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リトルショップオブホラーズ観劇の感想

20203@シアタークリエ
シーモア 鈴木拡樹 
オードリー 妃海風

リトルショップオブホラーズがすごく楽しくて素敵な舞台だった。あの日の興奮を忘れたくなくて、急いで携帯にメモを取り、思うがままに感想を書き殴った。
あれから2週間経った今も、リトルショップオブホラーズが忘れられなくて、今は音楽の方を聞いて楽しんでいる。(今回の舞台と同じアレンジだと思われるブロードウェイ版を)

ミュージカルというものは中毒性があるんだろうか。あれから時は経っているのにまだまだリトショが観たいのだ。残念ながら地方公演は全て中止になってしまい、私も大阪遠征が無くなった。
リトショロスをこうした形で埋められるとは思わないが、本当に素敵な空間だったので、こちらに残す。
以下、書き殴りの感想文。

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オープニングからガッツリ惹き込まれた。
3人しかいないのに!3人娘のコーラスがキラキラしてて、幕が開けたという満足感が半端ない。なんだこの迫力!!これがミュージカル!これがミュージカルかぁっーーと早くも開始3分でゾワッと泣きそうになった。早い。

50年代のアメリカが舞台ということでオープニングから貧しい街を嘆くお歌(?)が流れる。
次々と歌い手が変わり、その人がこの街でどう過ごしてきたのか、人生の切れ端がなんとなく伝わる。お歌の雰囲気でスッと舞台背景を体感できちゃうところもミュージカルの良さなんだろうか。

オードリーの妃海さんの歌声が美しいったら美しい。なのにしゃべり出すと小鳥のような声で「ごめんなたい」とか言い出すから、ちょいと抜けてて可愛らしい。面白い。好き。

鈴木拡樹シーモアは本当にこのためのなで肩だったんじゃないかと思うくらいのシーモアっぷりで、マニアックで可愛いかった。お口と肩の下がり具合と背中の曲がり具合のバランスがチグハグ。それがシーモアのキャラクターなんだろう。ああ、絵で描きたい。上手く伝わらない。

オードリーが理想のおうちを歌う場面。3人娘との掛け合いがほのぼの可愛い。(基本的にオードリーがボケ倒して、3人から突っ込まれてる)
そこから待ってましたの3Dサングラスの登場。

満面の笑みでスーモアが芝刈り機を押しながら3Dでこっちにやってくるの、笑うでしょ!わざわざこのためのメガネか!笑うでしょ!さすがか!(メガネが割としっかりしてるからコスト掛かってそう!経費の使い方にも笑う!)
オードリーの理想のおうちの中にはサンタのスーモア。そしてベッドで寝て待ってるスーモア。(メガネかけて無いから顔がいいのがバレてる)
うん。これは特典映像!!やったね!嬉しい!

映像的には基本的に笑ってしまうのに、妃海さんオードリーのお歌がお綺麗で最後は切なくて(理想だけどそれは叶わない夢だから)この相反する感じがとても好き。笑いの中の悲しみは私の中ではチャップリンを思い出す。

オリン登場。濃い。オレ〜はデーンティースッ!は振りを含めても1回だけで脳みそにインプットされるくらいのインパクト。ああ面白い。つい面白さが先行してしまったけど、声のパワーが超越してて、もの凄い方々で周りを固めて下さった東宝さんの本気キャスティングも理解した。
ありがとう東宝さんっっっ!!!

それから、ムシュニクさんとのダンスがわたしはものすごく好きだ。
棒人間のように振り回されるシーモアが本当に細くてヒョロヒョロで巻き込まれていく感じ。途中でベストが肩からずり落ちて、さらに哀愁感じてすごく良かった。動きがコミカルでとにかく楽しい。こういうコミカル本気ダンス、どんどんやってほしい。好き。

狂気じみて行く過程も最高で、オードリーIIにのせられてパンクに振り乱していくシーモアの本気の弾けっぷりがすごい。足が早くて腰が浮いて見えた。運動量半端ない。(すごくどうでもいい話だが、すずきひろき氏は反復横跳びしたら早そう。)

そしてすぐに次の幕へ。
オリンの歯医者に行くのだが、もんのすごい汗。いやさっき、あんなに激しくパンクしてたからね。殺そうとしているから、冷や汗と思えばその汗もリアルに見えるかなと思ったけど、いや、それにしてもかきすぎだ!!笑
ありがたいことに前方席だったので、したたる玉の汗が見えた。ありがとう。ありがとう。

オードリーとの電話のシーン。掛け合いがすごく上手くハマってて楽しい。ハモリすっごく練習したんだろうなぁ。一人で歌い上げるシーンよりもハモリの方が堂々と歌えてた気がする。ハッと見つめ合うシーン。すごく素敵。

そしてそして、suddenly seymour だ。
私はセンターよりやや下手よりだったのだが……
えらいこっちゃのありがたみの極みなんだが、suddenly seymour が目の前で繰り広げられて、ちょっと待って、そんな私がsuddenly スーモアだよ!って心で叫びながら大変だった。
ラブラブなお2人のシーンが本当に目の前で繰り広げられて眼福でござった。幸福感のおかげで幸福感という記憶しか無い。脳内映像がポワンポワンだ。無理。

あ、思い出した。チューしそうで……おっおっ、はいーーっっといい角度で抱き合ってたね。安心セーフティー演出よ……。

オードリーがオードリーIIに食べられてしまってからのシーモアは男だった。男。なんなんだ色気。シーモアから色気がくるだなんて予想外だ。

最後、オードリーを抱き上げてオードリーIIに捧げてしまうシーン。あんなに細いのに女性を持ち上げられるんだね……って、ハッとしたよね。
後ろ姿はすごく悲壮だった。足が細いから余計に感じた。

そして、そこからの空虚な顔が忘れられない。死んだ目。舞台上で5歳は老けた。シワとかクマとかも操作出来るんじゃないの……(実際そう見えるくらいには本当に老けたのよ。虚無シーモア)
そして、それが色っぽい。すまん。

この物語の結末が、まさにコロナウィルスの蔓延と繋がってしまって……いやコレは話的にはゾッとする。
しかしながら、わざわざ3DメガネをかけさせてオードリーIIが飛び出してきて、これがまたチープでB級ホラーで素晴らしくて笑ってしまう!(褒めてる!)

あぁこんどは私たちも食べられてしまうのね……というメッセージは伝わった。人類はなんだかんだ生意気に生きてしまったのかもしれないね。(コロナを思い出して遠い目)

本当は怖いお話なのに、観終わった後ははちゃめちゃ笑顔になってしまう不思議な舞台。
あああ楽しかった。美味しいご飯をいっぱい食べたような満足幸福感。客席の拍手もみんな全力だよね。分かる。分かるぞーー!

東京千穐楽は2回目からスタオベ。カーテンコールは合計で4回だった。私、4回は初めて。

キャストの皆様の笑顔が本当に素敵だったのと、最後の最後に岸さんがスーモアに抱きついて、ズルい俺も〜みたいな感じで石井さんまでスーモアに抱きついてたのが可愛すぎた。キャストの皆様からも愛されてるね。良かった。良かった。
周りの方に愛されている姿を見られることが本当に嬉しい。

そしてカーテンコールのトーク。
細かくはうろ覚えなんだけど、世界が元気になったらまたお会いしましょうって言ってて……言葉選びが素晴らしくて、この人のファンになって良かったなぁと心底思った。
何事にもマイナスなことを言わない姿勢がこういうときにも貫かれていて、いつも言葉に芯がある。

本日は誠にありがとうございました!の「誠に」のところ、特に言葉を強く発していて……本当に心がこめられていて、ジーンとしてしまった。

わたしはたまたま2回観ることができたけれど、1度も観ることが出来なかった人がいる。そう思うと本当に残念でならない。いつの日になるか分からないけれど是非再演して欲しい。出来ることならば映像化して欲しい。

しかしながら、きっと今は中止になった公演の払い戻しや諸々の調整で本当に大変だろう。
とりあえず今はアンケートを出したりできることをして待つ。待つのは得意!!

東宝さんが動画の形でキャストさんからのメッセージを残してくれたこと本当にありがたかった。
最後まで心遣いをありがとう!ありがとう東宝さん!!
TO BE CONTINUEに期待!!

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