見出し画像

願いの叶え方|2022.02.18

親友とは何だろう?誤解を恐れずに言うと「自分にとって都合の良い存在」なんだと思う。そこには利害の一致とかそういう合理的な理由も何もない。ただただ都合が良い。その証拠に何の理由もなく、何の理由を知らされることもなく急に疎遠になったりする。兎に角、俺はそういう理不尽な展開が嫌いなのでひたすら連絡する。まさにお互いが自分の都合しか考えていない。自分の思う通りにする。そんな展開でひたすら面倒を感じていた年始。いつもはふたりで通っていた銭湯にひとりで行く。「こんなとこにいるはずもないのに」なんて古い唄が聞こえてきそうだ。その帰りに家の前を通ってみる。車がない。ふと「登山か?」なんて思いが頭をよぎる。
日本中に無数にある山。もしここで再開なんて話があるとすればそれはそれでとてつもなく都合の良い話になる。初の雪山単独登山を決意する。翌日、登山を決行。行ったこともない山。けれども人は信じられないくらいに多い。これはついて行けば問題ないかな。想像していた通り頂上までは問題なく辿り着く。下りは詰まらないから楽なほうがいいな。そう思い地図を見るとどうも階段で下りれるみたい。雪の積もった階段。何も考えず足を出した瞬間に躰が宙を舞う。次の瞬間尾てい骨に衝撃、条件反射で出した左手にも衝撃。痛いなんてもんじゃない。すぐに各部位が動くか確認。腕は大丈夫。足も大丈夫。手首に雪を掛ける。おそらく折れてない。5分ほどして立ち上がる。左の肘が完全に伸びない。けど痛みはない。腫れてるのか?そのまま山を下りる。
下山する頃には、左手が完全に動かなくなっている。1時間後くらいに激痛が襲う。左手だけの力で腕を持ち上げることができない。絶対折れてる。病院に連絡するも救急での対応ができないと断られる。何件も断られる。さらに1時間。その頃には痛みも全くなくなっていた。訪問医療のサービスを使って診断してもらうも「これなら折れてない」と言われる。とはいえ、肘が伸び切らないので外れてるのか?心配なので翌日病院へ行きレントゲン。呆気なく折れていた。当たり前の結果のように折れていた。帰宅する。ギプスを見る。もうなんとも言えないこの感覚。40歳を超えて骨折。しかも転倒で骨折。なんだこれ。ふとLINEしてみようと思う。同情して欲しいとかではなく本当にふとLINEしてみようと思う。すると秒で電話が掛かってくる。
山に登れば会えるかもしれない。神様よ。願いの叶え方があまりにもひどくないかい?代償は腕1本。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?