ウイルスについて簡単に説明するよ~
今ちまたで猛威を振るっている新型コロナウイルスですが、そもそもウイルスってなんぞや?って思った人いると思います。
なんかめっちゃ小さくて、生き物なのかどうかよく分からないけど感染したら危ないヤバイやつと言うふんわりしたイメージを持ってるのかなと思います。
と言うことで、ウイルスについて今分かっていることをかる~く説明します。
「生き物なの?」
結論から言うとよく分からない。
身も蓋もない話ですが、ウイルスが生物なのか無生物なのか今のところ曖昧なのです。
実は生物と無生物の境界は曖昧で、その曖昧にしている張本人がウイルスなんです。
まず生き物かどうかを判断するのに重要なコトを箇条書きするとこんな感じ。
・代謝を行う
・自己複製をする
・細胞で構成されている
・遺伝子を持っていること
代謝というのは新陳代謝の略で、エネルギーを使って生命活動を維持することです。
(→代謝についてもっと知りたい人は同化、異化、細胞呼吸について調べてみると面白いよ~)
自己複製は自分の遺伝子を受け継ぐものを自分で生み出せること。
(→セントラルドグマって言葉を調べるとさらに面白いかも)
ウイルスに似た感じの細菌と比べてみます。
細菌の特徴
・細胞で構成されている
・自分のDNAを自分で合成して、細胞分裂して増殖できる
ウイルスの特徴
・細胞で構成されていない
・増殖は細胞に寄生してやる、ついでにDNAも合成してもらう
こうしてみるとウイルスは一応DNAを持ってるけど、自分で増えることはできない
そもそも細胞で構成されてない…
曖昧なのも頷けると思います。
「生物学ではウイルスは無生物」
実をいうと、生物学ではウイルスは生物として扱われていません。
ウイルスが、生物学で生物とされない最大の理由は、「細胞」という構造を持たないからなんです。
上記のウイルスと細菌の比較を見ると、そもそも生物にとって必要な代謝は、細胞がないとできないのにウイルスは細胞自体がないから生物としてみなすことはできない。
生き物は細胞という構造のおかげで増殖、代謝ができます。
ウイルスはキャプシドというタンパク質でできた殻の中に遺伝子(ウイルス核酸)が丸ごと泳いでいます。(→キャプシドはキャプソメアというたんぱく質の集合だったりします)
しかも、ほかの細胞に寄生しないと増えることはできないとなると「ウイルスは生物ではない」という生物学の見解も間違ってないのかなぁ…と思いますよね?
「巨大なウイルスの発見」
2003年に発見されたミミウイルス等の巨大ウイルスのおかげで生物学の常識が揺らぎました。これまで知られていたウイルスの大半が、生物と比べると非常に単純な姿・形で、遺伝子も数個から十個程度で構成されています。
しかし、巨大ウイルスは遺伝子数が約2500個と、生物と無生物が逆転してしまいそうな数です。そこらへんの細菌と同じくらいの遺伝子数をもつウイルスもいるし、数個程度の遺伝子をもつウイルスもいる。
同様に、細胞を持つ生物も遺伝子の数は千差万別です。
細胞を持っているものを生物として考えるのは可能だと思いますが、ウイルスを単なる病原体と考えられるかというとちょっと違うのかな~って。
ウイルスはそこらにいる細菌とさほど変わらない数の遺伝子を持つようになるまで複雑化し、進化している存在なんです。
こういう広い意味でウイルスは生物かといわれると「よくわからない」が最適解なんじゃないかな。
ちなみにコロナウイルスというのは見た目が太陽のコロナに似ているのが名前の由来だとか(→コロナに見えるところはエンベロープ。RNAウイルス、レトロウイルスを調べてみるといいぞ)
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