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学振申請書提出前日に筆頭著者論文0本だった私が「一発逆転」面接免除でDC1採用内定した話

皆さんはDC1とは何かをご存知でしょうか。簡単に言うと、博士課程の給料みたいなものです。私の妹のなでしこはこれに通りましたが、色々と苦労したみたいなのでまとめておきます。

学振DC1採用内定に必要な3要素

1. 申請書から推量される研究者としての資質
2. 研究実績
3. 研究計画

以上の3要素を満遍なく満たすことで、採用に近づくことができます。研究実績だけを満たせばいいということではありません。

申請書から推量される研究者としての資質に関して
これまでの研究成果や、実際に第一著者として執筆した論文数、国際会議の口頭発表数などで推量されます。

研究実績に関して
こちらも同様に、これまでの研究成果や、実際に第一著者として執筆した論文数、国際会議の口頭発表数などが評価の対象だと思われます。

研究計画に関して
こちらはやや難しいですが、お金がたくさんかかりそうな、難しい研究テーマであることをアピールする必要があります。その際、これまでの研究が土台にないと論理が通らなくて、執筆が格段に難しくなると思われます。

ここで、面白いポイントがありまして、「なお、DCについては研究経験が少ないことから①「研究者としての資質」を重視して評価します。」(原文ママ)って学振のHPの「特別研究員の選考方法」のページに書いてるんですよね。「なーんだ、研究経験が少ないから業績少なくてもいいんだー」って思う人もいるかもしれませんが、上で述べたように「これまでの研究成果」があることで「研究者としての資質」を推量することができます。だから、業績が少ないと採用されません。

また、殆どの場合、分野外の先生が読まれるので、これまでの研究成果を読んでもよくわからないし、これからの研究計画を読んでももっとわかりません。でも審査員に選ばれたからには責任をもってちゃんと審議しなければならない。そうすると真っ先に判断材料になるのが、当該分野の研究者による査読が行われた、査読付き筆頭著者論文の本数になります。なお、これ1本でもあれば十分です。他の業績の多い人を差し置いて、「この人には研究者としての資質があります!」って業績の少ない人を評価しちゃうのは、セオリーに反するのです。

ここまで真面目な話をしたので、なでしこがどういう軌跡を辿ったのか、おふざけも交えつつ簡単に示したいと思います。

なかなか舐めた発言をしていますね。この後どんどん弱気になっていきます。


面白いことに、この時筆頭著者論文0本でした。


まだこの時も余裕があったんでしょうか。期限が近付いており、非常に苦しい状況です。submitしてなかったと思います。


あっ、この辺からしんどくなってきてますね。


こらこらはしゃぐなw


しんどいことを隠しながらもしんどそうなツイートです。


これはなかなかポジティブなツイートですね。なお、この時筆頭著者論文0本です。


あっ、まだギャグも言えるレベルだったんですね・・・安心しました。


いや、自虐ですねこれ。


なんとこの時まだ論文投稿していません。え、いつ投稿するの?


論文投稿したときの話ですね。ちなみに論文は成果がたくさんあったので、2本同時に投稿しました。ネタバレすると、一方の論文はNature級の成果で今も査読者と戦っています・・・。


論文の査読待ちをしています。精神的にも追い詰められていますが、申請書はこの段階でほぼ書き終えていました。論文修正の時間も必要だったので、早めに書き終えたのです。


これ、本当なんです。遅くても年末に投稿→2月あたりにアクセプトが良いです。自分だけでなく、指導教員にも迷惑をかけるので。


5月になり、徐々に焦りが見え始めています。


ついに診断メーカーで疑似体験を求めるように・・・


何回も同じツイートをしています。


このように自分に言い聞かせています。でも実際に業績以外をしっかりと固めていたのは大きかったと思います。


そうなんです。この段階でマイナーリビジョン返答後でした。いつアクセプトを貰えてもおかしくなかったんです。音沙汰がないまま、精神も崩壊し、学振提出前日を迎えます・・・



そして、この日の夕方に「一発逆転」の瞬間を迎えることになります。























無事にアクセプトを頂けました。



そして、

無事に採用内定を頂きました。採用内定を頂いた以上は、日本の科学技術の発展に向けて、責任をもって尽力するそうです、うちのなでしこ。

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