身体能力の重要性

ジュニア期のあるスポーツで
〝徹底した競技指導〟として有名な〝Aスクール〟

競技に対して真摯に取り組む姿勢
徹底された基本プレー
習慣化されたセオリー
そこから生み出される連携

大人顔負け。非の打ち所がない子どもたち。

ところが、、、

そんなチームが『あっさり打ち負かされる。』

よくある話だ。

さらに、

そのチームが〝競技ほぼシロートの新興チーム〟である〝Bスクール〟だった。

ジュニア期には特にあり得る話だ。

では、なぜそんな事件ともいえる波乱が起こるのか。

「圧倒的な身体能力の差」

どのチームにも身体能力の高い選手はいる。

そして、身体能力の高い選手がチームの中心となり、練習ではお手本とされ、試合では頼りにされる。
徹底した指導も広くチーム内に行き渡る。

合理的なチームになる。

では何故綻ぶのか。

それは「身体能力の高い選手」がそのチームの〝上限〟になっているからだと、私は考える。

皆が〝チームのエース〟を指針とし、成長。試合では〝絶対的存在〟としていてくれるからこそ他はノビノビとプレーできる。
それは、表現を変えれば、皆の目線が〝チームの中心〟に向いているということに他ならない。心の奥底で勝手に〝上限〟にしているのだ。

そんなチームが、〝能力軍団〟を前にすると、持てる技術では負けるハズもないのだが、どこか受け身になってしまう。
無理もない。相手は全員自分達の〝上限〟なのだから。

この後の展開は容易に想像がつく。

パニックを起こしたモブ達。
それを見て〝なんとかしなければ〟と絶対的エースが1人奮闘する。
突然始まるエースの個人技に周囲の連携は少しずつ形を変え、次第に監督が動き出す。

一方『能力軍団達』はどうだろうか。
持ち前の身体能力で、試合を形作る。相手が基礎の徹底された教科書のようなチームのため、試合中に学び即実践する。相手への興味、競技への興味、そして勝つ事への欲から、試合を楽しみ必要な連携をその場の発想で展開する。

〝Aスクール〟が補いきれていないコンプレックスのような「身体能力の差」と「内部からの崩壊」に対して

〝Bスクール〟が持つ「身体能力の利」と「試合で成長」という特徴が

逆転現象を生み出すのであろう。と、考える。

極端な例ではあるが、的外れではないと思う。

なぜなら、「徹底された競技指導」を受けて育ったある競技に対して抜群の能力を発揮するのに対して、他競技に関してはまったく身体が動かない。のはよくある話だ。
事実、体育大学に通っていた私の同級生で何人も見てきた。

さらに指導者時代、競技指導能力の低い(年齢的にも)私が、決勝まで勝ち上がれたのは、紛れもなく選手の大半が「高い身体能力を持った」能力軍団だったからだ。

今は小学生を指導しているが、ノビノビ競技に取り組んで、競技を通じて〝身体能力形成〟をしてほしいと思っている。

可能性の塊である年齢期に取り組んだスポーツのせいで今後の可能性を潰して欲しくない。

逆に取り組んだスポーツの〝おかげ〟で別の競技にも生かすことができた!となってくれればこの上ない幸せである。

後述するが、「徹底した競技指導」の否定ではない。

同じくらい〝能力開発〟に力を入れて欲しい。

と、親目線では思う。

バランスをとりながら子どもにとって良い環境を作り上げていくことが、親としてコーチとしての役割だと考える。

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