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一人ひとりが描く『街』

あなたは『街』という言葉に、
どんなイメージを持ちますか?

私の脳裏には、熊本市中心部の3つのアーケード街。2つの商業施設とともに『2核3モール』を形成する賑わいゾーンが浮かんできます。

東京にはいくつもの街がありますよね。大学生の息子の住む東京都葛飾区には、亀有町や葛飾柴又など、下町の風情漂う街が点在しています。新宿や渋谷、池袋などだけでなく、山手線やそれ以外の沿線にも、駅ごとに商店街や賑わいのある空間がいくつもあり、それぞれ個性的な街があります。

熊本の場合、郊外にはいくつもの大型ショッピングセンター・モールがあり、熊本駅には大規模なショッピングセンターが昨年開業しました。同じ時期に御船町に開業したコストコも結構賑わっているようです。買い物だけなら、郊外の大型商業施設や通販でほとんどのものが揃います。映画館やゲームセンターやカラオケ、ボウリング場などの娯楽施設も郊外の設備の方が充実していたりもします。でもそれは、私にとって『街』ではないのです。

『街』とは、生き物のようにうごめいていて、おしゃれであり、妖しげでもあり、そこにしか無い魅力がたくさんある空間――。アーケードから路地を少し入った薄暗い裏通りや、場末の雰囲気のある飲み屋街など、街独特の臭いが漂うような空間が脳裏をよぎります。歴史的な出会いであったり、文化的な出会いだったり、とっておきの商品やとても面白い人と出逢える。なんでもありで、誰でも受け入れてくれる、そんな懐の深い空間こそ『街』と呼べるのではないでしょうか。

熊本でLGBTQの人たちを支援する方と話していたら、東京の雑多な空間に紛れ込むことで安心感を覚える当事者も少なくないとのこと。大都市ではない、手触り感のある街が地方都市の魅力だと思っていましたが、そのことに息苦しさを覚える人もいることを教えてくれました。

先日、久しぶりに街なかを歩いたら、『Street Art-plex Kumamoto』が開催中でした。それこそ音楽だけでなく、演劇や大道芸など、幅広いジャンルで街を活気づかせてくれています。主催者の方と少し話をすると、始まってもう20年なのだそう。まん延防止等重点措置の適用期間が延長されたので、プログラムを一部見直したりしたものの、今年も開催できでほっとされていました。珍しく車も渋滞し、人通りも少し多いように感じました。

もうすぐ桜の季節ですものね。熊本にとって、多様で活気ある魅力的な街はこれからも必要です。感染予防対策をしながらも、もっと出かけるようにしようと思いました。

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