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児童福祉法等の改正によせて

5月5日は子どもの日。子どもたちが元気に外で駆け回れるように、今日のような青空が広がってくれることを祈りたいと思います。

現在行われている第208回通常国会では、子どもたちにとって重要な『児童福祉法等の一部を改正する法律案』が審議されています。

【改正の目的】
児童虐待の相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況等を踏まえ、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化等を行う。

【改正の概要】
1.子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化及び事業の拡充【児童福祉法、母子保健法】
2.一時保護所及び児童相談所による児童への処遇や支援、困難を抱える妊産婦等への支援の質の向上【児童福祉法】
3.社会的養育経験者・障害児入所施設の入所児童等に対する自立支援の強化【児童福祉法】
4.児童の意見聴取等の仕組みの整備【児童福祉法】
5.一時保護開始時の判断に関する司法審査の導入【児童福祉法】
6.子ども家庭福祉の実務者の専門性の向上【児童福祉法】
7.児童をわいせつ行為から守る環境整備(性犯罪歴等の証明を求める仕組み(日本版DBS)の導入に先駆けた取組強化)【児童福祉法】

どれも重要な法案であり、児童虐待や社会的養育に関わる内容も多く、審議の行方を注目しています。

この中でも私が特に注目しているのは、3番目の社会的養育経験者の自立支援の強化について。児童養護施設や里親家庭で暮らす若者の自立支援の年齢制限を、現行は原則18歳(最長で22歳)が上限ですが、年齢で区切ることなく、施設や自治体が自立可能と判断した時期まで支援を続けるというものです。

これまでも最長22歳としながらも、ほとんどが18歳で自立を余儀なくされ、自立するはずが孤立してしまうケースも少なくなかっただけに、実効性を伴うことが求められています。現状に対応しようと法律が改正されることは望ましいことなのですが、予算や人員の確保、専門性の向上が追いつかずに『絵に描いた餅』に留まっている例も少なくなく、受け皿の整備は急務です。

私は現在、そんな子どもたちの自立を支援するために活動するNPO団体のボランティアスタッフとして活動しています。その立場から法案審議の行方とその後の行政の対応について、注視していくつもりでいます。そして受け皿のほんの一助にでもなれればと願っています。

昨日はビーチサッカーを楽しむ子どもたちと触れ合うことができました。明日の子どもの日も別の活動に参加するつもりでいます。子どもたちは、笑顔の時だけではありません。悩みや苦しみ、哀しみ、なかなか答えが見出だせないとき、色んな局面においても、身近にいることで、心を開いて相談してくれるような、そんな存在になることが私の個人的な目標です。スタッフの皆さんの専門店で献身的な取り組みからすればまだまだなのですが、一歩ずつでも、そう心に誓っています。

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