母について①
私の母は数年前に介護施設で看取り介護で亡くなりました。母は昭和の始めに生まれ、明治生まれの義父母のいる夫(同じく昭和生まれ、まあ私の父ですが…)と結婚をし、義父母と義弟と同居し、私と兄という子供を持ちました。そして晩年、くも膜下出血で倒れ、脳梗塞などを繰り返し、血管性認知症になり施設暮らしになるわけです。私も充分な大人になった今、母がずっと 自身の人生や境遇などについて どんな風に思っていたのか、どう感じていたのか、が とても気になります。しかし もう母はいないので、確認する術もないのですが。
一度、まだ元気な頃に義母(私にとっての祖母)の事で話してくれた事がありました。自分たちの若い頃に、父のスーツを新調するのに義母と父が自分を置いて2人でスーツを誂えに行く事がとても嫌だった、と聞いた事がありました。それは嫉妬や寂しさ、さまざまな感情があったのでしょう。そして意外と、その出来事は母にとっては大きな事だったようです。晩年になるまで、はっきり覚えていたのですから。そういう様々な事の積み重ねが嫁と姑の問題を大きくしていくのでしょうね。
同居のため祖母が一家の主婦として金銭を全て管理し、家事をすべてやり、その他の大人(母も)は外に働きに行く、という昔風の暮らし方をしていました。働くみんなはお小遣い制だったそうで、私が子供の時などは 使えるお金が少なかったようです。父が長男でなければ ふたりでもっと気楽に暮らせたであろう、と思います。さらに義父母はなかなかの長生きをするので、苦悩はわりと長く続くことになります。