見出し画像

内部告発で浮かび上がる悪しき組織風土

あなたは内部告発をしたことがありますか?
もし、内部告発を受ける立場になったら、冷静に対処できる自信はありますか?

「そんな怖いこと考えたこともありません!」という答えが返ってきそうですね。メタ・プラットフォームズ(旧Facebook, Inc.)の元社員が、米国上院や英国議会で内部告発の内容を証言するニュースを見ました。その証言に続いて同社CEOであるザッカーバーグも証言したようです。

告発者の主張が真実であり、Facebookの各種プラットフォームがユーザーに害を及ぼしていることが明らかになった時に、ユーザー離れや悪影響などの不利益を恐れて軌道修正を怠ったり、ユーザーより利益を優先したとすれば、決して許されない行為だと思います。SNSの利便性は危険性と表裏一体だと思うのですが、その危険性を覆い隠そうとするならば、やはり許されるものではありません。SNSの怖さを感じている者の一人として、真相が明らかになり、対策が講じられることを願うばかりです。

一方、国内では日本大学の理事長が脱税容疑で逮捕されました。そのワンマンぶりは以前から知られていましたので、今回の逮捕に驚いた人は少なくないのかもしれません。漏れ伝わる情報を見聞きすると、なぜもっと早く不正が明らかにならなかったのか不思議にも思えます。おかしい、間違っている、と感じていた人は少なくないのでしょうが、言いたくても言えない組織風土や抑圧が強かったことが容易に伺えます。

だからといって、このことは『日本大学固有の問題』と言い切れるのでしょうか。内部告発者の匿名性が守られず、孤立し、厳しい立場に追い込まれるという話を聞くことがあります。告発者が守られるという安心感もしくは信頼感がなければ、勇気を振り絞ることはできないでしょうね。

コンプライアンスの重要性は論を待たないところで、2006年4月に「公益通報者保護法」が施行されてからは、企業や役所、団体などには専門部署の設置が進められてきました。昨年2月の法改正では、2年後を目途に従業員が300人を超える事業所には体制整備が義務付けられることになりました。おそらく日本大学では法改正前から設置されていたはずです。

その組織体制が有効に機能しているのか、そうでなければ点検が必要です。
「考えたこともない」と答えたあなた、「考えないようにしている」だけはありませんか?

告発までには至らずとも、違った意見を堂々と述べられるようになり、異論をきちんと受け止めることのできる社会を、私たちは目指していく必要があると思います。もちろん告発されたことが全て正しいというつもりはありませんよ。念のため。

さて、あなたのまわりはいかがですか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?