『動く!福岡・九州』に続け
福岡の妻の実家で静かな正月を過ごしています。元日の朝刊に目を通すと、まさに現在の福岡の勢いを象徴するような記事が、目に飛び込んできました。
「日本郵政グループが天神の中心部にある福岡中央郵便局の建て替えを検討。天神の北側再開発の核として2025年度までの完成を目指し、複合商業施設やホテルの建設を軸に整備を推進する」
「JR博多駅前にある『ANAクラウンプラザホテル福岡』が建て替えられることが明らかになった。所有する地場デベロッパーの福岡地所(福岡市)が、2028年末までの完成を目指して実施する」
他にも、今年4月に『三井ショッピングパーク ららぽーと福岡』の開業や、同じく今年12月以降には『ザ・リッツ・カールトン福岡』を含む旧大名小学校跡地活用事業の完成、今年度中には地下鉄七隈線(福岡市中央区−博多区)の完成等々、目をみはるものがありました。
福岡以外の九州内での動きとしては、長崎では今年秋頃の西九州新幹線(武雄温泉−長崎間)の部分開業に併せて、来年には『長崎マリオットホテル』を含む駅ビルの完成、鹿児島市の中心部・天文館では今年春の再開発事業『センテラス天文館』の開業なども紹介されていました。
また熊本では、大手半導体メーカー台湾積体電路製造(TSMC)の進出で盛り上がっていますが、長崎県諫早市では半導体画像センサーの主力生産拠点を中心に、ソニーグループが2021~23年度の3年間で7千億円程度を設備投資することも報じられています。
そんな動きを知ると「我が故郷は……」と焦燥感を掻き立てられるのかもしれませんね。特に我が故郷・熊本は福岡に対するライバル心の根強い土地柄でもあるので、「負けられない!」と意気込む県民は多いかもしれません。ただ、私が長々と他県の動きを紹介した目的は、地域の活性化を考える上で、そうした「他県には負けられない」といった発想は、場合によっては多大なロスを生みかねないことを伝えたかったからです。
福岡・九州はまさに動いています。だからこそ、まずは己を知り、その上で他地域での動きをいかに熊本の活力に繋げていくのか、広域的な視点に立った戦略が、変化の激しい現在だからこそ求められているのです。例えば、ソニーだけでなく、三菱電機やルネサスエレクトロニクス等のように、熊本県内の半導体産業集積の要因が、豊富で清冽な地下水であることは周知のところかと。ところが将来にわたり質量ともに盤石とは言えない現状では、これを守り維持できるかどうかが、今後の熊本・九州の発展のカギを握ることになります。
熊本の地元紙を見てみると、空港アクセス鉄道路線見直しに関することや新アリーナ建設などが報道されていました。新アリーナは民設民営で2026年開業を目指すとのこと、注目です。空港アクセス鉄道に関しては、これまで持論を展開してきただけに、先ほどの論点も含めて、あらためて私の考えを述べたいと思います。
いずれにせよ、今年もまた大事な1年であることは間違いなさそうです。
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