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政令指定都市移行10年~熊本市の今を検証する

熊本市が政令指定都市に移行して10年の節目を迎え、4月12日・13日の両日、地元紙朝刊に、現市長との対談が掲載されます。

3町との合併、区割と区役所の設置、県からの権限移譲などの移行準備等、紆余曲折を経て全てが整い、平成24(2012)年4月1日を迎えた時には感慨深いものがありました。

「なぜ政令指定都市を目指したのか?」
激化する都市間競争、九州内での福岡都市圏への一極集中、九州新幹線全線開通によるストロー現象、迫りくる人口減少・少子高齢化、市役所と住民との距離、住民自治、あらゆる課題が山積する中、政令指定都市に活路を求めました。それは熊本市だけにとどまらず、熊本都市圏や県内全域、大分県や宮崎県、鹿児島県等からの期待を背負ったものでもありました。

期待だけでなく、変化を伴うことへの不安の声にも応えようと、懸命に「なぜ政令指定都市なのか」の説明と説得とを繰り返しました。『明日のくまもとへ 政令市を目指して』という自著を出版し、なぜ必要か、どんな政令市を目指すのか、できるだけわかりやすく著しもしました。
公言してきた数々が本当に実現されているのか、やはり検証が必要だと思っています。

移行後には熊本地震という未曾有の災害に見舞われ、現在も続いている新型コロナウイルス感染拡大という想定さえ難しい事態も発生しています。一方では、少子高齢化や人口減少、福岡都市圏域への集中など、危惧されていた課題は、ある意味想定通りに進んでもいます。

「この10年間で、期待された効果を発揮できたのか?」
「仮にできていなかったとすれば、何が原因なのか?」
「政令指定都市・熊本市は今後どうあるべきなのか?」
それらの問題意識を持って対談に臨んでいます。

政令指定都市について考えるということは、市町村、都道府県、ひいてはこの国のあり方を考えること。誰もが関わることなのです。

この対談を通じて、熊本市のことはもちろん、将来も含めた地域の抱える課題を自分ごととして捉えてもらい、自らの力で解決するために地方はどうあるべきなのか、地方分権という言葉がほとんど聞こえなくなった昨今だけに、多くの人が考えるきっかけにしたいものです。

中には、私に対して「辞めた者が今さら総括するなんて、無責任だ」との批判の声もあるでしょう。
「何も言わないことの方がよほど無責任」であり、「市民・県民のひとりとしての責任を果たす」ためにも、今回の対談にとどまらず、しっかりと今後に繋がる検証をしたいと思っています。

皆さん、ぜひとも掲載紙を読んでいただき、率直なご意見をお聞かせください。

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