見出し画像

原因究明が待たれる~知床観光船遭難

ゴールデンウイークを前に、知床で観光船の遭難事故が発生しました。
乗組員も含め26名が乗船されていて、まだ半数以上の方々が行方不明。発見された子どもを含む11人全てがお亡くなりになられました。心からご冥福をお祈りし、少しでも早い不明者の発見を願うばかりです。

これまで、私も観光地で遊覧船や観光船に乗ることがよくありました。
佐賀県の呼子や島根県の潜戸などは、長きにわたり荒波にさらされて形作られた自然の雄壮な造形に、とても感動しました。海上からの景色は、陸上から見えるものとは全く異なり、それぞれ満足したものです。

今回の事故を彷彿させるようなこんな経験もあります。
家族で長崎を訪れた旅の目的は『軍艦島上陸ツアー』。事前予約を入れ、とても楽しみにしていました。予習を兼ねようと、少し早めに着いて船着場近くのミュージアムを見学していると、「天候次第では、出港をとり止める場合があり、出港しても島に上陸できない場合もあります」とのアナウンスが。館の外は曇ってはいたものの、それほどの悪天候でもなく「これくらいなら大丈夫だろう」とたかをくくっていたら、まさかの欠航。とても残念であり、「これくらいの天候でなぜ船を出さないのか」と憤りに近いものを感じました。

しかし、少し調べてみると、海上の天候や波の高さは、陸地とは全く異なっていて、ツアー運航会社のホームページをよく読むと「天候基準をクリアする日数は、年間100日と想定される」との記載もありました。安全最優先の判断は、止むを得なかったのだと納得しました。

今回の事故はなぜ発生してしまったのでしょう。
事故を起こした運航会社は「遠路はるばる訪れてくれた観光客の希望に応えたい」という思いがあったのかもしれませんし、単に営利を優先させてしまっただけなのかもしれません。天候等の条件はクリアされていたのか、運航会社の体制は、少しずつ情報が出てきているようですが、いずれにしても十分な検証による原因究明と再発防止策の構築は不可欠です。

ご家族の悲痛な声を聞いても、今なにより優先すべきは不明の方々の少しでも早い発見であり、あらためてそのことを願わずにはいられません。

※写真は事故とは関係のないフリー素材です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?