闘病生活その後|2002.05.31
無事に退院したからといってすべてがokというわけではない。むしろこれからは一般人として日常で生きていかなければならない。復帰のためのカリキュラムがあるわけでもない。そんな心配は出勤を1週間ほど繰り返すと忘れ去られてしまう。いわゆる”普通”の毎日が訪れる。
階段を登ったり点滅信号目掛けて走ったり。満員電車に揺られたり夜更かししたり。まるで当たり前のようにこなす毎日。あのときは全くできなかった。歩くことさえ恐怖だった。例えば健康に感謝していきようとか、当たり前は実は当たり前ではないとか。そんなのは不可能だ。それはまるで蛇口をひねれば水が出るということにまで驚いて生きろと言ってるのと同じだ。当たり前は当たり前なのだから、そんなことを意識するほうがおかしい。
奇跡を信じるか?答えは否だ。本当に奇跡があるとしたら入院前に治して欲しかった。死の直前から生へと戻る。その苦しみは単純に2倍。痛いとか苦しいとか怖いとか。言葉に言い表すことさえできない。そんな恐怖の塊だ。
肺に違和感を感じたら必ず病院に行こう。そしてレントゲンを撮ってもらおう。このときは強く強く思っていたし、それはむしろ約束に近い。そしてこの約束を2015年に破り大変なことになるわけだけども。
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