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伝説の美術漫画がついにKindle化

『ゼロ THE MAN OF THE CREATION』愛英史/里見桂(全78巻)

超人的贋作者ゼロを主人公にしたビジネスジャンプの長期連載作。「ダミーオスカー」からはじまって、「オークションハウス」、「ゴルゴ13」、「ブラックジャック」、「金田一少年の事件簿」、「Xファイル」、「インディ・ジョーンズ」と無節操にリミックスしまくった娯楽作です。美術品から、人間まで何でもコピーして、自分がつくった方が本物といいはるお茶目さんゼロ。絵画の贋作をつくるだけでも一生ものの大仕事のはずですが、ゼロは30そこそこにしかみえないのに、絵画、彫刻、工芸品から遺跡まで、何でもつくっちゃいます。しまいには「ロンギヌスの槍」や「古代の神の姿」までつくる始末。最初のうちは、全体的にいまいちで、こんなのがよく続いてるなという感じなのですが、途中から原作者も漫画家も調子をつかんできたのか、がぜん面白くなります。頑固に、一話完結形式を守り通しているため、全編、説明だらけの話がやたらあるのも愛嬌です。普通は、何週にも分けてやるような話を無理やり1話に押し込んでるんですからある意味、すごく贅沢な話です。作画担当の里見桂は「0の男」の作者で、手堅い画力の持ち主ですが、劇画とも漫画ともつかない中途半端な画風なので、本作もB級テイストに溢れてます。 超然としているようで、結局、人情話になってしまうのは、日本の長期連載作の特徴でしょうか。それにしても、ゼロって変な奴ですよね。話し方も変だし。専門的にみると、おかしい点はいくらでもあるのでしょうが、普通に読んでも十分におかしいよ! いくら過去の材料を手に入れたって、経年劣化の状況が違うんだから、同じものができるわけないよなー。依頼者が素直に全財産を払ってるのも凄い不思議だし。

✅01~40巻 既刊
✅41~60巻 2020年7月1日発売
✅61~78巻 未定


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