見出し画像

選挙人名簿書き写しという嫌がらせ

選挙人名簿

 選挙人名簿というものをご存じか?
選挙の際、投票券が送られるもとになっている住所録だ。市町村の選挙管理委員会が管理している。選挙人名簿自体は、横これだけ管理されているなと思う優れた仕組みだ。しかし、それに付随する慣行に、この国のよくないところが垣間見える。

選挙人名簿書き写し

 選挙人名簿は閲覧はできるが、データもらうことはできない。選挙管理員会に出向いて、据え付けのパソコンからPDFを見る。見たものを自分で持って行ったパソコンに書き写すのだ。
 とてもしんどい作業だ。時間の無駄だ。もともとデータがあるものをデータとして使わさない。社会の闇のような仕組みだ。
 早い人で1時間に100行程度書き写すことができる。私はがんばっても70行手度しか行かない。
 番地やアパートの号室を打ち込んで、名前も打ち込む。スケなんていう字は輔、介、佑、などたくさんある。助は最近は少ない。女性に多いサにも、沙、紗、早などがある。ユウという字はほんとに多い。悠、佑(スケのこともある)、裕、優、由、雄、友、これを間違わずに入力するのはなかなかしんどい。ワタナベやサイトウにはたくさんの字体がある。渡邊、渡邉、渡辺、斎藤、齊藤、斎藤、齋藤。
 データがあるのに書き写させるなんて言うバカげた仕組みを続けていて、生産性なんて上がるわけがない。

名簿から見えてくること

 余談だが、名簿を見ている面白いことがわかる。
 一番先に思うのは年寄りが多いこと、昭和一桁、大正生まれの人もいる。
 同姓というか姓が違う人が同じ号室で登録されていることも多い。
 親兄弟がいったい何人一緒に住んでいるんだろうという住所もある。
 住所が同じで、区別がないところに、これは、何家族も別に住んでいるよなというのもある。
 住所は不思議だ。

国費投入

 国政選挙の場合、3万5千通までははがき代を国費で賄ってくれる。1枚84円とすると、294万円になる。これを候補者全員分払うのだ。
 どこの候補者もはがきは高いので、人海戦術でポストにチラシを投函する。これも人件費はかかるが、はがき代よりは安い。
 選挙人名簿のことを考えるのは、候補者の陣営だけなので、メディアで取り上げられることはない。とてもニッチな話だ。しかし、そこに、この国の体質が凝集されていることがある。未来がない仕組みを続ける気質。いやがらせを楽しむ気質。まず、ここと変えていかなくてはと思う。

誰も変えようとしない

 何千もある選挙管理委員会のどこからも、制度を変える声が上がらない。不思議でたまらない。候補者の陣営からも声は上がらない。理解できない。こんなことを正せなくて、良い、未来は生まれない。
 


読んでいただけると嬉しいです。日本が元気になる記事を書いていきます。