見出し画像

あの日のはなし


とある夏の日のこと。

あの日のはなし。


あんまり面白くはないよ、たぶん。
暇だったら読んでね。


┈┈ 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 ┈┈


今日はお休み。

正しくは、仕事に行かれなかった。

もっと正確には、電車に乗っていられなかった。


これを読むと、なんとなく分かるかもしれない

┈┈ 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 ┈┈


ちゃんと、出勤時刻に間に合う時間の電車に乗って、ちゃんと、職場へ向かっていた。


でも、なんかダメで、仕事に行くのを諦めた。



数日前から絶妙な体調不良(恐らく夏バテ)で、よく水分を摂って、塩分も摂って、しっかり米を食べて、よく眠っていたのに。



今日は無理だと諦めて、電車を降りたら、なんか大丈夫かも?と思えて、そこで気がついた。


「これは夏バテではない」



こういうとき、普通はまず職場に連絡をして、家族とか、恋人とかに現状報告をして、家に帰って大人しく休むんだと思う。


思う。

思ってるよ、分かってる。





わたしは、なんの迷いもなく、
かけるんばに連絡をした。


かけるんばは、わたしの数少ない友人のうちのひとり。


┈┈ 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 ┈┈


「仕事に行かれなかった、らーめんが食べたい、ひとりで行かれないから一緒に行って欲しい」


という連絡をしたら、すぐに返事をくれて、
そこから1時間弱で合流してくれた。


それから、暑いなか1時間くらい並んで、らーめんを食べた。

美味しかった。



この日は、レトロリブラのライブだったんだけれど、わたしとらーめんを食べていたせいで、かけるんばは遅刻した。



わたしから、レトロリブラのお兄さんたちに、かけるんば借りてましたと謝ろうと思って、一緒にライブハウスへ行った。


ことの顛末を説明したら、
お兄さんたちは口を揃えて、

「かける良い奴やん。
もちこ今日は物販スタッフね。」


と…。




優しすぎませんか…?


┈┈ 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 ┈┈


なにか色々と聞いてくるわけでもなく、
「ふ〜ん、そっか〜」くらいで、
あとは一緒に居てくれたのが、本当に有難かった。


物販席で店番をしながら、ライブを観て、幸せだなぁと思った。涙が溢れた。



打ち上げまで残らせてもらって、お酒を片手に皆さんとお喋りして、帰りのタイミングまで、お世話になった。

家にはもう誰か帰ってきているのか?
ひとりで電車に乗って帰れるのか?
心配してくれて、駅まではかけるんばが一緒に帰ってくれた。



最寄り駅からは、アイスを食べながら帰った。

┈┈ 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 ┈┈


本当は、仕事に行かなくちゃいけない。

なぜなら、仕事だから。


決められた日に、決められた場所で、決められた時間、決められた仕事をして、その対価としてお金をもらっている。


仕事に行かれない日は誰にでもあるだろう。

それは、体の調子が悪かったり、心の調子が悪かったり、仕事よりも優先するべき急用が出来たり。



体の調子が悪い時は、復活するために病院に行ったり、家でゆっくり休むだろう。

心の調子が悪い時は、復活するための方法を選ばなければならない。

それが、家でゆっくりするでも、映画を観にいくでも、カフェに行くでも、美味しいご飯を食べるでも、復活すれば、なんでもいいと思う。



┈┈ 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 ┈┈


あの日、わたしは、心の調子が悪かった。

復活するために、らーめんを食べるという方法を選んだ。

ひとりでは難しかったから、友人を誘った。

それから、夜まで音楽のある場所で過ごした。

少し働かせてもらったので、そのぶん自己肯定感が戻ってきた。



人よりも稼働時間が少ない自分を、嫌いになりそうな時がある。

みんなは普通に頑張れているのに、
もう大人なのに、
見えない何かのモノサシで自分を測ろうとしてしまう。


自分のことは、自分のモノサシで測れば、
それでいいのにね。



┈┈ 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 ┈┈


わたしの数少ない友人のうちのひとり、かけるんば、ありがとう。


ここ数ヶ月で食べたもののなかで、
あのらーめんがいちばん美味しかったです。


┈┈ 𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 ┈┈

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?