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【十二国記 感想】①〜

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十二国記シリーズ全部読んだ上で、感じたこと考えたことを書いています。特に天ついて、考え出したら止まりません。
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2020年4月の記事一覧

【十二国記 感想】⑧ 妄想 十二国記世界裏設定

 以前、麒麟通信だと思うのですが、新刊(白銀の壚 玄の月)発表を記念して、作者小野不由美先生の過去のインタビューを期間限定で読むことができました。(「波」に掲載された記事だとうろ覚え。ネットではもう読めません。)  その中で小野先生は、《この十二国記の世界は「魔性の子」の裏設定として作り上げたもの。その世界を舞台に書いてみたくて「月の影 影の海」が生まれた。》といったことをおっしゃっていたと思います。  結構しっかりした設定をなさっていた様子。だからこそ十二国記シリーズがこ

【十二国記 感想】⑦ 王は「神」ではないということ

ネタバレあります  OH MY GOD! などと寒いダジャレを思わず放つようなタイトルですが、そもそも十二国記の「神籍」「神獣」という言葉が曲者です。  それ以外「神」という言葉はそれほど出てこない気がします。麒麟を通じて王を選ぶのは「天」です。天勅を王と麒麟に授ける儀式で最初に刻まれる世の始まりにも、「天帝」が乱れた世を憂いてリセットし、「条理をもって天地を創世し綱紀をもってこれを開かん」とあります。  十二国記の頂点にあるのは、天もしくは天帝。神という言葉はあまり出て