家族になるということ

かつて旅人であったレディオーレには、国内に身内と呼べる存在はいませんでした。一人で食事を取り、一人で眠りにつく日々。

そんなレディオーレでしたが、ダニエルと結婚して一人ではなくなりました。子どもを授かり、さらには新しく妹までできたのです。

義妹の名は、オルネラ・タナー。ダニエルと同じ金色の髪に、まん丸の瞳は透き通った湖面のようで、可愛らしい少女でした。

子どもの頃から成長を見守っていたオルネラちゃん。右往左往するレディオーレに、何かと話しかけてくれた義妹も淑女へと成長し……

ファエンツァ家に嫁入りします。

旦那様となるマルク君は山岳兵の長子。早くにご両親を亡くした彼は礼儀正しく、エナの子に選ばれるほどの人気者です。

二人は同じ学舎で学びながら、ゆっくりと愛を育み、今日を迎えました。この日を境に、オルネラちゃんも山岳兵として生きていくことになります。

参列しながら、感慨深いなと鼻を啜ります。この国に帰化して、長い年月が経ちました。ダニエルと結婚し、オルネラちゃんが義妹になって、あれよあれよという間に息子たちが成長し……

ダニエルに会いたくなっちゃったなあ。

それは私の台詞だね。