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沼商屋&ポスター展(沼津商業高等学校における産官学連携)


沼商屋(ぬましょっぷ)

それではまず、沼商屋とはどのような取組か教えてください。

 昨年度までは3年生の販売実習という形で取り組んでいましたが、今年度からは体制を変え、会社組織のようになりました。社長や副社長、部長の下、企画運営をしていき、特色を出したイベントのような形で沼商屋に取り組んでいく予定です。これまでの沼商屋はイベント要素が少なく、販売実習という授業の側面が大きく出ていたと思います。そのため、先生から指示があって動いており、生徒やお客さんたちが楽しむという意識があまりありませんでした。
 企業理念にも掲げ、「地元を笑顔に」をモットーに活動し、自分たちの手でしっかりと企画運営を行っていきます。そして、生徒が沼商屋自体を楽しみ、お客様や関わってくださった方々みんなが笑顔になるようにしていきたいと思っています。

取材の様子(左から岡田さん、園田さん、比護さん)

連携していく企業の方は昨年度と変わりますか。

 現在はまだ検討中ですが、昨年度とは少し変わる予定です。これまではずっと連携してきた企業様とやりとりをさせていただいていたんですが、今年は企業訪問などを通して、私たち自身で連携してくださる企業を選定していきたいと考えています。

企業訪問していく企業はどのように決めているのでしょうか。

 生徒同士で話し合って、地元にこういう企業があるからちょっと行ってみようよ、という形で、お互いにアイデアや意見を出し合いながら決めています。

沼商屋に関わっている生徒さんは何名ぐらいでしょうか。

 32人です。32人を4つの部署、経営企画部・マーケティングリサーチ部・プロモーション事業部・財務管理部に分けて活動しています。各部から一人ずつ出してチームを作り、そのチームごとに企業訪問等をしています。

今の活動状況はどのような段階でしょうか。

 企業訪問をしながらアンケート調査をしています。訪問予定の企業様が20社ぐらいありますが、現時点でほぼほぼ伺うことができていて、あと数社というところです。このアンケート調査が終わったら、次は実際に企業の選定に移っていき、おおよそ16社にまで絞っていきたいと考えています。

社長に選ぶ際に園田さんと岡田さんが立候補されたと聞きましたが、その時の思いを教えてもらっていいですか。

【園田さん】
 一番は外部の方とのつながりや関わりに特に力を入れて活動していきたいと思っています。それと同時に、今年体制が変わるということで、素敵な沼商屋を作るために先陣を切って頑張りたいという思いがあって立候補しました。

【岡田さん】
 私は園田さんとは違い前を行く社長という形ではなくて、みんなと力を合わせて一緒に頑張っていきたいという思いで立候補しました。社長という立場なので全面に出ることになると思いましたが、私だけで引っ張っていくのではなく、みんなと一緒に沼商屋を作り上げていきたいという思いでいます。

前日に行われた決起会の様子

最後に沼商屋に対する思いを教えてください。

【園田さん】
 私はずっとこの沼商屋という授業に憧れてこの学校に入学しました。昨年度までと少し体制が変わって大変な部分もありますが、お客様や関わっている方々が楽しんで地元が盛り上がる、そんな素敵なイベントを作るために、今精一杯頑張って素敵な沼商屋を開けるように頑張っていきたいと思っています。

【岡田さん】
 私も園田さんと同じように、沼商屋に憧れて沼津商業高校に入学したので、沼商屋という存在は1年生のころから大きいものでした。コースの選択の時にもマーケティングコースに入りたいという思いで選びました。そしていざ、今年3年生になり沼商屋を実際にやる年になって思うのは、来てくれるお客様はもちろんのこと、協力してくれる企業様や沼商屋を運営する生徒たち全員が楽しんで喜べるイベントにしていければいいなと思います。

【比護さん】
 私も基本的な思いは2人と重なりますが、今回のテーマが「商品と商品で人を繋ぐ」とのことで、私はそこを重視していきたいと思っています。沼津商業高校の生徒として生活していると、企業と沼津商業高校のつながりというのは実感しています。しかし、沼津商業高校と地元の方、企業と地元の方というつながりがあまり実感できていません。なので、沼商屋を通して、こういったつながりを作っていき、地元をより豊かにしていきたいと思っています。

取材に対応していただきありがとうございました!

沼商×清水町 ポスター展

それではまず、このポスター展という取組がどのようなものか教えてください。

 それぞれ自身が選んだお店のポスターを、実際にお店の方と話し合ったり取材をしたりしながらどのように作っていくのかを決めていき、それをサントムーン柿田川に展示しました。そしてQRコードでどれが一番人気のあるポスターなのかを投票により決めるという取組です。

取材の様子(左から杉山さん、平田さん、土方さん)

ポスターにする企業はどのように決めているのでしょうか。

 元々は清水町内のお店を自分で探して、ポスターづくりの許可や取材など諸々全てを自分たちで行っていました。ただ、昨年度は清水町さんから相談があり、サントムーン柿田川にテナントとして出店している企業さんに絞ったポスターも作成しました。

皆さんがポスターを作成したお店とそのお店の良さを教えてください。

【杉山さん】
 私は竹茗堂茶店さんのポスターを作成しました。静岡はやはりお茶が有名だと思いますが、最近はペットボトルのお茶がはやっていて、急須で入れることが少なくなっていると思います。竹茗堂茶店さんはそのことに危機感を覚え、まずお茶を飲む機会を増やす取組を始められています。例えば、お茶を飲む機会が少ない世代でも飲みやすい苦みが少ない茶葉を販売したりして、お茶を身近に感じられるようにしています。

【平田さん】
 私はサニーズ・カフェさんのポスターを作成しました。サニーズ・カフェさんはフードコートにお店を構えており、クレープやドリンクのメニューが豊富です。さらに、クレープはトッピングの種類も考えると何十種類もバリエーションがあるところが強みです。また、甘いクレープだけでなくハムエッグやツナコーンなどしょっぱい味のクレープもあるので、昼食や夕食など家族や友達と楽しい時間が過ごせるお店です。

【土方さん】
 私は作成したのはコンシェルジュペットショップAdAMさんです。こちらはペットショップと名前がついていますが生体販売を行っておらず、ペットフードとか服、グッズ販売やトリミングを主に行っています。取材に行ったときに、飼っているワンちゃんの状態や様子にあわせて、ペットフードや服をお勧めしているという話を聞き、ワンちゃんと飼い主さんにすごく寄り添ってくれているお店だなと感じました。

皆さんがそのお店を選んだ理由を教えてください。

【杉山さん】
 私の祖父が昔から急須でお茶を入れる習慣があり、小さい頃から私にとってお茶というものが結構身近な存在だったので、竹茗堂茶店さんを選びました。

【平田さん】
 私は元々甘いものが大好きで日常的によく食べていることが一番の理由です。また、高校の近くに最近クレープ屋ができて、ちょうどそのタイミングでポスター展のお店を選ぶことになったので、これはもう自分がやるしか無いと思いました。

【土方さん】
 私はワンちゃんが元々好きだと言うことと、トリミングを行っているという点で、トリマーという仕事にも興味があったので、コンシェルジュペットショップAdAMさんを選びました。

皆さん3年生ということでこれまで沼津商業高校の生徒として、マーケティングや簿記など様々な授業を受けてきていると思います。これまでの授業の知識はポスター展にどのように生かせそうですか。

【杉山さん】
 授業では、常に全体を通して消費者目線に立つという考え方を学んでいます。そういった考え方をしっかりとポスター作成に生かすようにしています。

【平田さん】
 授業では同じようにお客さまが欲しいと思うようなものを作るということを学んでいたため、私は私自身が作りたいポスターを作るのではなく、このポスターを見て、お客さまが欲しいと思えるような、興味を持ってもらえるようなポスターを作るように意識しました。そのため、まずサニーズ・カフェさんと言えばクレープだということで、クレープの画像をどーんと出して、デザートを連想させるような黄色や茶色といった色を基調にして作りました。

【土方さん】
 コンシェルジュペットショップAdAMさんに取材に行ったときに、伝えたいことがたくさんあったり、トリマーという仕事が勘違いされやすく怖がられてしまったりという話を聞きました。そういった思いやこうして欲しいという依頼をしっかりとポスターに反映させて、最終的には相手目線に立つということにつながりますが、そういったことを意識して作成しました。

最後に、今年の意気込みを教えていただいていいですか。

【杉山さん】
 去年のポスターで投票していただいたときにたくさん方々からコメントをいただきました。匿名なのでどのポスターに対するコメントなのかは分かりませんが、あの商品を買ってみたくなったとかこの商品が欲しくなったというコメントがありました。私もそういったコメントがもらえるようなポスターを作っていきたいです。

【平田さん】
 去年は最初のポスター案をお店の人に見てもらったときに、こうして欲しいというアドバイスが用紙2、3枚になってしまったので、今年はしっかりとお店の人の要望を受け止めて、自分が表現できる方法とうまく組み合わせていきたいと思います。

【土方さん】
 去年はいただいたコメントの中でワンちゃんへの温かさが伝わったというコメントをいただくことができたので、今年も伝えたい思いがしっかりと伝わるポスターにしたいと言うことと、昨年は他の人のポスターのインパクトに負けてしまっていたところもあるので、しっかりと存在感をもったポスターが作れるといいなと思っています。

取材に対応いただきありがとうございました!