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タイ観光地の『二重価格』問題

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外国人は10倍も!タイ観光地の『二重価格』廃止を首相に提案
タイの観光地などへ行くと、タイ人と外国人の入場料金が違う『二重価格』が当たり前のように設定されています。多くがタイ人の入場料金は外国人が分からないようにタイ数字で書かれていて、外国人が二重価格を知って気を悪くしないように(?)なっています」
https://www.thaich.net/news/20200805vh.htm

・・・私見では、観光立国のタイが「外国人観光客」と「タイ人」で『差別価格』をとるのは合理的だと考えますが、日本人(特にタイで納税している人)からは「不公平」だという根強い批判があります。

ミクロ経済学の余剰分析により、代替案を模索してみました。

余剰分析

① 外国人・タイ人とも限界費用価格を提示
② 外国人・タイ人とも独占価格を提示
③~⑥ 外国人:独占価格を提示/タイ人:残余独占価格を提示
⑦~⑩ 外国人:独占価格を提示/タイ人:限界費用価格を提示

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Googleスプレッドシート:https://bit.ly/3CZ3LNz

 ↓

死荷重ゼロ:①,⑦
死荷重Max:②
生産者余剰Max:③
生産者余剰Min:①
消費者余剰Max:①
消費者余剰Min:②

⇒ 外国人には独占価格、タイ人には限界費用価格を提示することは、「生産者余剰+タイ人の消費者余剰」を最大化する上で、余剰分析的には全く合理的といえます。

【代替案A】観光税

マレーシアの観光税(1泊10RM=250円をホテルが徴収)は、『外国人価格』の有力な代替案です。同国の観光税は、外国人観光客にのみ課税され、「宿泊日数」に比例します。今後負担能力主義を強めるなら、「宿泊費」に比例させた課税も可能です。但し、再分配に手間がかかり、中抜きされる恐れもあります。

【代替案B】入国税

入国税も外国人価格の代替案となります。
但し、滞在日数に比例せず、再分配の手間もかかります。

⇒ 再分配の手間を考えると、タイで納税している者を除いて(ワークパーミット所持の有無で容易に識別可能)、現状どおり『外国人価格』を徴収するのが合理的と考えます。

但し、これまでのナイトスクールでの学びを最大限活かすとすれば、
✅WTPの高い外国人観光客(上位5%)が
✅自発的にたくさんのお金を落とす
ようなサービス開発(Ex. 各観光地での超VIP待遇)を行うのが理想的とは思います。

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