますか、草系統の香りは、うまくやらないと単にワイルドなそのへんの草むらみたいになりがちです。これは国産だけじゃなく、ネパールやなんかの産地でもたまに引き当てます。
ハズレではないんだけど、あれっちょっと葉っぱめいてるな、という紅茶ってあるあるなんですよね。それがまったくネガティブではない。むしろうまい、なんだかすごく懐かしい。俺ァ生まれた時からこれを求めていたんだ! ってなる。

この「美味しさ」の構成要素はぶっちゃけ俺みたいな素人にはよくわからんです。バランス。バランスか。
海外産みたいな紅茶がのみたい、でも国産のなんか懐かしみのあるやつものみたいんだ、それ両方叶います、そう千代乃園さんならね!

賞とったやつのほかにもいくつか品種があるので、機会さえあれば実際のみくらべて試して選んでほしいです。緑茶も抜群においしい。福岡ですが、わりと都内のイベントにもきてくれるので、都市のオタクにも優しい茶園さんです。

現地には茶寮がありますので、お近くにお住まいの方はぜひ車をとばして訪ねてみるとよいでしょう。おれも行きたい。行きたい!!

まとめ 〜リンク集〜

紹介した茶園のオンラインショップにリンクします。

井村園オンラインショップ 

http://shop.imuraen.jp/

吉田茶園 オンラインショップ

千代乃園 オンラインショップ

いずれも通販で手軽に買えるんですが、人気のあるやつはわりとすぐソールドアウトしてるかも。
都市部のイベントに出店されることもよくあり、そちらはSNSなどで発信されるので、要チェックです。

追記

2020/01
Twitterのほうで存外にRTもらったんで、紹介しきらなかったやつをさらに追記つくりました!

こちらもどうぞよろしくです。まだまだいっぱいあるよ!