島根:オフの振り返りと今季の展望


●おことわり

毎度のことながら長文なのでテキトーに読んでください。

誤字脱字はお許しください。

●オフの振り返り

今オフの島根の補強ポイントがどこであったのかは、私が以前書いた下記のnoteを参考にしていただきたい。

一言で補強ポイントをまとめるならば、

1.サイズのある日本人ウイング
2.ハンドラー

この根底には昨季過度な負担がかかっていた安藤・ビュフォード選手の負担軽減という意図がある。

(余談だが、その点を踏まえて自分の中での理想の補強があった。

前田(信州→A千葉)
小澤(京都→横浜EX)
相原(香川→佐賀)

島根がもうワンステップ上に行くこと・資金面・人気・実力・将来性を考えたときに、これがベストだと今でも思っている。)

実際の島根の動向を見てみる。

・島根:23-24シーズンロスター

・ハンドラー
ペリンビュフォード
安藤誓哉
津山尚大
北川弘
大橋大空 new

・ウイング(3&D)
白濱僚祐
晴山ケビン new
ワイリー光希スカイ new

・ビッグマン
谷口大智
ニックケイ
ウィリアムスニカ
ハッサンマーティンnew

out
阿部諒
後藤翔平
リードトラビス

○まず即戦力となることが求められる補強として、晴山選手とワイリー選手を獲得。

・晴山選手
晴山選手は典型的な3&Dの選手。昨季の3Pt確率は37%台を記録するなど高いシュート力を持っている。

彼のDFについて私はあまり知らないのだが、公開練習での様子を見たときの印象として身体が大きく、これは外国籍SFと対峙してもフィジカル負けしないような良い選手だろうなと思った。

3枠目の外国籍選手として、マーティン選手が新たに加わった。

・マーティン選手
マーティン選手は、3pt主体の島根の中では珍しく3ptを打てない選手なのだが、身体能力がバケモンでアジリティもあるし、インサイドでフィジカル勝負できる。リバウンドも強いし、しかも縦にめちゃくちゃ速い。

琉球のダーラム選手のような選手と誰かが言っていたのだが、それが一番腑に落ちる。

この2人の獲得によってDF力と3Pt力が大きく向上しており、昨季の島根のスタイルを踏襲するにはもってこいの補強だと言える。

○島根はさらにルーキーの大橋選手ワイリー選手を獲得した。

ここが議論の余地が多分にあると思うのだが、正直に言うと私はこの2人はどれくらい戦力になるのかが全くもって分からない。

当然、2人のプレー映像は見たのだが、実際にBリーグのレベルでどの程度通用するのかは分からないとしか言いようがない。

ただ2人がプレータイムを獲得するにはそれぞれ次のようなことが求められると思う。

・大橋選手
まずは大橋選手は彼と同じスピード系PGに対して、べったりマークにつくことが1番重要。(スピード系PGとは富樫選手や河村選手のような選手。)

今は安藤選手や津山選手では対応しきれていないのが現状だ。(そういう時は、ビュフォード選手が相手のPGを守るプレスイッチを採用することが多い。)

そのDF面を大橋選手が負担できるとかなりでかい。

OF面では、スピードのミスマッチができたときに相手DFを確実に1on1でハンティングすることだろう。

こんなことを言うのは心苦しいのだが、大橋選手は身長が低いと言うだけで既にディスアドバンテージがある。

(山陰中央新報の記事によると、へナレHCも彼の身長の部分に懐疑的らしい。ただ堀GMのお墨付きではある。)

例えば、千葉の富樫選手もそうだ。しかし富樫選手にはそのディスアドバンテージを補っても余りあるほどのOF力がある。

大橋選手に富樫選手と同レベルを求めるのは酷なのだが、それくらいじゃないとプレータイムを獲得するのは難しいだろう。

逆境を跳ね返して、ぜひとも活躍して欲しい。

・ワイリー選手
ワイリー選手に求められるのもまずDFだろう。私が気になるのは、ワイリー選手の体重だ。190cm 84kg

ウイングのポジションは外国籍選手とマッチアップすることも多いのだが、この体重だとフィジカルで戦えない気がする。京都の岡田選手が189cm 80kgなので、それよりはちょっと重いくらいと言えば分かりやすいだろうか。

例えば、
白濱選手は189cm 92kg
晴山選手は191cm 93kg
ある。

しかし、東頭AC(群馬)がyoutubeで言っていたのだが、ワイリー選手はけっこうハンドリングが良いらしい。島根の安藤選手のような感じと表現していた。(いや、流石にそれはないだろ笑とは思ったが。)

もしそれが本当なら、まぁ体重が軽いのも頷ける。フィジカルというより、3ptとクイックネスで勝負するハンドラータイプなのかもしれない。

だが、当面の間は3&Dとしての起用だろうからフィジカル面の向上も必須だろう。

OF面ではコーナー3ptを確実に沈めること。コーナーからは40%以上の確率は欲しい。

大橋選手とワイリー選手で合計15分くらいの負担をしてくれると御の字なのだが…先程も言ったようにこの2人ついては何もわからないのでプレシーズンマッチでじっくり見てみることにする。

(期待はしているが、ルーキー2人に過度な期待を寄せるのはあまり良くないと思っている。というのも2人に期待するあまり早急に結果を求めると、育成など出来ないからだ。)

●懸念点

以上のロスターを見て私が感じた懸念点は下記の2つ。

1.これで本当に、脱安藤・脱ビュフォードができるのか?

今季の補強の論点としては、安藤選手とビュフォード選手の負担をいかに減らすのかというものがあった。

しかし私の所感として、今オフの補強は「安藤・ビュフォード選手の負担を減らす」と言うより、

安藤・ビュフォード選手の周りをいかに固めるのか」ということに重きが置かれているように感じる。

既に実力がある程度分かっている晴山選手やハッサン選手は良い選手であることは間違いないのだが、試合を支配するタイプではない

彼らが活躍するには、安藤選手やビュフォード選手のようなハンドラーのゲームメイクが必要だからだ。

これに対する解決策は2つあると思う。

北川選手、津山選手がかなり頑張る
ルーキーの大橋選手・ワイリー選手が想像以上の活躍をする

これができなければ、安藤選手とビュフォード選手の負担は昨季と対して変らないと思う。

2.ニカ選手が離脱すると、昨季と同様に詰まないか?

昨季、ニカ選手の離脱後の島根がかなり負け込んだことは記憶に新しいだろう。まぁ簡潔に言うとそれが原因でCSでも敗退したわけだ。

ただこれは島根に限った話ではなく、on3を主体として戦うチームの宿命で、帰化選手が離脱すると脆弱性が一気に顕になってしまう。

特にインサイドでかなりきつくなる。

そして、島根の外国籍選手はそこまでサイズがある訳ではない。

ビュフォード選手は完全にアウトサイドのプレイヤーだし、ケイ選手もいわゆるストレッチ4で、インサイドがめっぽう強い訳では無い。

ハッサン選手はインサイドの専門の選手だが、彼もまたサイズがある訳ではないから、例えばゴリゴリのセンターとマッチアップするとなると少し不安感が残る。

また、ニカ選手が離脱すると谷口選手の負担が急に増えるのだが、当然谷口選手にも限界がある。

(あり得ない話だが、今からでも滋賀の川真田選手をレンタルで獲得できないだろうかと真剣に思っている。)

○確かに島根は今オフで補強ポイントであったウイングとハンドラーの獲得に成功した。

だが、大橋・ワイリー選手の獲得は意外過ぎた。

国内で"獲れなかったのか"、”獲らなかったのか”は定かではないが、3年目計画の最終年で堅実に優勝を目指すのならば、もっと実績と実力がある選手を獲ると思っていたからだ。

(まぁ島根行きが噂されていた選手の名前を見ると、この補強は堀GMの本意ではなかったようには感じる。)

しかし、これで補強が成功か失敗かは今は判断できない。

そして何より1番重要なのは補強ではなく、HCが集まった選手をいかに操り勝ち星を重ねるかだ。

おそらく今季のCS出場ラインも40勝ほどだろう。

ここ2シーズンで培ったチームケミストリーを持ってすれば、少なくともCSには行ってくれるだろうと期待しているし、信じている。

●スタメン予想

今季のスタメンもおそらく、
安藤
白濱
ビュフォード
ケイ
ニカ

だろう。

ただ、ニカ選手がどれほどコンディションが戻っているのかが不明だし、これだと予想として面白味がないので、私は以下のスタメンを推す。

安藤
津山
白濱
ケイ
マーティン

津山選手の代わりに晴山選手やワイリー選手を置くことも考えられるのだが、島根は原則としてハンドラーは最低でも2人同時にコートに立たせている。

そう考えると津山選手かワイリー選手に絞られ、実績のある津山選手がスタメンであるのがベターだろう。

実際に昨季の前半戦、津山選手が大活躍していたときはこのユニットでも割りと上手くいっていた。(当然、マーティン選手のところはトラビス選手だったが。)

ただ、津山選手とトラビス選手の調子が同時に落ちた後半戦はこのユニットはうまくいかなかった印象だ。

今季は、津山選手のさらなる成長とマーティン選手の活躍に期待して、このユニットで臨んで欲しいと思っている。

仮にこれがスタメンでなくとも、このユニットの完成度をあげることがビュフォード選手の負担減に大きく繋がるので、期待したい。

●先の話(余談)

○少しナイーブな話になるので見たくない人は飛ばして欲しい。

島根ブースターの間では、安藤・ビュフォード・ケイの3人はBIG3と言われているらしいが、私は今季が終わればこのBIG3は解体されると思っている。

来季もこの3人が全員島根に残っていることは私には正直考えづらい。(残ってくれるならば、それほど嬉しいことはないが)

そう考えると、今季は過去2シーズンとは違ったエモーショナルなシーズンになりそうだ。

多くの島根ブースターが思っているように、身を粉にして戦ってくれているBIG3を特に優勝させてあげたいという気持ちは強い。

島根にとって、安藤選手やケイ選手が加入した21-22シーズンは挑戦の年だった。

22-23シーズンは島根が「強豪」に上り詰めた年であった。

今季23-24シーズンは3年計画の最終年、言わば集大成の年となる。今季で1つの区切りとなるであろう。

なので、選手もコーチ陣も力を余すこと無く、持てる力を全て出し切れることを祈っている。


○今季は特にフロント陣の手腕が試されるかもしれない

Bリーグの移籍交渉解禁は毎年1月からとなっている。

つまり今季中にはもう来季(24-25シーズン)のロスター構想を練らないといけない。

現行のルールでは、選手契約はMaxで3年だ。

要するに、来季(24-25シーズン)から3年契約を結んだ選手は、Bプレミアの初年度にも被ることになる。

そして島根は26-27シーズンから始まるBプレミア参入を目指すという立場を明確にしている。

Bプレミアで誰をチームの顔に据えて戦うのか、どう戦っていきたいのかといったビジョンを持った補強が求められる。

これは島根に限った話ではないのだが、Bプレミアを目指すチームのフロント陣にとって、将来を見据えた戦いが今季中に本格的に始まるということだ。

なのでBリーグ側にはさっさとBプレミアのルールを明確に決めてもらわないといけない。曖昧なままにしておくと、クラブが困るだけだ。

○専用練習場

私はこの専用練習場について何度もツイート(というかX?)をしている。自分でも見飽きたほどツイートしている。笑 

スサマジが地元の誇りとなるチームであるというのであれば、地元企業の1つや2つくらい音頭をとって練習場を整備してくれるくらいの気概を見せてくれないものか。

専用練習場は5億円もあれば整備できる。夢のアリーナを諦め、改修という選択をしたのだから、せめて練習場くらいは国内で最高クラスの環境を整えてくれないものか。

サラリーキャップが導入されたり、ドラフト制度導入に伴う練習場整備の義務化の話が出たりと、「練習環境」がこれまで以上に重要になってくる。

遊ぶ場所もない地理的にも恵まれていない島根が今後も良い選手を呼び続けたいならば、練習場を整備しない手はないと思う。

○これも余談なのだが、Bプレミアでサラリーキャップが導入されるのはほぼ確実のようだ。もし導入されると島根にとっては相当痛い。

ここ数年の島根は、練習環境が整っていなかったり地理的な不便さをマネー(年俸)で補って良い選手を獲得してきた。

もしサラリーキャップが導入されると、バンナムマネーが発動できなくなり、選手獲得レースから遅れてしまう気がする。

サラリーキャップを超過したらラグジュアリータックスを支払うという抜け道があるのであれば、これを使わない手はないだろう。

でないと、都市として島根より魅力のあるクラブに、選手の獲得競争で勝てない。

これは薄々私も気づいていたが、BNTさんの記事を見てやっぱりそうだよなと再認識した。

これも何度も言っているが、現在のB1のチーム数に対してB1レベルで戦える選手が不足してしまっている。

Bプレミアには18チーム程が参入するらしいのだが、正直これでも多い気がする。選手が足りない傾向が変らないのではないか。

○国内市場で不足する(B1レベルで戦える)ウイング

島根が国内市場でウイング不足に泣かされる原因はここ↑にある。さらに一部のチームが良いウイングの選手を大量に抱えている。例えば名古屋D、琉球、横浜のようなチーム。

少数のチームが代表クラスのウイングを大量に抱え込むこの傾向は大嫌いだ。なぜなら島根に良いウイングが回ってこないから。笑

特に酷いのは名古屋D。須田、中東、張本、レイパークスという代表クラスのウイングを抱えているのに、さらにそこに代表クラスのウイングである佐藤を獲得している。

こんなことが許されて良いのか!?せめて佐藤を獲得するなら、1人や2人は市場にウイングを供給しろ。それが道義ってもんだろう笑(妬み嫉み)

○今オフ最も補強に成功したチームは横浜Bだと思う

これ以上無いくらいに日本人選手の構成が完璧だ。こういう補強を成功と呼ぶのだろうというお手本みたいな補強。

中地区は昨季、狩り場とされていたが、今季はそうはいかなさそうだ。


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