匂わせについて

久しぶりにnoteを書いてみようと思う。
ここ半年ばかりいろんなことがあり(自分は見ているだけだが)他の界隈でもSNSでの匂わせ行為に辟易している人たちを見かけた。私はいま、匂わせをされて腹を立てられるほど大切に想っている人間はいないから今しか書けないものにはなるだろう。ちょっとだけ楽しみだ。

まずはじめに「SNSでの匂わせ行為」とはなにか?
それは主に「自分は大切にされています」「私ってすごいでしょ」という他人への優越感や自分自身の有能感を「はっきり」とは言わずそれとなく醸す行為である。尊敬すら集める正の自己アピール力とヘイトを集める匂わせ行為の線引きはまだ明確ではないが強いて言うならば「自分は大切にされています」の前に「あなたと違って」がくるかこないか、「私ってすごいでしょ」のあとに「あなたとは違うのよ」がくるかこないか、の差であり特定の人間或いは不特定多数の人間に対して劣等感を煽るつもりでやっているかどうかではないかと思っている。要するに自立したプライドが「自己アピール」であり敵が反応しないと成立しない人に依存したマウントが「匂わせ」なのである。
SNSでの匂わせ行為は私の観測しているところだとだいたい流れは一緒で

AさんがBさんのことを好きだと公言していたり付き合っていたり、或いは結婚していたりする。

それを知っているCさんがAさんの見えるところでBさんと仲良くしているかのような投稿をする(ここが大切にされていますアピールですね)  

それを見たAさんが怒る 

Cさんが「私は何も悪いことしてないのにAさん怒ってる怖いぴえん。機嫌が悪いのかなァ。はやく元気になるといいね」

BさんがCさんのことを「人の心配までしてなんていい人なんだ」と言い出す。

どこもだいたいこんな感じである。
ここまで読んで心当たりのある方たちにはご共感頂けるかと思うがまだよくわからない方たちも少なからず存在すると思う。なぜならばそれは人間に対する好意だとか愛情といったものに重きを置いていないからだ。それはもうその人のサガだから仕方がない。パンしか食べたことない人間に米の味はわからない、そういうものだ。だがしかしそういった方たちにも「匂わせ行為」に対する感情を追体験して頂きたい。なぜならば「共感」することも物語や文章を読む醍醐味のひとつであろうから。せっかくなので醍醐味を味わって頂けるよう尽力致します。  
上に記述した匂わせ行為は「愛情」に対するものなので「愛情」を「仕事」に置き換えて考えてみよう。
想像してみてほしい。
あなたはギスギスでもない馴れ合いでもない職場で一生懸命に働いている。職場のため、そして自分の昇進や成長、お金のために頑張っている華やかさはないし陰キャよりだけど地道に根気よく頑張ることならできたから一生懸命に仕事をした。そんなあなたの職場にあなたとそこまで年齢の変わらない同僚がいるとする。その同僚は学生時代にスポーツをやっていてガタイが良く大雑把で話す声が大きくて「困ったことがあったらなんでも相談しろよ」と大きく笑って肩を叩いてくるようなリアクションが大きい兄貴肌な人だ。あなた自身もそんな同僚のことを「自分はあんな風になれないなぁ、すごいなぁ」と劣等感を感じることはあったのかもしれない。でも自分は自分だと地道に根気よくやってきた。
あるときに普段はあまり職場に顔を出さない人事部の上司がやってきたとする。あなたが同僚に丸投げされた仕事を文句も言わないあなたが完遂し、それが同僚の机の上においてある。人事部の上司がそれを見てこう言った。
「これすごいな。本社で展開したい。これやったの誰?」
その瞬間同僚は屈託なくこう言った
「それは僕です」
思わず同僚を凝視すると上司に見えないところでやんちゃそうな笑顔で手を合わせてスミマセンのジェスチャーをしている。あなたは内心腸が煮えくり返りそうだがこの場で事を荒立てるほど子どもではないから大人の振る舞いでその場を納めた。そのあとであなたは同僚に怒った。
「あれは俺のやった仕事なのに自分がやったように言うのはひどいだろう」 
当然の怒りだ。だってあなたが地道に働いている間、同僚はなにもせずに「頼れる兄貴肌」の雰囲気だけで有能感を出していただけのその実なにもやっていなかっただけの男なのだから。きっと昇進や昇給にも影響が出る。あなたの怒りに対して同僚はなおも笑って言う。
「なんだおまえ器が小せぇな」
その瞬間、あなたは頭の中で検索エンジン開いて殺し屋を検索しているだろう。そのときの「感情」そのあとに同僚が他の社員に「あいつ今日不機嫌だわ〜。なんかあったのかな、なんか聞いてない?」と心配している顔で聞いていたときの「感情」そのあとに女子社員が「(同僚)さんって頼りになりそうでいいですよね」と言ってきたときの「感情」、いろいろ言いたいことはあっても噛み殺して「いやそこまで頼りにはならないよ」という言葉を出したときに「嫉妬ですか?笑」と言われたときの「感情」
その感情が「匂わせ行為」をされたAさんの感情に近いと考えてくれたらいいだろう。私も書いていて架空の同僚に腹が立ってきた。なんだこいつゴルゴを雇おう。 

匂わせ行為は愛情を踏みにじる行為だろうからその愛情を「仕事」に置き換えてAさんの怒りとBさんの的外れ感、Cさんの脳汁ブシャブシャ具合を表現したらこんな感じだと思う。

話を戻すがそういった匂わせをする方について個人的な感想だとひとつの投稿に自分の優位性となおかつそれをひけらかさず醸し出す、いざというときに言い逃れできる技術力は正直「2020年代におけるしょうもない文化展」とかが100年後とかにあったら展示してほしい。観覧に来た人たちみんなびっくりする。「これってそういう意味なんだすごいな昔の人は」ってなりそう。でも自分のテリトリーに関係があったらゴルゴを雇う。そういうことだ。私に無関係の男女が「匂わせ行為を働く人」や「業績かっさらう人」に対して好意を抱いていても目を逸らして「あー個人の自由だしね」と言うが友達やそれなりに親しい間柄相手だと「やめときな。しょーもないから」と忠告はする。いつか傷つくのわかってるし泣きは見たくないからよ。

Cさんにしろ同僚にしろひとつだけ言えるのは「本人の力の無さには向き合っていない」という部分だ。匂わせをしても本当は大切な存在にはなりきれていないことを知っている。人の手柄を奪っても自分の中に経験の蓄積がないことを知っている。やればやるほど自分の中身の薄さが顕著になっていくのにやめられない止まらない。人を怒らせた上に最後に自分が聖人のように心配し優しくするのがたまらない。自分と向き合ったらそんな辛さからは抜け出せると思うよファイトッ。


すべての人が他人を故意に傷つけない程度には強くありますように。










 




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