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夢に向かって~独立した友へ

何年経っても変わらない人に出会うとまずはホッとします。そして、自分自身はどうだろう、と考えさせられることになります。

今から20数年前、地元では若手の政治家と言われていた頃、ある学生たちとの出会いがありました。その学生たちが主催する、これから社会人となる学生たちとさまざまな業種の若い社会人との交流会に私も参加することに。熊本市のある公民館で、鍋を囲みながら、深夜まで意見を交わしたことが懐かしく思い出されます。

その共同代表のひとりは医者志望で、「小児科医となり子どもたちを救いたい」「熊本をもっと元気にしたい」、と熱く語っていました。それが縁で、その後もずっと繋がっていて、彼が小児科医となり、その後にNPO法人を立ち上げて、重度の障害児の在宅医療や不登校児の農業体験など、仕事の枠を超えて懸命に取り組む様子を見守ってきました。さらに、不登校を経験した若者たちの社会参加を後押しするチョコレート店を開業したり、街なかでクリスマスマーケットを開催するなど、彼は活動の幅をどんどん広げていきました。

また球磨川流域の水害発生直後の復旧作業には、私も一緒に活動させてもらいました。医者としてとにかく多忙な彼が、必要だと思えば即座に行動に移す様子を見ながら、「変わらないなぁ」と、いつも感心しているのです。

球磨村神瀬地区での復旧ボランティア

そんな彼が、長年勤めていた病院を退職し、独立することに。これまで取り組んできた重度を含む障害児のケアをもっと充実させるために、夢に向かってまた一つの決断をしたのだと思いました。開業からしばらくして、あらためてそのクリニックを訪ねました。建物の中も外も広々としていて、建物には木材がふんだんに使用され、子どもや保護者たちが、ゆっくりと過ごせるような空間が広がっていました。この時期の開業は、コロナ禍はもとより、人材の確保や建築費の高騰などの影響で、かなり苦労も多かったようです。それでも、夢に向かってまた一歩前進できたことを喜びとして、お世話になった人たちへの感謝の気持ちを表していました。

夢や目標を持ち続けることは簡単ではありません。途中、何度も困難な場面にも出会し、挫折することだってあります。それでも簡単には諦めない。布石を含めて実現に向かって着実に前進する様子は、やはり当時のままであり、私をも奮い立たせてくれました。

帰り際に玄関で記念撮影を一枚。25年前の写真が残っていれば見比べることもできるのでしょうが、残念ながら私の手元にはありません。おそらく容姿は明らかに変わったはず。それでも中身は全く変わらない、そのことは明らかです。これからも彼の行動を応援するとともに、ずっと交流を続けていきたい、そんな貴重な友人です。


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