マガジンのカバー画像

【十二国記 感想】①〜

13
十二国記シリーズ全部読んだ上で、感じたこと考えたことを書いています。特に天ついて、考え出したら止まりません。
運営しているクリエイター

#読書感想文

【十二国記 感想】 「白銀の壚 玄の月】に描かれたもの

#読書の秋2020 のための改稿 ネタバレあり 18年待ち続けた「十二国記」最新刊。発売から半年ほどたってやっと書けたものだ。それからさらに半年ほど過ぎて読み返してみると、興奮が醒めやらぬ感じでテンション高めだ。続き物の感想の一記事なので、別の前書きがあったがそれは削った。そのため始まりは少し唐突な感じになったが、書いた当時の気配を消さぬよう、最小限の手直しだけした。 十二国記「白銀の壚 玄の月」に描かれたもの 物語の縦糸と横糸まず、縦糸。これはもう、泰麒と李斎が戴国及

「十二国記」王様妄想、反省の書

先日私は、「十二国記」の予告されている短編集が待ち遠しすぎて布団の中で妄想フェーズに入り、十二国記の中の王様になってみたという中学二年生のような記事を書きました。 「十二国記」の王に おれはなる! とか言ってました。 この記事の中で私は、登極した直後は王がいない間に好き勝手をしていた悪辣家臣どもに手を焼くので、そいつらを紙切れ一枚で国官の地位と仙籍から除くことはできないだろうかという、お手軽人事整理を思いついたのでした。 詳しくは上の記事を読んで下さい。 それから一週間

「十二国記」妄想、再び発症 王座に登ってみた

「十二国記」の成分が足りないのです。 ちょうど2年前、2019年秋に出た最新刊の興奮もろもろを黙っておけずにnoteを始め、10を超える記事を書いたところで一応気が済んでいたのですが、そろそろもう我慢ができません。 もう「十二国記シリーズ」が出版されないと引導が渡されているならともかく、短編集が出ると予告されてそろそろ3年・・・前回18年待ったことを思えばまだまだですが、それでも待ち遠しさが募ってきました。 19年の最新刊購入時のプレゼントである短編1篇を先行で読めるサイト

【十二国記 感想】⑩ 短編「幽冥の岸」を読んで

李斎の心象風景は、いつも戴の厳冬の風景だ。 人々の暮らしを閉ざす白い吹雪。 荒れ果てた茶色の土地。 焼かれた家々や枯れた里木の黒。 その李斎が王と麒麟を国に取り戻し、泰麒を蓬山に託し、帰路の途中に報告に寄った慶で陽子主従に温かく迎えられ、そして桂桂に飛燕を亡くしたことを労わられ、彼女は初めて、意図せず、自分に悲しむことを許した。 初めて見も知らぬ景王を訪ねたときに李斎が目にした色、また今回の再訪で再び目に入ってきた慶国の国土の色・・・雲海を透かして見える翡翠のような翠、

【十二国記 感想】⑤ 「白銀の壚 玄の月】に描かれたもの

ネタバレあります  粘着質な性格の故、天にばかり気を取られています。大局観はないんか?と、自分に言いたい。  そこで、タイトルに挙げた本書をどう感じたか書いておこうと思います。これだけ楽しませてもらって、それが筋というものです。  発刊からそろそろ半年、今さらかもしれませんが自分自身の言葉で、自分の感じたことを書きます。 物語の縦糸と横糸 まず、縦糸。これはもう、泰麒と李斎が戴国及び驍宗を救う道のり。  これがなければ始まりません。初読では、4巻目の残りページの厚さが5

【十二国記感想】① 天の仕組みを暴いてほしかった!

ネタバレあります  最新刊が出そろって4ヵ月弱。4冊を3回読み直して、勢い余ってそれまで手を出さなかったアニメまで見てしまいました。  けれどもまずは最新刊が出るまで。 「麒麟通信」の更新情報を求めて、ボタンがすり減るほど?ポチりながら、「黄昏の岸 暁の天」の続きがどうなるのか妄想に妄想を重ねました。当然ですね。(以下待ち遠しさのあまりつもりに積もった大外れの妄想が、今さらながら書き連ねてあります。さらっと笑ってやってください。)    "とにかく泰麒にはもう少し