事の経緯と正義感の暴走〜ニカ選手の処分を巡って〜
○事の経緯
ことの発端は島根公式がインスタのストーリーにあげた動画に、ニカ選手の暴力行為と受け止められかねない行為が映っていたことだ。
(公式はすぐに当該動画を消したと思われる)
(暴力行為の内容を大雑把に言うと、ニカ選手が肘から腕辺りで高島選手の胸辺りを小突いたような感じ)
それをとある島根ブースターがTwitter上に無断転載(そのブースターは暴力行為を晒す意図はなく、ただ単に転載しただけ)
(まぁ要するに本当の敵は味方の中にいたわけね。笑)
それを宇都宮ブースターと思われる人々が試合後にTwitter上で拡散したことで一気に問題となった。
○私の見解と多くの疑念
まず、今回のニカ選手の行為は良くないことだ。
試合中に冷静さを欠いてあのようなプレーをすると、アンスポやディスクォリファイングファウル(以下DQ)をコールされる可能性が大いにあるからだ。
そうなればチームに多大な迷惑をかける。
事実、ニカ選手は今季の琉球戦Game1で暴力行為によりDQを宣告されている。(後に罰金と一試合の出場停止処分を受けた)
しかし、その琉球戦のときと今回の件は全く性質が異なる。
琉球戦
今回
では、なぜ今回、試合後に処分が下ったのか。
ここに多くの疑念があるわけである。
なんならここにしか論点はない。
前提として、Bリーグ公式が処分に至ったプロセスを公開していないから、私が何を言おうとそれは想像でしかないということは理解いただきたい。
事の経緯を追うと、今回試合後に処分された最大の理由は、
「SNSで炎上したために、火消しのために処分に動かざるを得なかったから」という結論が容易に考えられる。
まず、これが事実だとしたら大問題である。
公正な基準をもって物事を判断するためにルールというものがある。
それにも関わらず、試合中に一切問題とならなかった行為が、SNSで炎上したからという曖昧な基準によって裁かれているからだ。
もしくは、BリーグにはSNSで炎上した行為は処分しようというルールがあるのかもね(皮肉)
試合後に処分した理由が「SNSで炎上したからだ」というものでなかったとしても、まだ疑念は残る。
それは、仮にあの行為が試合中にファール判定されたら、それはアンスポ止まりだったのでは?ということである。
つまり、試合後に処分されたことで罰が重たくなってないか?ということだ。
この疑問については、ひさもとさんが分かりやすくまとめてくれている。
つまり試合後に、試合結果にも影響を及ぼすようなレフェリングにBリーグが介入しているのである。
これが許されて良いのだろうか?
○正義感の暴走
今回のBリーグ側の最大の罪は、
「今後、SNSで炎上させれば、たとえ試合後であったとしても選手に処分を下すことが出来る」
と多くの人が誤解しかねない行動をとったことである。
つまり試合中に審判がスルーした行為であったとしても、ブースターが試合後にSNSで炎上させれば、当該選手を出場停止に追い込めてしまう可能性があるということだ。
そうなれば、ブースター同士が揚げ足取り合戦をするような事態にも発展しかねない。歪んだ正義の暴走だ。
また、過度な処分は選手を萎縮させ、競技性を度外視した異常なまでにクリーンなくそつまらないバスケが展開されかねない。
もうそれはバスケではない何かだ。
(バスケはコンタクトスポーツだからね)
今回の件で、自身の正義感を暴走させた人たちは、同時に自分たちの首も絞めているということに気づかなければならない。
この問題には多くの疑問が残り、誰も得しない形で決着がついている。
Bリーグにはしっかりと透明性をもった説明をしてもらいたい。
それすらもできないような組織が新B1構想を掲げるなんて100年早いよ。
○最後に
SNSで選手に誹謗中傷を躊躇いもなくしている人が未だに大勢いるが、今はIPアドレス開示請求なんて簡単に出来るからな。何も考えずに言ったその一言が自分の人生を狂わすぞ。
何か不満があるときに、それを暴力的な言葉でしか表現できないのは子供じみてる。語彙力があれば適切な表現はいくらでも見つかるはずだ。
○追記
①この行為に厳罰を求める声があったがそれはあり得ない。
なぜなら、この暴力行為は危険度が高いとは言えないからだ。
仮にこの行為に厳罰が課されるのであれば、ギャビン選手が信州戦において岡田選手に対して肘打ちをした行為は永久追放レベルになってしまう。あの肘打ちは脳震盪を誘発させ、選手生命を脅かしかねない行為だからだ。しかも、過去にも同様のことをしている。
(実際には罰金と一試合の出場停止となっている)
両者を比べたときに、ニカ選手の行為に今回の懲罰以上のことが課されるはずがない。
②過去の例を引き合いに出し、今回のBリーグの処分の妥当性を唱えるものがいるが、それには納得しかねる。
今回の件と過去の事例で決定的に異なるのは、今回はニカ選手の行為が
試合中に全く問題にならなかったことだ。
上述のギャビン選手の行為には審判が試合中にファウルをコールしているし、その他の行為でも審判がたとえ笛を吹かなかったとしても、暴力行為を受けた選手が倒れ込む等のリアクションがある。
今回は本当に何もなかった。
それがまかり通るなら、例えばバンプをする行為は試合中に問題にならなくても、試合後に暴力行為と認定され、処罰されても仕方がないということになる。バスケにおける正当なプレーが暴力行為となってしまう可能性がある。
それならば2021-2022シーズン、宇都宮対島根game2において、宇都宮の荒谷選手が必要以上に腕を突き出しながらバンプをして、金丸選手が吹き飛んだということがあった。では、これはなぜ暴力行為とはならなかったのだろうか?
色々とおかしな話がまかり通ってしまっている。
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