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消去法で選んだ道|2019.07.27

大学4回生。学生という守られた環境があと1年。たったの1年で終わりを迎える。こんな現実がいつかやってくることは知っていたけども、いざ目の当たりにすると信じられない、信じたくない気持ちでいっぱいになる。大学に入る前に「やりたいことを見つけるために大学へ行く」なんて周りは言っていたし、俺もそう思っていた。就職活動前にはなりたい職業とか未来の自分の姿が明確に決まっていて、あとはそれに向けて邁進するだけ。中学を卒業したら高校へ。高校を卒業したら大学へ。大学を卒業したら社会人へという当たり前の道が開けると思っていたけども、それは大きな間違いだった。可能であれば何もしたくない。明日宝くじでも当たっていればそういう世界が開けるかもしれない。けども宝くじを買ってさえいない俺にはそんな世界が開くはずもない。
特別やりたいことがあるわけでもなく、特別得意なことがあるわけでもない。他人よりも秀でていると自信をもってお勧めできるものもない。せっかく大学生にもなったにも関わらず未来への選択肢はひたすらに少ない。時は就職氷河期。「自分に合った会社や職業を!」なんて言ってる奴は根こそぎ就職浪人になってしまう。なんとかしないと。
コミュニケーション能力が低い。なので対人の少ない、可能であれば皆無である職業を探す。この1点で7割くらいの職業がその選択肢から消えることになる。せっかく大学に通っているのに就職センターも利用しない。OB訪問なんて拷問以外の何物でもない。本屋で就職雑誌を買って就職先を探す。まずはスタジオの店長候補。音楽やってるしこれならできるかもしれない。そしてコンビニの店長候補。バイトでシフトとか組んでるし、部活でもキャプテンだったし、そういう均衡的なことはできるかもしれない。最後にシステムエンジニア。これ絶対人と喋らなくてもいいよね!給料も高いし。けども未経験の俺にこんな仕事が務まるんだろうか。大きい会社だと飲み会だとかなんだとかいろいろありそうなので、小さい会社を選択。「少数精鋭」とか売りにしてるとこはいいかもしれない。
いくつかの会社の面接を受けて、スタジオ店長候補、コンビニ店長候補、システムエンジニアの3社に内定。この3つの中のどこかで働かなくてはならない。スタジオ店長は1年間バイトから始まる。時給は700円。これは死ねる。パス。コンビニ店長も最初はバイトから。システムエンジニアは社員。それにこの中で一番高給!しかも社員4人!ここしかない。そうやって排除排除で絞り込む。<span style="font-size: 16px; letter-spacing: 0.2px;">就職雑誌で仕事を探したもんだから、先方的にはすぐに社員になって欲しいらしい。とはいえ俺にはあと1年大学生活が残っている。仕方ないので月~木まで仕事して金曜日だけ大学という掛け持ちをさせてもらう。今になって思うと、俺の大学生活って3年しかなかった気がする。
後日談。システムエンジニアはパソコンに向かっている時間が長く人と話をする時間はほとんどない。そう勝手に思っていただけで、実はめちゃくちゃ人と話をする機会が多かった。

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